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貴方は『ヘキサギア』で子供のころの夢を実現させる事が出来る。

 ハロー、未来のガバナー。
貴方は『ヘキサギア』に興味はあるだろうか?
と、言われていきなり「ヘキサギア!? なにそれなにそれ! きになるー!!」と興味を持てちゃう好奇心無限大な人は、とくに私からなんか言う事はない。
インターネットの海で『ヘキサギア』と検索し、ヘキサギア真実に触れ、そのまま模型屋にダッシュしてくれ。いちおう下に公式ページへのリンクを貼っておく。

▲ヘキサギア公式ページ。それは『G』が6角形で、ふいんきがあり、
なかを覗きたくなってくる。


 しかし、殆どの人……数字で言えば99.99%の人間は「は? なにそれ? しらんし。かえってどうぶつの森やるし」という冷やかな反応だろう。
それでいい……そんな貴方たちを「にわかにヘキサギアしたくなってきた……!」とさせてやるので、今からかくごしておいてほしい。
もしも怖くなったなら、今ここでブラウザバックして退屈な事務仕事とか眠たくなる教授の講義とかに戻るのをお勧めする。
 じゅんびはよいだろうか? 出来てなくても勝手に始めさせてもらう。

〇貴方はまず『子供の頃の黄金に輝く夢』を思い出さねばならない。

 それでは突然だが、貴方は「子供のころの夢」を思い出せるだろうか?
なに……「総理大臣とか社長になりたい」「スポーツ選手になりたい」「およめさんになりたい」なるほどなるほど。
残念ながらヘキサギアはそのテの話ではないので、総理大臣や社長やスポーツ選手やおよめさんに向けて頑張る人用の情報は無い。
 ここまで付き合ってくれてありがとう。ブラウザバックしてくれ。

 では誰向けなのか?
1.ロボットアニメやそれに登場するロボ・メカが好きだ。
1.オリジナルのロボやメカを想像したり、創造したりするのが趣味だ。
1.なんだったらそのオリジナルロボ(メカ)に乗り込むパイロットも想像したり創造している。
1.ぶっちゃけて言えばそのオリジナルロボ(メカ)に乗り込むのは自分自身であり。仮に今日、なんか危険なテロリストとか巨大怪獣が急に襲ってきてもロボを緊急発進させてテロリストや怪獣を撃退する脳内シミュレーションはかんぜんにできている。
1.そして可能ならば頭の中や画面の中だけでなく、現実にガチャガチャ動かせる形で実現したい。
1.でも流石に1/1サイズは大きすぎて置く場所無いし遊ぶ場所も無いな。あーあ。誰か僕の考えた最強にカッコイイロボ(メカ)を手ごろなサイズのおもちゃにしてくれたらなぁ……

 以上。そう思ってる……あるいは幼いころそう思っていた。そこの君向けだ。

 貴方はどうだろうか?
「そ、そうだー! オレは小さい頃『じぶんの考えたじぶんだけのロボットを乗り回す』のが夢だったんだー!」
と、幼き日の金色に輝くあの素晴らしい夢を思い出しただろうか?
思い出したのであれば……何も解らないまま模型屋にダッシュしてくれて構わないし、もうちょっと冷静な貴方はこの記事を読み進めるだろう。

〇ではヘキサギアとは?

 うすうす感づいているだろうが『ヘキサギア』とはいわゆるロボットプラモデル(キャラクターモデル)の1種だ。
『ギア』と付いているがキャンプ用品とかスポーツ用品ではないので、そういうアクティブでアウトドア志向な人たちにバカ受けするたぐいのプロダクトでは無い(ただし、サバゲーがアクティブでアウトドア志向な趣味なのか筆者は判断がつかない)。
ここまで付き合ってくれてありがとう。ブラウザバックしてくれ。
 しかし……そういった趣味の人たちはヘキサギアをやっちゃいけないワケでは決してない。ヘキサギアは誰でもウェルカム。興味があるのなら、貴方はこの記事をもうちょっと読んでもいいし、なんならもう模型屋にダッシュしてくれてもいい。

 ではもう少し詳細な説明しよう。ヘキサギアとは株式会社壽屋(「かぶしきがいしゃことぶきや」通称は『コトブキヤ』『ブキヤ』など)』から発売されている『キットブロック』……と銘打たれたプラモデルの一種だ。
「キットブロック……? なんだそれは? プラモデルとは違うのか?」という疑問はもっともだ。その理由は今から説明するので貴方はそこらへん正しくりかいしなければならない。「カッコつけた言い方しやがって。しょせんはただのおもちゃだろ?」とか浅い理解をしていると、貴方は子供のころの夢を叶えること無く日常に戻っていくことなる。
ではなぜ『キットブロック』などと、もって回った言い方をするのか……。
 理由は簡単『「完成したら終わり。」ではないから』でありこの特徴のため、ヘキサギアは通常のプラモデルと同質には語れないのだ。
しかし貴方たちは「『完成して終わりじゃない』ってどういう事だ!?」とか「ヘキサギアやってるヤツは脳まで汚染されちまうのか?」とか思っているだろう……。
 安心してほしい、これからする私の説明を聞けば、貴方はヘキサギアを完全に理解し、そして……なんかわくわくしてきてはまる人ははまる。

 まず完成に至るまでの手順は完全に『スナップフィットのプラモデル』と同じだ。
一応詳しく書いておくとスナップフィットとは、接着剤不要のはめ込み式プラモデル……いわゆる『ガンプラ(ガンダムのプラモデル)』と同じ形式という事だ。組み立てに際して、貴方はとりあえずプラモ用ニッパーがひとつあれば、理論上ヘキサギアを組み立てて完成させる事が可能となる。
なので、変な気負いや特別な覚悟とかはまったく不要であり、貴方はリモ・ワーク中の息抜き時間とかでかなり気軽にヘキサギアする事が可能なのは充分に実証されている。
 事前にビン入りの接着剤とか12色塗料セットとかを用意する必要は一切ない。そういうのは3ステップほど先のハナシであり、今は一緒にプラモ用ニッパーを買って、机の上を綺麗にすればそれでヘキサギアする準備は完了だ。

