アンドリュー・ゴールド  Lonely Boy

1【WC】-4
米ウェストコースト・サウンド4th.
アンドリュー・ゴールドの「Lonely Boy」
70年前後、カーラ・ボノフと共に組んだ「ブリンドル」が鳴かず飛ばずだったアンドリュー。
1977年6月にはビルボード誌において全米シングル7位にまで浮上。これで一躍彼の名前が全米に知れ渡ることになった。フリート・ウッドマックの「Dream 」やスティビー・ワンダーの「Sir. Duke 」のヒットと同時期のこと。ただし海の向こうの日本ではほとんどその名が知られることはなかったのだが…

この曲は、当時すでに人気を画していたリンダがバックヴォーカルに参加していることで話題にもなった。歌詞内容は、なんでそんなことで孤独を感じなきゃいけないの?ってくらいの、他愛もない家族のエピソードを歌っているかのよう。

……表向きには……

でも、行間を深読みすると、DVが隠されているような気がしてならない。当時いくら米国でもそんなことを公言できる社会風潮ではなかったので、浅く「寸止め」的な表現で自主規制したのかも知れない。それを上書きするかのような、ウェストコースト・サウンドを用いることで、聴く者の意識をあえて「スカさせ」たのか。
米国でDV、ネグレクトを歌で公言できたのは、1987年、スザンヌ・ヴェガによる「Luka」まで、ちょうど10年の歳月を要したのだった。

この曲は、おそらく初見の方がほとんどかと思います。英語が気にならない方には、とってもノリのいい曲で、好きになってもらえるのではないかと思います。

なおこのアルバムジャケットには20箇所程度の「間違い」が埋め込まれていると言うのも、話題になりました。お時間ございます方は、是非。

主にお笑いと音楽に関する、一回読み切りのコラム形式になります。時々いけばな作品も説明付きで掲載していくつもりです。気楽に訪ね、お読みいただければ幸いです。