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いちばん好きな人たちの晴れの日

本当だったら、「まあさすがに発表するでしょ」とか言いつつ「いやでも、いっつも裏切られてきたし、期待しすぎるな」と心では思いながら、吐きそうな気持ちで大阪に向かっていたはずだった。

京セラで、Aぇ! groupとそのファンだけが集まる場で発表なんて、そんな幸せなデビューないよ。考えられる限りで最高のシチュエーションだ。でも私はその場にいれなかったし、配信も見れなかった。自分で、それを選べなかった。



「コンプライアンス規程に従い、弊社と福本のマネージメント契約を解除しました」の一文だけで、大好きな人が表舞台から消えた12月30日の夜を、一生忘れられないだろう。


あれから何の詳細も分からない。知らなくていいことは知らない方が幸せだという気持ちと、何にも教えてくれないなんてそんなの酷いよという気持ちが交錯した。考えると鬱になるから考えるのをやめて、残った5人の姿も見れずに、2ヶ月半も経ってしまった。

でも今日、彼以外の5人のデビューが決まって、やっとあの悪夢から少しだけ解放されたような気がした。今日発表できたってことは、あの契約解除のせいでデビューが遅れることはおそらくなかったということで、それが何より嬉しかった。



思えばあの日、私の中で一番多くを占めていた感情は、5人と5人のファンへの申し訳なさだった。

どう見ても目の前にデビューが迫っているのが分かっている中でのこれなんて、最低すぎる。彼はもうクビです、私はもう見ませんができるけど、他の5人とそのファンはそういうわけにはいかない。仕事が減るかもしれない、デビューが遠のくかもしれない、申し訳なさすぎる。

そう思っていたけれど、仕事が減るわけでもなく、デビューもちゃんと出来た。5人はちゃんと報われた。それが本当に嬉しい。自担を失っても、Aぇ! groupのデビューがこんなに嬉しいと思わなかった。



デビュー発表後の最初の曲は「君からのYELL」という曲だったらしい。

夢見た未来は まだ来ないけど
その日を迎えたい 君と一緒に

という歌詞が本当に本当に好きで、デビュー報告の後にこの曲で涙するのが、私にとって小さくて大きな夢だった。Aぇのデビューという夢見た未来が来たのに、一番いてほしい人がその場にいないとは正直全く思っていなかった。

でも、おかしな話かもしれないけど、何が起きたのか何も知れないから、私はあの日までの彼のことを好きなままだ。

そして、この未来が来ることが分かっていたからこそ、誰にも何も知らせないで自分だけがいなくなることを選んだんじゃないか、せめてもの彼なりの優しさと決意だったんじゃないかと思っている。コンプラ違反だからクロなのは間違いないし、しんどいし、許せないけど、何も教えてくれないなら都合良く解釈させてもらってもいいよね。



Aぇ! groupを見ると、本当に生きる力が漲る。明日からの辛いこときついことも倒せるような気がする。いろんなグループを見てきたけれど、この感覚はAぇ! groupでしか味わえない。なにより、Aぇ! groupを見ている時の自分がいちばん好きだった。

あの日からずっと避けていたし、まだ全然寂しいし、ツアーロゴにオレンジがないことも受け入れられないけれど、それでもやっぱりこれからもAぇ! groupのことを好きでいたいなと、あの日以来初めて思えている。そして彼がいたことを、無かったことにもしたくない。



改めて。Aぇ! groupのみんな、デビュー決定、本当におめでとうございます。もう来ないんじゃないかと思った晴れの日がちゃんと来て、本当に本当に良かった。


そして、福本大晴くん。いつか君にもちゃんと、晴れの日が来ますように。大好きな6人みんなに、大きな幸福が訪れますように。

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