・組み換えの自由度がすごくすごい!
 その上で……完成したら終わりではない。通常のプラモデルと一線を画すヘキサギアならではの特徴……
それはずばり『組み換えの自由度がすごくすごい!』という事だ。
しかし貴方は『組み換えの自由度』と聞いて「ああ。Aガンダムの頭とか武器とかを、そのままBガンダムのパーツと取り換えられて、『自分だけのガンダムを作れる!』みたいなやつね。ガァーンダム ブゥレイカー」と早とちりするだろう。
 ……まあ、あながち、間違いではないし、私はそれを「そんなのは『自由な組み換え』とはとうてい言えないね! まっててください。明日、真の自由な組み換えをおみせしますよ!」と否定しないし、鼻で笑いもしない。
誰しもがそのような組み換えから始まり、やがてだんだんとエキサイトし「プラモが自分の思い通りになって自己実現できた……でも、もっと自己実現したい……! ぼくはできるはず!」と、大いなる組み換え神の導きに従い、荒波渦巻く自由な組み換えの大海原にその身一つで挑んで行くのだ。
その入口が、武器換えなどのライトな組み換えなのである。これは誰にも否定できず、絶対に必要なのは誰のめからも完全に明らかだ。

 が、しかし。

 が、しかしである。ヘキサギアの組み換え力はその程度のものでは……決してない。
それはヘキサギアを組み立てている最中にもビンビンに感じ取れるだろう。
何故か? ヘキサギアはパーツの各所に6角形の孔が開いており、その穴に同じく6角形のジョイントパーツをはめ込んで組み立てる。
この6角形孔(通称、ヘキサ孔)は全てが同じサイズで成型されている。つまり……ヘキサギアの各パーツは、ヘキサ孔とジョイントパーツを介して、どのパーツも自由に接続できる設計となっているのだ(パーツが厚くて隙間に入らない。突起が邪魔でうまくヘキサ孔とジョイントを合わせられない。といった事例は存在する)。
 それだけではない、ジョイントパーツには『6角柱型の中心に3mmの穴が貫通しているもの』『6角形の台座から3mmの円柱が飛びだしているもの』『同じく6角形の台座から5mmの円柱が飛びだしているもの』『四角いパーツの中心に5mm穴、左右に6角柱があるもの』などがひと通り揃っている。
つまり、どういう事か?
『ヘキサ孔の場所で可動部を作る事ができる』というワケだ。口で言っても解り難いだろう。写真を見てもらえばいっぱつでわかる。

ジョイント1

▲よく見るヘキサギアの可動用ジョイント。
完全に固定するための6角柱状のパーツもある。

ジョイント2

▲上のジョイントを試しに結合した図。
ジョイントも結合の仕方も、ほんの一例で全てを見せたりはしない。
なぜならとてもやってられないからだ。


 どうだろうか? 感じるだろうか? むげんの可能性……ためされる発想力……じぶんは何を作れるのか?

 Challenge・Spirit.

 感じたのなら言葉は不要だ。貴方は今すぐに模型屋へダッシュすべきであり、これ以上あれこれ考える必要はない。ASAPでヘキサギアして子供の頃の夢を実現すべきなのは、全身の細胞が教えてくれている。しろ。

 しかし、中には「組み換えの自由度がすごすぎる……! これはぼくの手に負えるしろものじゃない……! ぼくはヘキサギアが……こわい!」と、本能的に恐怖して足がふるえている諸兄もいるだろう。
まず……貴方のふるえはまったく正しい。貴方はヘキサギアの秘める潜在的パワーを正しく感じ取り、そのパワーの強大さにふるえているのだ。
それは正しい。私もふるえた。
 だからと言って、貴方はヘキサギアから目をそむけ、逃げ出す必要はまったくない。
何故ならヘキサギアは貴方を貪り食う恐ろしい鉄のモンスターではなく……貴方と共に戦うパートナーだからだ。
では改めてヘキサギアをじっくりと見てみよう。

「ぷるぷる、ぼくわるいヘキサギアじゃないよ」

とまでは言わないだろうが、しかし無言で佇んでいるその顔は雄弁に貴方に語りかけてくるだろう……

「行こうぜ、相棒!」

……と。その声を聞いたなら、もう何を迷う必要があるだろうか?
貴方は恐らく、既に模型屋にダッシュしている最中であり、あれこれ考えてるヒマも無い。全身の細胞がASAPでヘキサギアしたがっており子供の頃の夢はほどなくして実現される。なにももんだいない。

 とはいえ、「こたえになってないぞ!」とか「もんだいをすりかえてる!」とか言う、まるで機械の様にれいてつな思考をもったA.I.マンもいるだろうからかんたんに補足しておく。
 なにもヘキサギアの組み換えは全身バラバラにして見た事も無い形状に組み直す事が全てではない。ヘキサギアの全身には完成してもなお多数のヘキサ孔が空いているので、そこへ自由に別売りの武器パーツだとかをくっつけるライトな組み換え遊びも隙無くカバーされている。まずはそうして手ごたえを掴み、徐々にステップアップしていく沼への導線が容赦なく整備されているのだ。
 むろん、あえて何もカスタマイズせずノーマルのまま愛でるのもそれはあじわいぶかい行為だ。そのままブンドドするのもいいし、徹底的に手を入れてフル塗装して仕上げるのもいい。

 すべてはおまえがきめろ……つまり、すべおまだ。

 これで問題はすべて解決した。A.I.マンも今頃は「なるほど。わたしの子供の頃の夢を叶えるには、ヘキサギアが完全に最適。やらない理由がまったくなく、今すぐ始めたい」とか言って電子つうはんサイトにダッシュしている。
迷っているヒマなど1秒も無いことは、完全に明白だ。

・パイロットもすごい!
 ついでにヘキサギアのパイロットである『ガバナー』もすごくすごい事が、ユーザーの間で完全に証明されている。
貴方はロボットプラモデルに付属するパイロットがどんなものか想像できるだろうか? それは大抵1/100サイズとか1/72サイズとかで造形されていて、基本的にお米粒サイズだ。お米粒サイズなので当然、動かない。ただ立ったり座ったり跨ったりの姿勢のまま、コクピットにちょこんと乗っける事が出来る程度だ。

 ではヘキサギアはどうだろうか?
まずヘキサギアは1/24サイズなのでパイロットも抜群に大きく造形できる。具体的にガバナーは大体7cmほどの大きさであり、これは換算すると背丈170~180cmとなる計算であり完全に自然な大きさだ。
 そしてここからが重要なのだが……ガバナーは、動く……!
動くとは『可動する』という意味だ。それはつまり……ガンプラなどと同じように手足が動き、ポーズを付けられる。という事だ。
しかしプラモデルにそれほど詳しくない貴方は、いまいちピンとこないので「ふーん……で?」とか画面のむこうで呟いているだろう。だがそれもむりはないのかもしれない……。
 では、こう聞こう。
『全身が可動するパイロットフィギュアを、実際にロボットに搭乗させる事が出来るプラモデル』を貴方は見た事あるだろうか? 私は無かった。なお、ミクロマンがプラモデルなのかどうか。それは私にはわからない。
 もちろん、全身が可動するということは大人しくコクピットに収まっているだけではない……例えば、コクピットを飛びだしてヘキサギアの入れない閉所へ突入したり、ヘキサギアの整備中に交換用パーツを持たせたり、あるいは別にヘキサギア無しにガバナー5名が銃器を持ち周囲を警戒しながら敵基地を進む。そういったシチュエーションをすごい明確にブンドドすることができ、かなりやみつきになりヤバイ。

