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好調マリーンズを支えた立役者、「平沢大河」の活躍と展望

はじめに

平素より大変世話になっております。わらと申します。

2023年シーズンも開幕し、約1ヶ月が過ぎました。昨年オフに長年マリーンズ打線を支えてきたレアードとマーティンが退団し、メジャートップクラスの実力を見せてくれたオスナもホークスへ移籍。柱となっていた外国人選手を失って始まった吉井政権。

開幕投手として指名された石川歩がコンディション不良で開幕絶望8昨シーズン盗塁王とGG賞に輝いた高部瑛斗も右肩の肉離れで故障、4月下旬に再び右肩を痛めて一軍への復帰がまた先延ばしとなりました。
リードオフマンとして稼働してきた荻野貴司も試合中に負傷し離脱。更に、中軸で固定されていた中村奨吾と山口航輝、巨人から移籍のポランコがバットで結果を出せていないなど、「計算外」の出来事が多発したマリーンズ(自分で書いてて悲惨だなぁと改めて感じます)。

しかし、5月1日現在14勝10敗で1位タイ。4位までのゲーム差は殆ど無いながらも、十分すぎる戦いぶりではないかと思います。
好調の要因として、セットアッパーを任されているペルドモの活躍、藤岡裕大と友杉篤輝の併用による好循環などが挙げられるでしょう。その中でも平沢大河、安田尚憲、藤原恭大の高卒ドラ1野手(通称「平安藤原」)の活躍をイメージする方がやはり多いのかと(勝手に)思っています。今回はこの3人の中の最年長、ブレイクを待ちわびていた方も多いであろう平沢大河の活躍と、今後への期待について考えを述べてみたいと思います。

Noteを書くのが初めての自分が、「平沢大河」というテーマについて書くのは恐縮ではありますが「おかしな奴の怪文書」程度に受け止めていただけると幸いです。

これまでの活躍~球界トップクラスの数値も!?~

今シーズン成績(5月1日現在)
17試合 68打席54打数14安打 打率.259 1本 5打点 出塁率.385 長打率.315 OPS.699


荻野貴司の負傷離脱から急遽昇格し、4月8日のイーグルス戦ではチームの嫌な流れを払拭する逆転ツーランを放ち「今日をチャンスに変えた」平沢大河。荻野離脱後のライトに定着し、4月21日から8試合連続安打中と絶好調。4月23日には1番に座ってからは打率.364、出塁率.462とリードオフマンとしての役割を十分に果たしています。

平沢の特筆すべき点は、やはり出塁率の高さでしょう。ここまでチームトップの10個の四球を選び、四球率は14.7%(年にもよりますが、リーグ平均は8~9%程度)と優秀な数値を残しています。レギュラーを掴んでいた2018年も13.5%と平均を上回っており、今季だけの数値ではなく、彼のスタイルとして確立された物だと思います。

また、ボール球見極め率も82.14%と、球界でも上位の数値となっており、高い出塁能力を証明する数値となっています。

名だたる一流選手と並ぶ水準の見極め率

この出塁能力を維持できるかが、この先の課題だと私は考えます。


ここまでの課題~長距離砲並みの数字?~

「長々と絶賛してて何が課題だよばかちん」と思うかもしれません。現段階での問題と言うよりも、これから先の相手からの厳しいマークを打ち破ってレギュラー定着のために…という所を私なりに考えてみました。

まずは平沢のここまでの打撃について。4月8日に印象的な一発を放った平沢ですが、実は今シーズン放った長打はこのホームラン一本だけ。ヒットや良い当たりは出ていますが、この日以降長打が出ていません。
また、ここまでストライクゾーンの空振り率が15.44%と決して良い数値ではありません。数値だけだとイメージが難しいですが、この数値に近い選手として

・佐藤輝明…14.91%
・村上宗隆…16.06%
・山口航輝…16.11%

が挙げられます。10%を越える選手は、外国人選手や長距離砲など、豪快なスイングが印象的な選手が多いです。

「不調の長距離砲」並みの空振り率でありながら、長打はここまで1本。安打が続いているとはいえ、相手からしたらストライクゾーンに投げ込む事は怖くありません。
ですので、この先ストライクゾーンでガンガン攻められる配球が増えるのではないかと私は考えます。ストライク勝負に対応できなければ、強みである四球も思うように取れず、成績を落として…といった最悪の事態にも陥りかねません。

また、現在怪我で離脱している荻野貴司や高部瑛斗が復帰し、去年通りのパフォーマンスを発揮した際には、現在の出塁特化型の平沢ではどうしてもこの2人に劣ります。四球は2人より多く選べるでしょうが、走力や守備力も含めて考えるとこの2人が優先されるのではないでしょうか(2人が怪我を治してパフォーマンスが戻ればの前提ではありますが)。

更なる飛躍のカギは「長打」にあり!?

今後更に厳しくなるマークを破り、荻野や高部が戻ってきてからも負けずに一軍に残るためには、どれだけ長打を打てるかにかかってくるのではないかと思います。引っ張りに強い当たりが打てて、高い放物線を描くホームランも平沢の特徴。より強く大きく飛ばせるバッターになって長打が増え、相手バッテリーから警戒されるバッターとなれば、出塁と長打を両立したハイブリットの選手になれますし、その素質はあると思います。

選球眼があるからストライクで勝負に来た相手バッテリーから、甘いボールを逃さずに長打を打つ。そして警戒されて更にボール球が増える…こういった好循環を生む選手こそ、私が平沢に期待したい姿です。
長年マリーンズのライトを守ってきたレオネス・マーティンのように、3割を打つバッターでなくとも、怖さがあって出塁できる(三振もご愛嬌な)選手になっくれるのを期待しています。

今来た方のために3行でまとめると
・出塁能力凄い!
・長距離砲並の空振り率!
・なら長打打ってくれ!

という感じですかね。
古代インターネット用語では「今北産業」と言うらしいです。

おわりに


ここまで私の拙い分析と怪文書にお付き合いいただき、ありがとうございました。私なりの考えと、これからの期待を述べられたと思います。

平沢だけでなく、藤原や安田の活躍目覚ましい「平安藤原」。3人全員に共通して期待する事は「2023年シーズンを1年戦い抜くこと」です。平沢は2018年、藤原は2021年とレギュラーに定着しかけた時期がありましたが、1シーズンを通じての活躍はまだできていません。安田は過去3年間で110試合以上の出場がありますが、「チームの主軸」として2023年シーズンを終えて欲しいとの期待を込めて他の2人と共に挙げさせていただきました。

マラソンで例えるなら、平沢と藤原は最後まで完走すること、安田は良いタイムを出しての完走と言うべきでしょうか(マラソンへの知識が浅く恐縮なのですが、何となく伝わってくれたら幸いです)。

この「平安藤原」時代は一過性の物で終わるのか、それとも400年続いた平安時代のように、この先も続くのか。この先も夢と期待を持って応援したいと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

*データの参考
データで楽しむプロ野球 様(  https://baseballdata.jp/ )


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