デジモンゴーストゲーム総評

今更ではありますが、思った事を文章にしたら長くなりそうなのでこっちに纏めておきます。

最後まで冒険要素がほぼ無いまま終わったこの作品は個人的にデジモンアニメシリーズの中で一番の異色作のように感じた。

種明かしークオンタモンによるゲームじみた実験だったという真相を明かしてみればストーリー部分は「人間とデジモンとの相互理解」が本筋だったのかもしれない。
実際、死人や死んだデジモンが出るなど被害が特に大きい事がほとんどだったグルスガンマモン回だけでなく、人間の文化を理解しきれていなかったマミーモンや人間の実力を素直に認めたピエモン、人間を理解しきれなかったがゆえのほろ苦い結末を迎えたアヤタラモンやメイクラックモン、人間に興味を持ったが故に道を踏み外したデジタマモンと人間への興味が根幹にあるエピソードが目立っている。
要は日常を送る≒コミュニケーションを取るという点が重要視されていて、これもまたデジモンアニメとして重要な要素だった事を気づかせてくれたのかもしれない。

作画面については大きな不満は無い。自分が甘めな評価というのもあるが、概ね整ったレベルを維持し続けており、アクション面に関しても動く時は非常に良く動いたりと魅入る時も多かった。
ただ、ダイナミックさでは前作である『デジモンアドベンチャー:』に軍杯が上がるかもしれない。

不満点も無いわけじゃない。
話によってたまによく分からないデジモンの選出が見られている。
例えば、レース要素一切無いのにスピード狂キャラにされた挙句他の姉妹も出なかったシスタモンシエルや何故かドリルの如く拗らせる事を特技にされたカルマーラモンにはツッコミどころの方が大きかった。
1話から長〜く引っ張ったヒロの父親絡みの話も唐突に帰還してそのまま有象無象と化したような扱いで、結局のところガンマモンやバイタルブレスを持ってくる舞台装置と化した感が否めなかった。
鳴り物入りで出たエスピモンもいてもいなくてもいいようなポジションで落ち着き、リュウダモンに至っては途中でフェードアウトも同然だった。

また現実世界が主な舞台となりながらも主人公たちが「積極的に動いて事件解決する」テイマーズやセイバーズ、作風が特に似てると言われているサイバースルゥースと比べて、事件に「巻き込まれる」パターンが非常に多い。全体的に受け身の姿勢なのだ。
この辺りも賛否が別れる点だったかなと。

良くも悪くもスタンダードな冒険物だった前作『デジモンアドベンチャー:』と比べてシリーズ異色の日常怪奇ホラーとなった『デジモンゴーストゲーム』。
他のシリーズと比べて毛色が特に違うが故に賛否もまた大きいが、その方向性故にバラエティに富んだ話が多く、自分としてはなかなか面白いストーリーのように感じられた。

とりあえずこれだけは懇願する。
「Blu-ray発売マダー?」

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