 また、ガバナーもヘキサ孔こそ空いていないが、ある程度以上の組み換えカスタマイズ性能がある。貴方は高度なプラモ改造技術をお持ちでなくとも『腕だけ新型のアーマー。』とか『右足が義足になっている。』とかのシブい設定をビジュアルに反映させる事が可能だ。飛行バックパックなども市販パーツを組み合わせてつくれる。
さらに仮に貴方がひとかどの自信を持ったプラモテクニシャンなら、パテをこねるなどする事で更に独自の改造を施し、唯一無二のガバナーを創造可能だ。

 つまり、貴方は完全に自分だけのパイロット……いや、ただのパイロットではない。
それは、Governor……自分だけの戦士……。ヘキサギア世界を生き抜く、もう一人の自分。そういった存在をクリエイトする事ができる。
 なお女性型ガバナーもしっかりラインナップされているので、ミリタリおままごとに夢中だった諸姉も安心してヘキサギア世界に入り込み、おままブンドドできる。

 だが塗装はすこし注意しろ。詳しくはここでは書かない。

・そしてヘキサギアとガバナーが合わさり
 以上のように、貴方はヘキサギアとガバナーを組み立て、そこから組み替えカスタマズする事によって『どノーマル装備の新兵』から『専用カスタマイズ装備を身に付けたベテランソルジャー』への成長を極めて自然に、ほぼ無意識の内に体感する事となる。結果……メチャクチャ愛着が湧くだろう。
 メチャクチャ愛着が湧いたので他にもたくさんしたくなる。
具体的には? まずブンドドする。たくさんブンドドするだろう。それはたくさんブンドドするだろう。思うぞんぶんするがいい。破損には気を付けろ。
次は? なんか『物語』を作りたくなる。どこかの1場面だけではない。ただ敵を倒してるだけじゃない。もっと語りかける、ズシッと来る物語が作りたくなる。
何故か? 貴方のヘキサギアとガバナーは組み換えによって『芯』を獲得してしまったからだ。ただならぬ存在感……既に貴方の作品は黙って棚の上でポーズを付けてるだけの存在ではなくなってしまった。手のひらの上から彼らは無言で……いや、雄弁に君に迫ってくるだろう。

『オレは生きている! オレにふさわしい物語を作れ!』

そして、君はそれに抗う事は出来ない。私も出来ない。

 そうやって君はどんどんヘキサギアにはまっていく。それはもう六角形のヘキサ孔に接続ジョイントをはめていくが如く、無尽蔵にはまっていくだろう。
これは悲劇ではない。先輩ガバナーのやつらはみんなうれし涙を流しながらヘキサギアしている。さらにプラモを作るとのうみそになんかよいという科学的な実験結果もそんざいしている。

▲プラモ作りはあたまによいらしい。

 だが……もし「これ以上はヤバイ!」と思うなら、悪い事は言わない。ここでブラウザバックするといい。
そうすれば貴方は『自分だけのロボット』『自分だけのパイロット』も手に入れる事も無く夢も忘れ、明日を今日と同じ平穏に生きる事が出来る。

 しかしそんな『平穏』に価値など全く感じていないのなら?
貴方はすでに模型屋へダッシュする態勢は完全にととのっているだろう。それでいい。
いちおう言っておく、お財布はわすれるな。

〇ヘキサギアはどこで買えばいいのか?

 まずこのパートを読んでいる貴方は全力疾走の最中である可能性がけっこう高い。言うまでも無く、スマホやノートPCを片手にながら全力疾走するのはたいへん危険な行為なのでいったんやめる必要がある。無理に続けると、前方不注意などからおばあさんと正面衝突しヘキサギア出来ない場所にしばらく住むことになったり、血に飢えたモンスタートラックと正面衝突し上手くヘキサギアできない体になったり、最悪ヘキサギアの無いファンタジー異世界に転生するハメになる。なお、ヘキサギアの世界は空気が悪く、ずっと戦争もしていて、だいぶ住みづらい世界なのは目に見えているので、ヘキサギア世界に向けて一か八かの異世界転生ガチャ行為するのも私からはおすすめできない。貴方は私たちと一緒にこの現実世界でヘキサギアするべきなのである。

▲ヘキサギア世界の資料映像。私から語る事は特にない。すべおま。

 では本題に入ろう。ヘキサギアをどこで手に入れるべきか? についてだ。
 ヘキサギアはプラモデルとしてはややマイナーめなシリーズであり、場末の模型屋とかでは最悪売っていないかもしれないし。また仮に売っていても古めのラインナップしか揃えていないかもしれない。そういうところでヘキサギアを買ってしまうと、貴方はポーンA1とかセンチネルのお腹がぐにゃぐにゃしてて「なんかヘンなプラモだなぁ」とか思うし、そうこう言ってる間に先のぐにゃぐにゃしたお腹がベトベトしだし、ついにはプラスチックを溶かしたりして最悪のヘキサギアスタートになりかねない。
 悪い事は言わないからおばあちゃんがやってる3日後には無くなってそうな地元のおもちゃ屋ではなく、隙あらば貴方におもちゃを大量購入させようとしてくる油断ならない目をした店員がいるPROショップへ向かえ。具体的にはヨドバシとかだ。
 PROショップは商品の陳列とかをBIGデータに基づきかなり巧みにやっているので、貴方の心の隙を突いておもちゃを大量購入させようとしてきて恐ろしいが、遅かれ早かれ貴方はその心の隙と正面から対峙する必要がある。一時的に逃げたり誤魔化したりする事は出来るが、不用意にそれをすると後で心の隙が肥大化し手の付けられないモンスターとなって襲いかかってきて2度とかてなくなる。貴方は早めに上手く心の隙と対峙するスキルを身につけなければいけないのだ。具体的にはこころを強くもて。
 ダッシュ出来る範囲にPROショップが無いなら文明の利器……電子つうはんとかして手に入れろ。

