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吹き替えよりも字幕で二人で観たあの映画

 3つ下の女の子2人組YouTubeを見ることが、最近の1番の癒しだ。幼なじみだから息もぴったりで、まるで友達と女子会をしているみたいな感覚になる。ふと、最近彼と日々を過ごしすぎていて、女の子の友達と会う機会がぐんと減ってしまったな、なんて思う。

 エキスポシティの映画館で「ちょっと思い出しただけ」を観た。恋愛映画って、不思議だ。ただ男女2人の恋を2時間ほどの物語に膨らませられるんだから。そんなドラマチックな出来事そうそう起こらない、実際はうまくいくか、いかないか、それだけだ。どれだけ好きになっても、別れても、それぞれの人生を歩んでいくしかないし、どんな大恋愛をしても次に進んでいける強さを持っていなくちゃ、いけない。

 今の彼とはマッチングアプリで出会った。どんな人だろうと不安はあったけれど、初めにテレビ電話で彼と喋った日、この人と結婚するかも、と思った。こんな感覚になるのは初めてだったから自分でもおどろいた。それからはとんとん拍子に進み、交際が始まった。お風呂あがり、髪の毛からおんなじ匂いがすることが、幸せでくすぐったいのを初めて知った。そして、初めて、この人と家族になりたいと思った。

 前に付き合っていた人と、結婚したいと、どうしても思えなかった。だから別れた。3年間遠距離をしていたが、遠距離でも私たちなら大丈夫だと思っていた。毎日電話をして、それでも月に一度しか会えなくて、寂しくて、会いたくて仕方なかった。わたしの就職を機に彼のいる土地に行くはずだったが、落ちるに決まっていると思っていた憧れの会社から内定をいただき、今の会社に入社した。働き始めると仕事が楽しくて、ますます彼の住む土地に行くことが難しくなった。仕事を辞めてまで、彼と結婚したいとは、思えなくなった。付き合った春からずっと一緒に見たいねと言いながら、タイミングがあわずに見れなかった桜を、最後に一緒に見て別れた。家族のような存在になってしまった人とお別れを決めたのは初めてだった。

 映画の最後、2人の6年を終わらせて、ちゃんと前に進んでいる女性にすっかり心が救われた気がした。どれだけ大好きな思い出があってもどれだけ長く付き合ってても、うまくいかない人とはそこまでなのだ。大恋愛の次に結婚するってよく言うけど、本当にそのとおりなのかも、と思う。大好きだった人のこと、ちょっと思い出しただけ。幸せでいてくれたらいいなと、たまに思う。

#ちょっと思い出しただけ

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