静かなことば

ことばにはいろんな魅力がありますが、なにかを想起させることばがとてもすきです。

ことばというのは、ものごとを理解しつかむためカタチを与える効果があります。りんかくをそぎ落としより陰影を濃くすることもできる。
でもことばはことばであり、物体化することはできません。見るひと聞くひとによっていくらでも変幻します。

そのことばをぴちょんと落とすだけで、どこまでも波紋がひろがっていくように空想できることばがむしょうに恋しいときがあります。
そしてそれはとても静かです。

JUDY AND MARY/ラッキープール
小さくかけてたステレオから
うれしい曲 届いた
夏に冬のうたで 涼しい夕暮れへ
祈るように季節 感じて

なにも具体的にはせずとも、心で自分にとってのたしかな想像ができるようです。静かだけど大声をあげるよりなんだか遠くまで届きそう。

そうか、聞ききたくなることばってひそひそばなしだったりささやき声だったりするもんな。

ことば自体がつよかったりささる表現は、あんまりうれしくないですね。表現は自由だけれど、それなら感じかたもひとそれぞれにまかせてほしい。

この一週間神戸は寒かったんですが、春を待つわたしがよく思い出していたうたはこれです。

レミオロメン/3月9日
砂ぼこり運ぶ つむじ風
洗濯ものに絡まりますが
昼前の空の 白い月が
なんだかきれいで 見とれました


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