 なお、トイザらスとかには売っていない事が完全に証明されているのでそこに向かうのは完全にむだだ。トイザらスは「ずっと子供でいたい……大好きなおもちゃに囲まれて……俺は……トイザらスKids……」という客層に向けた完全に子供のためのお店であり、そんなお店に濃厚ミリタリースメルを全方位にまき散らして汚染する超大人向けの商品であるヘキサギアを陳列してしまうと、来店したKidsはめざめてしまい隣の棚のトミカとかプラレールが売れなくなってしまうのだ。あとヘキサギアが対象年齢15歳以上なのもある。

 仮に貴方が東京の立川に住んでいるならコトブキヤ本社の公式ショップに乗り込むのもよい。公式ショップはコトブキヤが直接経営してるショップのため品ぞろえが抜群であり、そこではまた『対象商品を〇〇〇〇円以上買うと、今しか手に入らない特別なパーツを付けます!』とか『このお店で予約すると、ここでしか手に入らない特別なパーツを付けます!』とか『プラモデルじゃないけどいろんなヘキサグッズを売っています!』とかのゆだんならないキャンペーンをやっている。だがとくに安売りはされていないので、それらに魅力を感じるかどうかは貴方次第、内容次第であるが、1度は足を運んでおいて損は無いはずだ(とくにヘキサギアの元デザインなどが描かれた公式同人誌はかなり資料性が高く、GETしておくべきである。とまでいえる)。地方に住んでいてとても立川まで出向けないなら文明の利器……公式ホームページとかを見てチェックしろ。あと秋葉原とかにも公式ショップがあるのでそちらに向かってもいい。

 そして……全力疾走の末、貴方は期待と不安を胸に大都市のPROショップまでたどり着いた。グッドだ。貴方はあと少しでヘキサギアを手に入れる事ができる。
 だが喜び勇んでPROショップに入店した貴方は、30分後に泣きじゃくりながら「ヘキサギアなかったよ……ダディ……マミィ……」とぼやいてPROショップから出てくる可能性が、けっこうある。
 一体どうしてこんな事が? 貴方が入店したPROショップには確かにヘキサギアが売っているのに、それなのにどうして貴方はヘキサギアを入手できずにおめおめと泣きながら帰り、布団をかぶって一晩中泣きはらすハメになるのか?
それを説明する前に貴方に1つ問いたい。

貴方は、ヘキサギアがどんなパッケージで販売されているのか、知っているだろうか?

「エッ? パッケージって……ふつうに箱に入っているんじゃないの? 『ヘキサギア』って書かれた箱に」
というのが、大方の認識であろう。
間違いではない。間違いではないが……しかしいささか情報が足りないのも確かだ。

ヘキサギアのパッケージは……とても黒い。どれもこれもパッケージ面積の70%以上を黒が占めており、一見して「おまえら売る気あるのか?」と疑いたくなる地味さ爆発パッケージとなっている。つまり、貴方はPROショップ内でヘキサギアを見つけられなかったのだ。
 これが涙の正体。『パッケージが地味で見つけられない』という完全に意識の死角を突きにきたトラブル……! 画面の前の貴方は笑っているかもしれないが、今まさにPROショップ内で右往左往している貴方は笑いごとではない。
 だが安心してほしい。PROショップ内でヘキサギアを見つけるコツを今から伝授する。

ガールだ。貴方はまずガールを探せ。

 ガールといってもBANDAIが出しているガールなのかレディーなのかよくわかなない、GUNの上に座っているガールではない。
もっとフミカネ味のある……すごく似てるが30MMシスターズでも無いので貴方はまずBANDAIの棚から一旦離れろ。探すべきガールはBANDAIの棚にはおいていない。
そして、BANDAIの棚からちょっと離れたところで貴方はそれほど苦も無くガールを見つけるだろう。
 そのガールは一見してなんかロボみたいなアーマーをちょこちょこ身にまとい……パンツまるだしだったりする。
ガールがパンツまるだしなので心がBOYな貴方は「ウワッ! エッチなヤツだ! このガール周辺にいたらぼくはパンツまるだしガールプラモに興味津々のスケベニンゲンだと思われてしまう。すぐにはなれなきゃ!」と恥ずかしくなって足早に離れたくなるだろう。だがハートを強くもち、少しそこでふみとどまれ。具体的にはそのパンツまるだしガールのプラモを3つまとめてレジにもっていくくらいのLionHeartをもて。
 持ったか? しかし今はその百獣の王の気高さを見せなくてよい。ガールプラモを買うとヘキサギアの予算が枯渇するからだ。ガールをレジに持っていくのはその時が来たらでよい。いまは……ヘキサギアだ。

 では改めてヘキサギアを探そう。ガールの近くにやたらめったら黒くてよく見ないと何が描いてあるのかよく解らないパッケージはないだろうか? あったら手に取れ。パンツまるだしガールは描かれていないのであんしんだ。
 そしてそれは……よく見るとパッケージ中央になにがしかの泥臭い薄汚れたフルアーマー人間とかが描かれていたりしないだろうか?
描かれていれば、それがヘキサギアだ。その証拠にパッケージには6角形の『G』マークと『HEXA GEAR』の文字が書かれているハズだ。
 念のため追記しておくと、フルアーマー人間が描かれているのは『ガバナー』と呼ばれるヘキサギアのパイロットのプラモであり、それ単体はヘキサギアではない。
ヘキサギアが欲しい場合はパッケージに、クワガタメカとか、TV顔ロボとか、ネコ科動物メカとか、赤いドラゴンメカとかが描かれている大き目のパッケージを選ばなければならない。だが、こちらのパッケージにもヘキサギアに乗ったフルアーマー人間が描かれている事があるが、基本フルアーマー人間は付属しないのでフルアーマー人間と組み合わせてブンドドしたい時は別にフルアーマー人間を購入する必要がある。まあ、それはまた今度でも構わない。今は、プラモデル用ニッパーと一緒にどれかひとつをレジに持っていけばミッション・COMPLETEだ。
 おめでとう。帰ってゆっくりヘキサギアするといい。

〇ヘキサギアする際に便利なモノ 

 貴方は欲しいヘキサギアを買い物かごに入れ、超ルンルン気分でレジに並ぼうとしている。それは重畳だ。その気分のままレジを待て。
 ここでは私の経験上から判断した『あると便利なガジェット』をいくつか紹介させてもらう。もし貴方の心と財布にまだ余裕があるのなら、それらを買い物かごに放り込んでもよい。「今すぐ帰って今すぐヘキサギアしたい! も、もう待てない……!」となってるやつは今すぐ帰ってヘキサギアしろ。ただしレジは通せ。

