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スープで、いきます(読書ログ)

本日ご紹介する本はこちら。一人の商社マンが、Soup Stock Tokyo を作り上げるまでのストーリーをまとめた一冊です。

本書は、Soup Stock Tokyo を運営する㈱スマイルズを立ち上げた遠山正道氏による、Soup Stock Tokyo のアイデアの誕生から実現までを記したストーリーとなっています。

今日は、その中から個人的に面白かった内容を抜粋して紹介したいと思います。

Soup Stock Tokyo の特徴

Soup Stock Tokyo は、今までのファーストフード業界の常識を覆す独自の戦略で、女性を中心に確実にファンを増やしています。
・スープをメインとする食事スタイル
・女性が一人でも入りやすい店舗作り
・無添加にこだわり、高品質で適正価格の商品設定(安さを求めない)

決して安くはない価格設定(セットメニューで740~1,100円)ですが、徹底的に味と品質にこだわったものづくりをしています。

結果として、ライフスタイルにこだわりを持つような人や、量より質を求めるような人などを中心に、人気を集めています。

ストーリーのある企画書

そんな Soup Stock Tokyo の創業ストーリーの中でも、特に面白かったのか、遠山氏の作成した「ストーリー仕立ての企画書」です。

この企画書は、企画が既に実現した未来のことを、そのまた未来から企画を振り返る形で書かれています。

タイトルは『スープのある1日』。プロローグに始まり、メニュー、店舗の立地、成功のための仕掛けなどが書かれています。そのどれもが、あたかも事実であったかのように(過去の体験談として)書かれていて、実現している様子をとても具体的に想像することができるものでした。

まるでそれは、企画書ではなく、既に実現しているサービスを説明しているような、そんな印象を受けるものでした。

本書では、その企画書の内容を全文公開しています。気になる方は、是非ご覧になってみてください。

コンセプトの擬人化

Soup Stock Tokyo のコンセプト・イメージを共有するために遠山氏が選んだ手法が、「秋野つゆ」という一人の女性に例えることでした。

ペルソナを設定するときと同様、性格や考え方などを具体的に設定しています。更に、料理の嗜好と指向を細かく定め、のちのメニュー検討の際の軸としていました。

これに限らず、コンセプトや理想とする形を具体的に示すことで、Soup Stock Tokyo という個性がブレることなく、確立できているようでした。

遠山氏のこだわり

そんな Soup Stock Tokyo を作り上げてきた遠山氏が、日常生活でモノ・サービスを選ぶときのこだわりが紹介されていました。

個性的で、意味があり、背景があって、共感できること

モノそのものの価値に加え、そのモノが持つ"付加価値"が重要視されるようになってきた昨今。そのモノにストーリーを持たせてあげることで、人はそのモノに魅力を感じ、共感し、選ぶようになるのではないでしょうか。

Soup Stock Tokyo はまさに、他にはない個性を持ち(スープが主役)、こだわりの商品を提供することで、こだわりを持つ人たちに選ばれているのです。

さいごに

今回の読書ログは、本書の中でもキレイな部分を取り上げています。

実際の事業立ち上げは、もっともっと泥臭いもの。本書の中では、その泥臭い苦労話も含め、Soup Stock Tokyo にまつわる様々なストーリーが紹介されています。

・事業を立ち上げるって、どのような体験なのだろうか。
・こだわりを貫くのは、どれだけ大変なことなのだろうか。
本書を読めば、新規事業のアイデアの誕生から、実現までのストーリーを体験することができます。

もっと知りたい!と思った方。ぜひ、本書を読んでみてくださいね。


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