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WACATE 2022 Summerに参加した

40代に入ってからソフトウェアテスト業界に入った自分ですが、今回初めてWACATEに参加しました。

■WACATEとは

WACATEはすごく大雑把かつ乱暴?にまとめると「若手エンジニアが主役のワークショップスタイルのソフトウェアテスト勉強会」です。
36歳以上はベテランと定義付けされているようです。

今までの自分だったら「年齢的に若手じゃないしなぁ」と諦めていたところですが、「36歳以上だからってベテランしかいないとは限らない」とわかって欲しくて参加したところも正直あります。

あと、参加する際にポジションペーパーを提出する必要があるのですが、去年参加を迷った時に結局ポジションペーパーを作成できなくて見送った経歴があります。
今回は正直ノリと勢いで書いた&応募した感はあります(誤字脱字があったことに後で気付いた)が、意外と書けるもんだなーと思いました。

■実際に参加して

今年の夏の回はオンラインでの開催で、6月18日と25日の2週に渡って開催されました。
この情勢下の影響もあってここ数年はオンライン開催だそうですが、通常はオフラインで三浦海岸の宿泊施設をベースとした土日の2日間の開催のようです。
オンラインでの開催と言うこともあって、通常時よりは参加費も安かったのと移動や宿泊の準備の心配がなかったのは助かりました。
また、自分は関東在住なので通常時でも参加可能ではある状況ですが、それ以外の地域にお住まいの方や家庭の都合など事情があってオフラインの参加は無理な方にとってもオンラインでの開催は有り難かったのではないでしょうか。

今回の参加人数は20人ちょいとのことでしたが、初日の自己紹介も兼ねたポジションペーパー・セッションで数人とグループを組んだとは言え、Zoomの仕様もあってか、全員の顔を知ることができなかったのは残念でした。

参加者の中で自分が一番年長ではないかと思っていましたが、自分よりも年上と思われる方も参加されており(その人は自分とは違い、かなりの経験を持っているベテランの方でしたが)、年下ばかりじゃないんだと安心しました。
とは言え、初心者レベルのOver WACATEは自分くらいだったかもしれませんが…。

なお、オンライン上とは言えビデオオンにして顔出しすることを推奨されています(自分を含め殆どの人がビデオオンだったと思われます)。
因みに過去に参加したグループワークのある勉強会はビデオオンがメインの会も多かった印象です。
さすがにスッピンで出る勇気はないので、軽いメイクはしましたw
もしかしたら「絶対ビデオオフでないとイヤだ」と言う人にとっては抵抗があるかもしれません。

また以前からSNSで繋がっていた方も何人か参加されていて、彼らとオンライン上とは言えビデオオンで話をすることが出来たのは嬉しかったです。

■今回の学び

今回は「テストできないと言う勿れ」と言うことで「設計者や開発者が何かを作ってくれないとテストできないという状況から脱却しようぜ!」と言うテーマでの開催でした。
そこから、connpassなどで紹介されている通常のソフトウェアテスト勉強会では取り扱わないテーマを扱っているんだなと言う印象がありました。

元々勉強嫌いなので、2日間ちゃんとワークに取り掛かれるかと言う低レベルな心配があったのですが、実際は自分にしては取り組めていた方だと思いました。

以下、たまにざっくりとしたメモを取りながらワークを行っていたのですが、それを元に書いてみます。
※訂正があれば突っ込みをお願いします。

今回のテーマは「設計者や開発者が何かを作ってくれないとテストできないという状況から脱却しようぜ!」と言うこともあって、ユーザのニーズをインプットして受け入れ条件を考え、その受け入れ条件をベースとしたテストケースを作成する流れでワークを行いました。

ここで紹介されたのが、ペルソナ・バリュープロポジションキャンバス(以下VPC)・ユーザーストーリー
ペルソナとユーザーストーリーは「ユーザーストーリーマッピング」を読んでいたせいか「あ、『ユーザーストーリーマッピング』に載ってたなー」と思い出しましたが、バリュープロポジションキャンバスについては初耳でした。
初日終了後に調べてみたら「バリュー・プロポジション・デザイン 顧客が欲しがる製品やサービスを創る」を見付け、第1章丸々使ってVPCについて割かれていました。
まだ、触りの部分しか読めていませんが、この本自体はソフトウェア開発に限定した話ではなさそうですが、第3章でテストについて触れられているので、バリュー・プロポジション・デザインのテスト方法も学べそうです。
※自分は物理本を買いましたが、元々本のサイズが横長の上、電子書籍版だと“レイアウト固定”になるので、電子書籍版は大きなサイズのタブレットではない限り読み辛いと思われます。
購入する場合は、サンプル版を読んでから物理本にするか電子書籍にするか判断することをお勧めします。

また、先程も紹介した「ユーザーストーリーマッピング」だとユーザーストーリー自体よりもユーザーストーリーマッピングに視点が置かれているので、ユーザーストーリー自体はISTQBテスト技術者資格制度
Foundation Level Extension シラバス アジャイルテスト担当者 日本語版 Version 2014.J01
の「1.2.2 共同でのユーザーストーリー作成」などを参考にした方がいいかもしれません。
※「ユーザーストーリーマッピング」はザックリ読みで一周しかしていないこともありほぼ記憶が曖昧なところもあるので、ユーザーストーリーについて詳細な記載がある可能性もあります。