 絶対必要レベル
・ニッパー(模型用)
 ヘキサギアは他のプラモデルと同様。パーツをランナーから切り離して組み立てる事によって完成する。
貴方はニッパーを使う事で、そのパーツ切り離しを綺麗に行う事が出来る。ただ切り離すだけと侮る事なかれ。指でくるくるやって切り離したり、そこらへんのはさみで切り離したりするとかなり大きなバリが残り、遊ぶ時にチクチクして痛いとか以前にそもそも正常に組み立てられない場合がほとんどだ。
 君が今後も継続してヘキサギアなり他のプラモデルを作るつもりなら、騙されたと思ってちゃんとした模型用ニッパーを1つ買っておこう。
なにも最高級品を買う必要は無い。1,000円から2,000円くらいのもので十分だ。

▲模型用ニッパーの一例。このニッパーは本格派仕様で、パッケにガールが描かれているのでやや高い。もう1ランク安いニッパーでも構わない。
ガールが気に入ったなら買ってもいい。

 念のため言っておくが、くれぐれもホームセンターとかのでかくておもい金属線用のニッパーで代用しようとはするな。


 あるとすごく便利。出来れば手に入れておきたいレベル
・パーツリムーバー(オレンジ色のバールの様なもの)

 コトブキヤがヘキサギア用に販売しているパーツリムーバー(分解器)は、余裕があれば買っておいて損はしないと約束できる代物だ。これがあるとないとでは組み換えにかかる時間が完全にダンチである。しかしお金に余裕のない学生諸子は「時間なら十分あるよ。でもお小遣いは有限さ。なるべくならヘキサギア本体にお金を使いたいな」そう思うだろう。
 しかしそれでもパーツリムーバーはほぼほぼマストアイテムだ。そのカラクリを説明しよう。

▲これがパーツリムーバー。通なやつらには「すごく便利」というのがばれているので、売り切れていることも多い。ゆだんしてはいけない。

 このテの組み換えおもちゃという物は、様々な組み換えパターンを試行錯誤し最適な組み合わせを模索する。それはただ手を動かすだけの作業ではない。
「このパーツはこの向きでは合いがイマイチだな……でも反対にすればイケるかも……あダメだ。厚みがあって上手く入らないや。そうだ、さっき手に取ったパーツなら……」といった具合に、ずのうの普段使わない部分をフルスロットルし、すごい創造性と熱中を生む。そしてここでパーツリムーバーが無いと、ずのうの速度に手が追いつかず、ストレスゲージがぐんぐん伸びてやがてはキレ散らかし、どうもりするハメになるのだ。
 何故か? まずヘキサギアは遊んでいる最中に分解したりしない様、一度組み立てると5歳児には分解できないくらいにしっかりはまる(中には簡単にポロポロする困ったチャンもいるが、それは置いておく)。つまり、分解するのに結構な手間と力がいるわけであり、その手間と力を解消してくれる心強いツールがこのパーツリムーバーというわけだ。

 肝心の使い方は簡単だ。バールの先の薄い金属部分をパーツとパーツの隙間にねじ込み、テコの要領でグイグイやって隙間を広げていくと、やがてパーツを分解できる。片側1か所だけからやるとパーツの形状によってはねじ切れて破損する恐れがあるので、全体的に少しずつグイグイやっていくのがコツだ。
 一方、バールの反対側、6角形になっている部分はそのまま連結ジョイントを押し出せる仕組みになっている。抜けなくなったジョイントを反対側から押し出して取り出す事ができる。その時、押し出した連結ジョイントが飛んでいってMIAしないように注意しよう。
 付属のなんかねじねじしている細長いのは、反対から押し出せない場所に入り込んでもはや取り出し不能となったジョイントを引っ張り抜くためのオプショナルパーツだ。これは6角形部分に被せ、件の取り出し不能ジョイントの中央3mm穴にねじねじしながら差し込み、十分差し込めたら慎重に引き抜く。そういう風に使う。慣れてくれば、まずコレが必要になるポカをやらかさないので使用頻度は高くない。そういう意味でオプショナルパーツ化されているのは慧眼だが、肝心な時に行方不明となってる事も多い。予備が1つ付属しているがキチンとした管理体制は整えておこう。
 まあ経験の無い内はどうにも必要なさそうに見えるが、2個目のヘキサギアを買いに来た時、ついでに自然と買い物かごの中に入っているだろう。そういうものだ。
 
 また似たようなパーツオープナーは他社からも幾つか発売されているが、プラモデル専用で一番使いやすいとあちらこちらから太鼓判を頂いてる商品だ。最終的にヘキサギアにイマイチはまらなくても腐る事は無いだろう。

・カッターナイフ・デザインナイフ&替え刃
 時々メチャキツイ接続軸があり、「これマジで入らないんじゃないの?」となる事件が最新製品でもまれに発生する。
そんな時に受け側の穴をちょっぴり削って入りやすくしたり、ダボ側のバリ線(パーティングライン)をそぎ落として適正な太さに調整するのに、カッターナイフやデザインナイフがあると便利だ。本体自体は安物で構わないが、切れ味が悪い刃を使用していると怪我をする危険も十分ある。
 使っていて「ウワッ! いまあぶなかったー!」と思う時があったら容赦なく新しい刃に交換しよう。替え刃など1ついくらもしないもの。それを惜しんで指や手をズバッとやり、最悪指が上手く動かなくなるなどしては本末転倒もいいところだ。

▲標準的なデザインナイフ。これは1,000円ぐらいするが、まずは100円ショップのカッターとかでよい。
ほしくなってから買ってもぜんぜん遅くない。


 また、先のパーツリムーバーが入る余地さえないほどピッタリとパーツが合わさっている場合、パーツの合わせ目に刃先を入れる事で僅かな隙間を作る事も出来る。

・ペンチ類
 パーツリムーバーの項で述べた通り、ヘキサギアのジョイントは基本すごくしっかりはまり、指で取り出すのはすごく疲れるし、最悪爪が剥がれたりするおそろしい怪我につながる。そうならないためにパーツリムーバーがあるのだが……そのリムーバーが手も足も出ない3mm棒軸とか5mm棒軸とかがガッチリはまってどうにもお手上げなシーンもままある。そんな時に物を言うのはペンチ類であると、創世記にも書いてあるのは皆知っての通りだ。
神が7日(実質6日)で世界を創造出来たのも、臨機応変にペンチなどに持ち替えてすごい効率よく作業出来たからなのはほぼ間違いない。よい道具とはそれくらいパワーを発揮するのだからあってソンは無いと言い切れるし、貴方も腕力で全てなんとかしようとする原始人であってはならない。ヘキサギアを柔軟に組み替える頭の柔らかさは、ペンチとかを柔軟に使いこなすモダン性を身につける過程でそだっていくと私は思う。
 なのでとりあえずそういうシーンに出くわしたら、100円ショップでラジオペンチとかを買ってきて、ジョイントの6角形部分をガッチリはさむと大抵は解決する。

