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中華古風音楽随筆——《雪落在先生肩上》

《雪落在先生肩上》(雪が先生の肩に落ちた)
黄詩扶
 
 
黄詩扶は私が大好きな古風な歌手で、何年も前から彼女の作品を聴いています。決して失望させない素晴らしいクリエイターです。
黄詩扶自身のアルバム紹介語によれば、この歌は、ぼんやりと散りやすい意象を通して、遺憾と無力さを歌うことです。 世の中の多くのことは、どんなに努力して追いかけても、結局は縁がなく、天涯咫尺に止まるのは避けられない。 誰も本当に風が吹く時の花、肩に降る雪を永遠に留めることはできない。 若い頃の舟は、結局東流水に従って、遠くから空へ行った。
 
素敵な近古風の曲です。テーマは民国風が強い。男性先生(教師)と女性生徒の絆は、もともと民国初期、中華民族の覚醒期の代表的な意象であり、現在の女性文芸創作者によく引用されている。先生は学者気分が強く、寡黙で、名利を慕わず、学問に専念し、気骨があり、気品がある男性を指し、通常は若い女子学生が慕う先輩や慕う恋人として登場する。なんというか、毎年中国では大量の民国時代劇が放送されているが、民国劇は古代時代劇と違って一般的には輸出されていないため、この描き方は自国人にとって非常に馴染みがあり、海外人にとっては非常になじみがない。
数千年来儒家や儒家政治システムが作り上げた環境に迫害されてきた底辺の女性たちは、世界が新紀元を迎えた時、初めて外の世界を知り、家畜とは異なる別の生き方を初めて知った。民国の女子学生たちは初めての新しい女性として、美しい生活への憧れ、知識への渇望、両親の強制恋愛を打破する希望を抱いている。先生と生徒の階級差の伝統的な倫理的束縛は、破られる見込みのあるものにもなった。「先生」はこの国の古来の文人名士に対する敬称であるが、今の印象はずっと民国を思い出させやすい。その時代の啓蒙文人たちの風骨が強く、今に伝わっている印象はあまりにも深く、民族精神の一部になっているからだ。だから「先生」という言葉にも精神、風骨、文化伝承、お金への無関心、進歩への憧れなど、多くのものが背負っている。

民国以来、長衫や長いコートを着た学者風の男性イメージは文学界や映画界で人気があり、外見よりも内在的な学識教養が重要だ。多くの人(男女問わず)に対して、そのような学者像は尊敬と憧れを抱かせる。先生の肩の上にあるいつでも消されそうな雪になるのは、一瞬でも美しいが、美しさは永遠に短い。その実現しにくい憧れも結局は幻になる。
 
 
 
[00:00.000] 作詞 : 左木修
[00:00.271] 作曲 : 黄詩扶
[00:00.542] 編曲 : 李大白
[00:00.813] プロデューサー : 黄詩扶
[00:01.85]歌唱:黄詩扶
[00:02.27]一个人的奔赴,就像雪落在春天里(一人で駆けつけるのは、まるで春に雪が降っているようだ)
[00:04.00]风 飘飘荡荡(風が、ゆらゆらと揺れる)
[00:07.44]人 来来往往(人も、行ったり来たりしている)
[00:11.08]各自奔赴世间的场(それぞれこの世に駆けつける)
[00:17.83]雪 纷纷扬扬(雪が、ひらひらと舞っている)
[00:20.99]我们 匆匆忙忙(私たちも、急いでいる)
[00:25.10]寻一个降落的地方(着陸する場所を探している)
[00:31.80]你听那春风吹 你看那月光微(あの春風が吹いているのを聞いて,あの月の光が弱いのを見て)
[00:38.98]他抬手拂去尘世灰(彼は手を上げて世間のほこりを払い)
[00:45.61]散着光芒的背 越模糊越完美(光を放つ後ろ姿は、ぼんやりすればするほど完璧)
[00:52.62]最疏离 最梦寐(遠ざかるほど、人を夢中にさせる)
[00:57.27]雪花飞(雪花が飛ぶ)
[01:04.74]从清澈的水 散成白色的灰(澄んだ水から、白い灰に散らばっている)
[01:11.66]肩上的雪(肩の雪が)
[01:19.06]悄无声无息落(静かに落ちてくる)
[01:22.78]无声无息 一期一会(無声無息、一期一会)
[01:29.24]
[01:30.80]-Music-
[01:46.94]风 飘飘荡荡(風が、ゆらゆらと揺れる)
[01:50.43]人 来来往往(人も、行ったり来たりしている)
[01:53.89]各自奔赴世间的场(それぞれこの世に駆けつける)
[02:00.70]雪 纷纷扬扬(雪が、ひらひらと舞っている)
[02:03.95]我们 匆匆忙忙(私たちも、急いでいる)
[02:07.13]寻一个降落的地方(着陸する場所を探している)
[02:14.87]我听见春风睡 我看到月光退(私は春風が眠っているのを聞いて、月の光が消えたのを見た)
[02:21.67]许多事会事与愿违(多くのことが結局は思い通りにいかない)
[02:28.57]多少歌需要悲 多少痛值得泪(どれだけの歌が悲しみを必要とし、どれだけの痛みが涙を流すに値するか)
[02:35.36]故事外 想起谁(物語以外に誰が思い浮かべるのか)
[02:40.14]雪花飞(雪花が飛ぶ)
[02:47.59]从清澈的水 散成白色的灰(澄んだ水から、白い灰に散らばっている)
[02:54.35]肩上的雪(肩の雪が)
[03:02.04]悄无声无息落(静かに落ちてくる)
[03:05.72]无声无息 一梦一回(無声無息、一夢一回)
[03:11.58]雪花飞(雪花が飛ぶ)
[03:18.37]从他的指背 掸作支离破碎(彼の指から、支離滅裂に払わされた)
[03:25.36]先生的雪(先生の雪は,静かに落ちている)
[03:32.93]悄无声无息落(静かに落ちてくる)
[03:36.62]无声无息 落去春晖(音もなく、春の光を落とす)
[03:37.865] 吉他 : 顾雄
[03:39.668] 录音 : 王浩安@行人Studio
[03:41.471] 和声编唱 : 黄诗扶
[03:43.274] 分轨 : DaddyLu
[03:45.077] 混音 : 幺橯
[03:46.880] 统筹 : 王澈
[03:48.683] OP : 万象凡音
[03:50.486] -End-

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