廃校を活用したい!までの経緯
少子化に伴う児童生徒数の減少等で、毎年約450校の廃校が生じている(文科省HPより)。
学校がなくなることは、地域の衰退に直結する一大事。私は今から15年ほど前に廃校がどんどん出ている北海道に住んでいたので、学校がなくなることが地域力の弱体化をいかに強力に推進してしまうのかを目の当たりにしてきました。特に小学校がなくなることのインパクトは大きい…子どもを通じてのつながりってやはり大きいんですね。
現在私が住む名栗では中学校がなくなりました。
跡地利用については、当初、地元新聞が「活用のめどが立った」的な報道したものの、市長の交代とコロナ蔓延が相まってどこかに消えていまい、その後は話題にすら上らなくなっていました。
私は2017年に一般社団法人を立ち上げ、地域資源を活用する事業を始めました。飯能市はエコツーリズムの先進地なので、これを業としてできるようにしたいなあ、と思って始めたものです。2020年からは地域で唯一の放課後児童クラブの運営もはじめました。ずっと運営を担ってくださっていた方々が高齢化し、安心安全にクラブ運営をすることが厳しくなったことが理由です。一方でクラブで名栗の特色を生かした環境教育を提供できるのではないか、とも考えました。私の専門分野を活かせるかな、と。ほかに運営を担える方もいなかったというのも事実でしたが、ともあれ、クラブを動かし始めました。
クラブ運営をバトンタッチした時がコロナでした。1990年代に作られたクラブの施設は大きくはなく、密を避けろと言われても密にならざるを得ないようなものでした。
目の前には市営のグラウンドが広がっており、自転車で遊んだり、野球をしたりと自由に遊べます。でも、週に3回はグラウンドゴルフの皆さんが午後の時間に使うので、子どもたちは遊べません。午前中にプレイしてくれたらいいのになあ、と何度か交渉もしたのですが、変わらずです。
市が掲げる「女性と子どもにやさしいまち」という言葉がむなしく響きます…
コロナ禍で在宅勤務が進んだこともあり、田舎暮らしを求めて移住してくる方も増えてきました。名栗小学校の児童数も増え(といっても全校で40名もいませんが)、これに伴ってクラブ入所を希望する方も増えました。はっきり言ってクラブの施設は「小屋」のようなものなので、少しでも広い空間を、とのことで、デッキを作ったり、ロフトを作ったりして対応してきました。子どもたちが少しでも快適に過ごせる場づくりを目指して。
…でも小屋はしょせん小屋、限界があります。2023年度のスタート時には入所定員を超えることとなり、一部の方に入所を遠慮してもらわなければならない事態になってしまいました。これが思わぬトラブルとなり、誹謗中傷を浴びることとなってしまいました…
一方で、廃校になった中学校は使われることもなく、ただ時間だけが経過。
校庭には草の蔓延る範囲がむなしく広がっていきます。
だったら廃校を使わせてほしい!
希望する児童を受け入れる場所を確保したい!
ここが出発点でした。
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