河合塾夏期講習『共通テスト対策古文』設問解説
第一講『あきぎり』『伊勢物語』
問1 標準(ア)「かは」を反語とおさえて、②か⑤に。⑤の「生き返る」は×。 標準(イ)「ところせき」は「いっぱいだ」の意味、「涙がいっぱい」で②に。 標準(ウ)基本古語「さすが」「をこがまし」を押さえて①に。
問2 標準a完了の助動詞「ぬ」の終止形。連用形「給ひ」に接続する、終止形の「ぬ。」 b体言「習ひ」につながる連体形の「ぬ」は打消の助動詞。 c完了の助動詞「り」の連体形。 「給へる(こと)も」「給へ」は四段の已然形。 ※[動詞エ段音語尾+ら・り・る・れ]の公式。 d自発の助動詞「らる」の已然形 。「思し出でられ」心情表現+「る・らる」は《自発》の助動詞。
問3標準 傍線の「つらき」がポイント。先行する文脈の
掛桶の水の音ずれも、絶え絶えにのみおはしまししかば
の「音ずれ」に着目して、「訪れが途絶えがち・・・薄情」で②に。
問4標準 傍線部に先行する文脈。
ただ様を変へて、のちの世をだに
の「様を変へて」つまり、「出家する」だから⑤に。
問5やや難 ボイントは「つひにゆく道とはかねてききしかど昨日今日とは思はざりしか」について、
教師 在原業平の歌が詠まれた状況については、『伊勢物語』に「昔、男わづらひて、心地死ぬべくおぼえければ」と書かれているよ。
に注目するとよい。本文においては、大納言の死を、義理の兄弟の大将が二重傍線部の「昨日今日とはおぼえざりし」となっていて、業平の和歌は、自分の死を「昨日・・・」であり、本文では、他者の死を「昨日・・・」としているという違いに気づくことがポイント。①は正解。②は「出家して仏道に入る」は✖。③正解。④「大納言はすでに自らの死を冷静に受け止めていた」は本文にない内容なので✖。⑤と⑥は生徒Bを肯定しているので✖。共通テストの新傾向の設問だが、本文の理解と、設問に含まれる、教師と生徒の会話の趣旨を把握して、選択肢を吟味するとよい。
以上
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