河合塾夏期講習『共通テスト対策古文』設問解説

第二講『吉野拾遺』『本朝美人鑑』

問1標準(ア)「参らせ」はサシアゲルという意味の謙譲語。「て」は完了の助動詞「つ」の未然形の強意の用法、「ん」は推量の助動詞「ん」の意志の用法、よって「差し上げよう」の①に。標準(イ)「ば」は確定条件なので「ので」「から」「すると」と解釈する。よって、「ので」の①か、「から」の②に。基本古語「むつかし」は気味が悪い、煩わしい、の意味。よって①に。標準(ウ)傍線部の反実仮想の助動詞「まし」に着目するとよい。傍線部に先行する「正行なかりせば、」の「せば」と「まし」が呼応していて、「~せば・・・まし」で「~ダッタラ・・・ダロウニ」という表現になる。よって、「~だろうに」の④が正解に。

問2やや難和歌の表現として、「袖~露」は涙を流して泣くことの象徴的表現で、「泣いている」の⑤に。

問3やや難 師直の北の方に対する提案の

ともにはからせ給ひて本意とげなむには、領らせ給はむ所をも、あまたつけ侍りなむ。三位殿の官位をもすすめて

を理解して、選択肢を吟味するとよい。①「日ごろから」は✖。②の「過分な接待を・・・」は✖。③は正解。④「受け取った」「知りながら」「気づかぬそぶり」は✖。⑤「たくさんの贈り物を・・・贈ったので」は✖。

問4標準 内容の説明だが、傍線部の「いとど」に着目すればよい。「いとど」は「いっそう」で②か③に絞り、「弁の内侍と結ばれることを望みながら」の②は✖。

問5やや難 ①文章Ⅱでも正行に敬意を示した表現はない。②本文のp14・-6「かたはなる木陰にたちしのぶを」に着目して、正解に。③「一貫して信用していない」は✖。文章Ⅰに「さては」、文章Ⅱには「さこそあらめ」とある。④「素性」は文章Ⅰでも確かめていないので✖。⑤文章Ⅰにも「抜きあはせ戦ひけれども」とあって、応戦しているので✖。

以上

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