▲ラジオペンチ。コトブキヤの通販サイトに無かったのでアマゾンから流用これもまずは100円ショップのでよい。
ただ100円ショップなのに300円ぐらいするかもしれない。
そこだけきをつけろ。


 なお、くれぐれもパワーを入れ過ぎてジョイントを潰したりしない様に気を付ける必要はある。


 あると組み換えがはかどる。そのうち欲しいレベル
・5mmプラパイプ

 ヘキサギアの可動軸によく使用されている径が5mm径だ。この5mmパイプないしは棒を持っていれば、受け穴同士でも棒を切り出して接続軸を作る事ができ、組み替えの幅が広がること間違いなしというわけだ。
 切り出しにはカッターナイフなどを使う。棒をクルクルと回しながら刃を当て、少しずつ切り込んでいくのだ。模型用ニッパーは太いプラ棒を切ると刃を痛めてしまうし、そもそもそこまで開かないだろう。また、パイプカッターがあれば楽に切りだせる。100円ショップとかで売っているのを見たという報告があるので、探してみるのも一興だ。
 個人的なオススメは中が詰まった棒よりも、中空となっているパイプだ。棒タイプは切り出すのに時間も手間もかかるが、パイプならば厚み分だけ刃を入れればそれで切り出せる。
 しかも内径が3mmなので同じく可動軸に使用されている3mm棒とも組み合わせて使え、組み替え幅は更に広がる。シリンダーてきな物も作れてしまうぞ。

▲Wave社から販売されているプラパイプ。
サイズがいっぱいあるので買うのを間違えるな。
『肉厚』タイプと『肉薄』タイプもある。厚い方を買え。

・捨てる予定のランナー
 では3mm棒も買った方がよいのか? それには及ばない事も多い。実は多くのランナーが約3mm径の棒となっているので、貴方はプラモデルを組み立てるだけで実用十分な量の3mm棒を自然に入手しているのだ。
こちらは普通にニッパーで切り出す事が可能だが、繊細な高級ニッパーなどは対象外となってる事も多い。不安なら他の適当なニッパーを用意してもよい。
 とはいえ……流石に「きっちりと3mm」の精度は無く、なんか太かったり細かったりバリッてる事も多い。また、ある程度以上の長さを採取できる部分は限られており、そういう精度や長さが必要な場合は、ランナーを厳選するより素直に3mm棒を買ってきた方が良いだろう。
 しかし、組み替え時の仮接続として使うのであれば、廃ランナーで十分だろう。T字状になっている部分や90度曲がっている部分もある。思いのほか有用な部分が多い事に驚くだろう。

・小分け収納ケース
 貴方が何がしかのヘキサギアを組み立て終えた後……そこには全てのパーツを切り出し終えたランナー枠と、まだパーツが残っているランナー枠とがあるだろう。気の弱い貴方はもしかしたら「エッ? 説明書通りにつくったけどなんかパーツが余ってる……? ぼくはプラモもまともに作れないダメ人間なんだぁ……」と早とちりしているかもしれない。まず言うと、貴方はダメではない。そもそも最近のプラモはちょくちょくパーツが余る様になっている。仕様だ。説明書をよく見れば使わないパーツにバッテンが描かれていたり、「予備にして下さい。」と書かれていたり、「バージョンAで組み立てるとBのパーツは余ります。」とか書かれている。

 じゃあ余ったパーツはイラナイ子なので捨ててしまえばよいのか? それもまた早とちりだ。今の貴方にはプラモを完成させるのに必要の無い、生産メーカーの都合で発生した望まれないパーツと見えているかもしれないが、完成したヘキサギアに何か手を加えたくなった時、貴方はきっと彼らの手助けが必要になるだろう。その時までランナーごと保存するつもりか? 当然、そうではない。100円ショップとかで売っている小分け収納ケースがあれば、目を離したら3分で行方不明になりそうな小さいパーツも安全に保管する事が可能となるわけだ。

 また、パイロットであるガバナーは全長7センチほど。ちょっとした小分け収納ケースに収納出来てしまう大きさなので、ここでも小分け収納ケースが威力を発揮する。

▲ヘキサギア印のツールボックス。本文で言ってる小分け収納ケースはこういうのではない。100円ショップで仕切りのついてるケースを探せ。

 私からの紹介は以上だ。PROショップ内にはほかにもすごい便利そうなガジェットとか、ヘキサギアのカスタマイズに使えちゃいそうなキットとかもたくさん置いてあるので、常識的な範囲でかごに入れてレジに持っていけ。いまは余裕が無いなら次の機会でいい。でもニッパーは買っておけ。これが無いのはおひるごはんを食べる時、コンビニ弁当に割り箸がついてなかった時くらいヤバイ状況だ。
 また紹介したガジェットの半分くらいが、実は100円ショップで入手できてしまう事に貴方は気づいただろうか? 最近の100円ショップは完全にすごい実力をつけてきていて、全然あなどれない存在なのは貴方も意識しておくべきだ。なぜか小さいドラム缶とか小さいコンテナとか格納庫みたいなケースまで売っているので、そういうのをブンドドに絡めると臨場感が爆上がりしてすごくすごい。他にも思いがけない使い方ができるアイテムが盛りだくさんなので、ヒマな時に検索して先人の知恵を生かしたりしてもいい。


〇ヘキサギアの難点は?