初日の課題は、デジタルフォトフレームに関する受け入れ条件とテストケースの作成でした。
自分が参加していたチームではデジタルフォトフレームそのものの仕様に注力しており、実行委員が指示したユーザーストーリーを考慮した受け入れ条件やテストケースが作れなかった、と言う反省点がありました。
また、初日はまず個人ワークを行ってからグループワークで受け入れ条件やテストケースを作成する流れでした。
個人ワーク後のグループワークでは、それぞれが考えた受け入れ条件やテストケースの説明で大半の時間を使ってしまい、結局最後の方はドタバタしてしまったことは否めなかったです。

UIなどの具体的なものがない状態での受け入れ条件・テストケース検討については「具体的なテストケースではなく、抽象的なケースになる」とは教えてもらいましたが、ユーザーストーリーやVPCを考慮出来ておらず、“デジタルフォトフレーム”自体の仕様などを考えていたのは反省点でした。
また「○○ボタンを押したら××する」と言った具体的なケースにならないように考えるのが意外と難しかったです。

2日目の課題は別のものが用意されており、またワークの流れとしては、初日のように個人ワークを挟まずに最初の受け入れ条件からテスト項目の作成までグループワークで行いました。
ワークの前に下記を教えてもらっていたので、ずっとそれに当てはまるか考えていました。

・ペルソナから受け入れ条件を考えるのはNG
・バリュープロポジションキャンバスから受け入れ条件を考えるのはOK
 ※但し、ユーザーストーリーに関係のある部分のみ

そこから、基本的にはユーザーストーリーをベースにして、足りない部分をVPCで補うイメージを持ちました。

2日目に提示されたペルソナ・VPC・ユーザーストーリーは「簡単に抽選ができるシステム」に関するものだったのですが、ユーザーストーリーがすごくシンプルだったのと受け取る側がどう言うものを提供して欲しいのかの部分まで書かれていなかった(「抽選できること」で終わっていた)ため、VPCを参考せざるを得ない状況でもありました。
そこからユーザーストーリーとVPCとの併用は必要なんだなと感じました。
確かに、抽選ができるだけではなく、普通は抽選結果が表示されることまで求めるよなぁと。

また、2日目の批評として「オレオレな受け入れ条件になっていないか」と言った指摘もありました。
例えば「ランダムに表示される」事象も人によってはランダムに表示されると困ることもあるかもしれない(例えば、一回抽選結果が出た後に誤操作で再度抽選する形になってしまい、1回目と違う結果になってしまったなど)、と言う指摘については想定していなかったので、その考え方もあるのかと思いました。

提供する側で考えると自分達がコントロールし易いものができる
受け取る側で考えるとどういうものを提供して欲しいのか、判断できる

どの立場で考えるとどのような成果物ができるのかについて、上記は結構重要なのではと思いました。
※繰り返しになりますが、話を聞きながらメモを取っていたため、実際の内容とは間違えている可能性があります。

残念ながら今の案件では現時点で結合テストのフェーズに入っているので実際に活かせるのは別案件になってからかなと思いますが、「仕様が固まっていない・質問したけど回答がない」と言う状況でも活用できそうだなと思いました。

■招待講演

今回はべリザーブのきんぢさんこと朱峰さんでした。
「アジャイル時代のQAの在り方」と言う内容で、現在の案件も含め今までウォーターフォール開発の経験しかないし、この後もアジャイル開発に携われるかわからないので、アジャイル開発のQAってそうなんだ、と思いながら聞いていました。

話を聞いていると、機会があったらいつかアジャイル開発も経験してみたいなぁと改めて思いました。

ここできんぢさんがお勧めしていた本が2冊あるのですが、この2冊も積読になっているので読まないと、と思いました。

それらが「Agile Testing Condensed Japanese Edition」(WACATE実行委員でもあるブロッコリーさんこと風間さんが翻訳されています)と「ソフトウェア品質を高める開発者テスト 改訂版 アジャイル時代の実践的・効率的でスムーズなテストのやり方」の2冊です。
「ソフトウェア品質を高める開発者テスト」については最近改訂版(こちらは水色の表紙)が出たのですが、読むなら改訂版の方がオススメとのことです。

「ソフトウェア品質を高める開発者テスト」の方は元々予約して物理本の方を入手していたのですが、今週に入ってから読み始めました。
コードを勉強したことがないのでコードの部分は流し読みになりそうですが、読み易そうな印象を受けました。
きんぢさんの講演はアジャイル開発のQAについてではありましたが、この本はアジャイルの限らずウォーターフォールも対象としている(表紙にも書いてあるし)ので、参考になりそうです。

■余談

1日目の最後に抽選で書籍をプレゼントの企画があり、もちろん申し込みました。

プレゼント対象書籍は
① ソフトウェアテスト技法練習帳 〜知識を経験に変える40問〜
② Fearless Change アジャイルに効く アイデアを組織に広めるための48のパターン
③ Software Testing ManiaX(どの号が送られて来るのかは届いてからのお楽しみとのこと)
の3点でした。

①は既に入手済みであり、②はアジャイル開発に今後携われるかわからないこともあって今すぐ必要でもないので、③を第一、第二候補に②を第三候補にしました(確か全て必須項目だった)。

結果③が当選しました。

この本は同人誌なので普通の本屋では流通しておらず、またメルカリなどを利用しないと現在入手困難のため、当たって嬉しかったです。

■今後について

ワークショップ・スタイルの勉強会は久しぶりでしたが、参加して良かったと改めて思いました。
今後もスケジュールが合い、尚且つテーマに興味持ったらなるべく参加したいと思いました。

今回改めて、勉強会などに参加し始めた頃と比べると理解度が上がった気がしました。

しばらく勉強会やカンファレンス系の参加は抑えていましたが、少しずつ今までのように参加を増やしたいです。

■参考資料


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