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FRBの政策金利と株価について

ツイッター界隈でこういうのを見かけました

①政策金利を上げてから、株価暴落までには時間差がある。
②ターミナルレートに到達した後、経済は時間をかけて悪化する。
③利上げ途中で、下落が底打ちした事例は一度もない。

私見にはなりますが、この三点はすべて間違いだと思っています。今回のお題はそれについて書きたいと思います。

まず、前提となるFRBの政策金利と株価の関係チャート

ドットコムバブルのところを拡大します。
時系列的に僕なりの解釈を説明すると、

①の期間でFRBが緩和した、ところが景気が加熱した、②で慌てて引き締めを行った。今度は景気が悪くなったので慌てて③で緩和を行った。
株価としては④の動き。①の緩和が効いて長期間上がり続けた株価が②の引き締めで暴落した形。
ではリーマンはどうかというと

実は、ドットコムバブルとつながっていまして、①でドットコムバブルが弾けたせいで緩和しすぎた。②で慌てて金融引締してブレーキをかけるも、金融不安につながったため、慌てて緩和せざるを得なくなった。

要するに、FRBが緩和しすぎて金余りが発生、景気が良くなる。すると株価も上がるけど上がりすぎる。金融引締をしても市中から金を吸い上げるには時間がかかり、その間も株価は上がり続ける、で上がりすぎたぶん、単純に下げた。この落差が暴落になった。と僕は解釈しています。

つまり、FRBがアクセル踏みすぎて、潜在成長率を超えて株価が上がってしまったので、つまりオーバーシュートしてしまったので勢いアンダーシュートして元の株価に戻り、辻褄が合ったと考えます。コレが暴落のメカニズム。図にするとこうなります。

さてこれが正しいと仮定すると冒頭のこれ

①政策金利を上げてから、株価暴落までには時間差がある。
②ターミナルレートに到達した後、経済は時間をかけて悪化する。
③利上げ途中で、下落が底打ちした事例は一度もない。

全然でたらめだということがわかります。
まず①政策金利を上げてから、株価暴落までには時間差がある。
政策金利を下げすぎたのが暴落の原因なので、政策金利を上げたから暴落が起きたという因果関係はありません。全くのお門違い。
本来正しく政策金利を上げていれば、景気は適度に冷やされ暴落をむしろ防止するということになります。

続いて、②ターミナルレートに到達した後、経済は時間をかけて悪化する。ターミナルレートとは中立金利で景気を冷やしもしないし加熱もさせない適度な湯加減という意味です。
本来の意味からすると経済が悪化するはずがありません。言葉の意味を取り違えています。

そして③利上げ途中で、下落が底打ちした事例は一度もない。
これは捉え方によって異なるのですが、
FRBが失敗して、利上げをしているケースではたしかにしくじっているのでそうなります。
では今回はどうかというと、ドットコムバブルのときのここ。ここに注目してください。

ドットコムバブルの前、一旦利上げをして、その間株価が低迷した時期があります。1944年の一年間です(丸部分)
この後、FRBは利下げに転じ、その後株価は急上昇しています。
これが今回も起きるのではないか?と上を見ている市場参加者は考えているのだと思います。
今現在、FRBは利上げした後暫く金利を据え置くと言っていますが、もはやしくじり先生と化したFRBに信頼度は地に落ちています。今回もきっと慌てて利下げするのだろう、1995年の様に、(ΦωΦ)フフフ…

僕はそうは思いませんが、そうならないとは言い切れません。それが今の相場の難しさではないでしょうか?

冒頭のツイには千件近くの♥がついています。
何を信じるかはその人次第で自己責任ではありますが、少なくとも決めつけるとよくないと思います。

という訳で、FRBの政策金利と株価についてでした。

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