 そのうえで、貴方がまだこの記事を読んでいるという事は、貴方はなかなか強情なやつで「フン! そんないいところばっか書いてるヤツにぼくは騙されはしないぞ! 筆者はなにかかくしてるにちがいない! まるで信用ならないね! 帰ってどうもりやるよ!」とか思っているのだろう。
よろしい。貴方の疑念はもっともだ。私自身も『正しくヘキサギアを紹介する』のが信条であり、ヘキサギアを買って後悔の涙を流す人は増やしたくない。流すなら歓喜の涙だ。
 なので、ヘキサギアの難点も正々堂々と書いておく。

第1の難点 『高い』
 第1の難点、それはなんといっても価格だ。これは電子つうはんサイトでちょっと実験してみればすぐにわかる。試しにAmazonなどで欲しいヘキサギアを全部カートに突っ込んでみろ。

▲アマゾンで『ヘキサギア』と検索するとでてくる商品。
しれっとヘキサギアどころかぜんぜん別のメーカーの商品も混じっているので、ちゅうい深くみわけろ。
わからないならコトブキヤオンラインショップで買え。


「エッ!? 人型のと獣型のと2つを入れただけですでに8,000円を越えている!? まだこれからパイロットも買おうと思ってたのに、もう既に予算オーバーだよ!」とパニックになるだろう。まずは落ち着いて『戻る』ボタンをおせ。

 落ち着いたか? そうだ。ヘキサギアは……かなり高額な商品だ。BANDAIから発売されている『30MMシリーズ』は1つ定価1,500円ほど。初期の『アルト』などはセールされているので1,000円ほどで手に入れる事ができる。ヘキサギアは安い物でも軽く2アルトは要求してくるし、最高額商品は実に定価13アルトだ。
これはもうどうにもできない事実だ。
 中には「バンダイの製品が格別安いだけで本来はこれが適正価格! 値段に文句を付けるなど愚にもつかぬこうい!」とか言ってくるやつがいるかもしれないが……厳然たる事実として、13アルトは組み換え推奨の多数買いしたいおもちゃの1つにかける金額としては高額と言わざるをえない。これだけのお金があれば、貴方はなんとアルトを13機近く購入できるけいさんであり……。もちろん、無理にアルト13機を買わなくても、余ったお金で今後の人生のためにスキルアップ本や啓発本なども買えるし、なんだったらお気に入りのラーメン屋の全部盛りラーメンを頼んで胃袋と精神にすごい充足感を得る事も出来るし、仮にこの金額でソジャゲガチャすればSSRキャラのひとりも手に入れられるかもしれない。
 ヘキサギアを購入して得られるモノは物質的にはヘキサギアだけだ。貴方はそうやって有意義に使えたお金をヘキサギア浪費してしまう事にもなりかねない。そこはよく考える必要がある。

 インターネットなどには先の13アルト商品を40機以上購入している重度危険末期ガバナー等も存在するが、貴方はその過激軍拡競争に参加する必要は一切ない。危機感と期待感をごちゃ混ぜにして、ヘキサ初心者がロケットスタートを決めようとするのはあらゆる面から大変危険だ。無理のないヘキサ購入計画を立てよう。


第2の難点 『本格的な組み換えは、一筋縄ではいかない』
 第2の難点、それは本格的な組み換えはすごくむずかしいという事だ。
「エッ!? きみはさっき『組み換えの自由度がすごいすごくて、自由に自分だけのロボットを作れる』って言ったじゃないか!?」とお思いの方もおられるだろう。
それは紛う事無き事実だ。貴方は自由に自分だけのロボットを作れる。
だがその道のりは決して平坦な道のりでは無い。あてどない立体パズル迷宮を永遠に彷徨い続ける様な……大げさでなく、1歩間違えればヘキサギア組み換え道はそんな道に迷い込んでしまう恐れがある。その中でも何か掴めれば道も開けるだろうが、場合によっては単なる徒労、もう元にも戻せずお金を無駄遣いをしただけだった。となる可能性もある。

 その自由度の高さゆえ、ビジョンなく手を動かすと何も作れなくなるのもヘキサギアの特徴の一つだ。
自由気ままに分解し、再構築しようとしても目指すべきビジョンが存在しなければ永遠にどこにも到達できない。まずは作りたいモノをなるべく明確にしておくとよいだろう。


第3の難点 『塗装には気を使う』
 第3の難点……それはちょっと先の段階で発生する。
自分だけのヘキサギアやガバナーを作る際、当然の欲求として『自分だけのカラーリング』で塗りたくなってくる。TLでみかけたすごいやつらも当然のように塗装した作品をみせつけてくるのでこの欲求はバンバン加速する。
なので貴方も負けじとスプレー缶やら筆やらを買ってくるわけだが、ここで気を付けないと……最悪、貴方の作品は完成直後に砕ける……!

「エッ!? どうして色を塗るとプラモが砕けるの!? もしかして……じゅじゅつ……!?」と不思議にお思うだろう。もっともだ。だが原因は呪術ではないかがだ。
何故砕けるのか? それにはすこし専門的なはなしをしなくてはならない……。そういうのがめんどくさいなら少しとばせ。

 ふつう『プラモ用塗料』というと、多くの場合、有機溶剤(シンナー)を使用している。シンナーなのであのシンナー臭がし、取り扱いには火気厳禁だ。
そして、経験の無い初心者はにわかに信じられないかもしれないが、シンナーに晒されたプラスチックは、種類にもよるが多かれ少なかれ強度が低下して脆くなってしまう。
 特に顕著なのがABS樹脂だ。ABS樹脂は通常よく使われるPS(ポリスチレン)樹脂と比べ、ちょっと柔らかく主に可動部などに多用されているプラスチックだ。ヘキサギアもご多分に漏れず、可動部だけでなく、連結ジョイントを抜き差しする必要のあるフレームパーツ(多くの場合、ガンメタル色のパーツ)も全てABS樹脂で成型されている。さらにガバナーは全身くまなくABS樹脂製だ。パッケージでは『おれは鉄の男……』といったふうにカッコつけて佇んでいるガバナーどもだが、実態はシンナーに浸してやればすぐに全身くまなく粉砕骨折して白旗をあげるただのプラスチック・マンだ。
 また、『塗膜の厚さ』も無視できない要素となってくる。
プラスチックへの塗装は、紙に絵の具が染み込んでゆくのとは違い『プラスチックの表面を塗料で覆っている』状態だ。覆っている都合上、若干だが寸法が大きくなるのは直感的に理解できると思う。もちろん目で見て解る範囲ではない。「コイツ、塗装したら一回り大きくなりやがったぜ……」なんてことは起こらない。塗料の厚さは1mm以下。誤差の範囲だ。
だがその『誤差』を許容できない部分がプラモデルにはある。接続部だ。
接続部の基本的な構成は『差し込み用のダボ(凸)部』と『それを受ける穴(凹)部』のセットであり、そのセットでパーツを固定し、なんだったら可動部は、そのセットを摺動可能な円柱にする事で軸可動する。
で、当然しっかり固定するためにダボ部と穴部は超厳密なクリアランスを持って設計されている。緩ければ固定できずすっぽ抜けてしまうし、キツすぎればそもそも入らなかったり、組立時にパーツを破損してしまったりする。プラモ会社は緩すぎずキツすぎずの絶妙なクリアランス設計で快適な組み立てをお届けしているわけだ。
 そして塗膜の厚みはこの絶妙なクリアランス設計をかんたんに崩してしまう。具体的に言えばダボ部は塗料が乗って太り、穴部も塗料が乗って狭くなる。
全体的に接続部はキツキツになっている計算だ。それが可動部であれば無理してはめたが最後、動かそうとしたらパーツがねじ切れるほど固くなっていて2度と動かせない可動部になってしまう事もありえる。
 だが無事にはめられるだけまだマシかもしれない……2つの問題は同時に起こっている事がほとんだ。つまり、シンナー浸食によって強度低下の起きているプラスチックが、塗膜の厚みによって更にキツキツになってはめられようとしているのである。
結果、無理にはめ込もうとして……いや、そこまで力を入れてなくてもふとした瞬間に、破壊が起きる。
 これはかなり悲劇だ。完成間近の最終組み立て工程時にパーツが破壊されるのだ。貴方が作ったオリジナルガバナーorヘキサギアは、初陣の前に回復の難しい重篤な戦傷を負ってしまったのだ。致命的なショック……さらに、可動部が破壊されれば修理もままならない事が多い。
瞬間接着剤などで強引にくっつければ可動が殺されるし、器用に壊れた方だけくっつけても、元より力が掛かる部分だ。2度目の破壊も簡単に起こる。
 最終的に最も良いのは新しいパーツに取り換える事となる。つまり、1からやり直しだ。

▲ヘキサギアのフレームに使われているガンメタル色を再現した塗料。
シンナーを使っているタイプなので塗装には注意が必要。

とばしたやつはここからもう一度よめ。 

対策はもちろん、ある。
 1つに、シンナーがプラスチックを劣化させるのだから、シンナーを使っていない塗料で塗ればいい。
具体的には、ファレホとか、シタデルとか、あと『水性~』と書かれている塗料だ。ヘキサギアを買ったPROショップに行けば大抵取り揃えてあるので塗料の棚を少し探せ。それらの塗料の特性や使いこなすのに何が必要かは……じぶんで調べろ。私はシンナー入りの塗料を使っているのでそこまでくわしくないのだ。
 2つめ、先に書いたノーシンナー塗料は環境や健康に良いが、ちょっと色数が少なく、どうしても使いたい色はシンナー入りのしかなくて貴方はすごいDILEMMAに襲われたりする。だが安心しろ。然るべき手順を踏めばシンナー入り塗料での塗装も十分可能だ。
詳しくは下の記事を読め。下手にここで書くよりずっとわかりやすい記事だ。


 だが記事にも書いてある通り『こうすれば1000%絶対に破損しないというわけではない。』というのは胸と頭に留めておけ。これはノーシンナー塗料を使ってる場合でもだ。実感の無い知識に盲目的に従って思考停止していれば……やがて起こるのは破滅だ。

 壊れた部分をなんとかリカバーするのもよい経験だが、私たちはいつでも慎重に作業する必要があるだろう。

第4の難点 『うかつに呟くと、囲まれる』
 2021年現在、まだまだヘキサギアユーザーは多いとは言えない。海外でも販売している実績があるので潜在的には1おく人くらいの見えないヘキサギアユーザーが存在しているのは確かだが、いかんせん見えないのでカウントされておらず、ツイッターのハッシュタグ上では慢性的にヘキサギア分の不足がしてきされている。
……つまり、ヘキサギア沼の底いるガバナーどもは、常に飢えているPIRANHA……どうもうに獲物をさがす肉食魚であり、そんなやつらの前にうっかり「ヘキサギア……いいかも♡ ♯ヘキサギア」みたいなツイートをぶら下げたらどうなる?
 とうぜん、一瞬で群がってきていいねやRTをされる。ばあいによっては「ヘキサギアはいいぞ!」みたいなリプライもされるし、いきなり無言フォローされたりして気の弱い初心者ガバナーはこわくなったりするかもしれない。
これが第4の難点というわけだ。ヘキサギア本体の難点ではなく、今現在ヘキサギアを取り巻く環境の難点だ。

 いちおう、彼らが具体的にそれ以上なんかしてくる事はこれまで観測されておらず「24時間ツイッターを監視されてる……!」とか「はやくヘキサギアを作らないと、いかったガバナーたちは目が八の字のロボットにんげんを送りこんできてぼくを連れ去っていくんだ……!」とかの被害妄想に陥る必要はまったく無い。貴方は堂々と自分のペースでヘキサギアすればいい。

 だがどうしてもそういうのがイヤなら、そこはやはりヘキサギアする前から迂闊に呟かず、渾身の作品の写真と共に「ヘキサギア……すごい良かった♡ ♯ヘキサギア」と呟くべきであろう。
 とうぜん、ピラニアは一瞬で群がってきてこぞっていいねやRTをしていくし、ばあいによっては「あなたのヘキサギア、すごくいいです!」みたいなリプライもされるしフォロワーも増えたりする。
 しかし、貴方はすでに作品を完成させた一人前ガバナーだからもうなにもこわくない。万が一、ある日突然目が八の字のロボットにんげんが送り込まれてきて貴方を連れ去ろうとしても、貴方は勇敢に戦いそいつらぜんいんやっつける事ができる。なぜなら貴方はすでに作品を完成させた一人前ガバナーだからだ。

〇ヘキサギアで貴方の夢は叶えられる

 もうここまで来たら私のこうへいせいは完全に証明され、強情だった貴方も「こいつはヘキサギアのいいところもわるところも言った……おれたちを騙すつもりは無いのかもしれない……ヘキサギア、やってみたいかも……」と素直に自分の気持ちを認め、PROショップとか電子つうはんサイトにアクセスしようとしているだろう。それでいい。

Start The HEXA GEAR

 私の役割は……以上だ。礼はいらない。
貴方は……貴方の夢をヘキサギアで叶えろ。
次に会うのはツイッターのハッシュタグ上……あるいはこのnoteにヘキサギアを投稿してもいい。
 私は時々『ヘキサギア』で検索をかけているので、いずれ気づく……。
性分てきに、あまりスキしたりする方ではないのだが……さいきんはスキしてなくて「アレ? もう一度読みたかったあの記事は……?」みたいな事も多く、ふべんしたりしてるのでスキするかもしれない。
いずれにせよ……たぶん、どこかで目を通す……安心しろ……。

 さあ、もう行け……。行って……お前の夢……おれにも……。
……楽しみ……いるぞ……。……それまでは……さらばだ……。

 ……また、会おう……新し……ガバナー……

[Communication blackout]




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