井上尚弥VSルイスネリについて

先日の2人の試合を見ただろうか。
もしかしたら身体の弱いお年寄りの井上尚弥ファンの方々とかは1ラウンド目で生死を彷徨う程の心拍数の上がり方をしたかもしれない。
それくらい井上尚弥は人間離れしていると世間から評価されている。それだけの期待を抱えても、期待通りのパフォーマンスを見せる事が出来るのは、積み上げた努力と経験が圧倒的に自信を持たせているんだろう。
ボクシングは中学生の時からどっぷりハマってしまい、もちろんボクシングもしていたが、かれこれ25年位見続けている。基本的にはWOWOWエキサイトマッチが殆どだった。
長らくボクシングを見てる方なら、この試合は勝負論があると思っていた方は世間のイメージより多かったのではないだろうか。
確かに普通に戦えば井上尚弥だろうが、抱えている状況の違いやネリのコンディションも良さそうな上にボクシングに集中している様子が最近は見てとれたので、会場はおそらく異様な雰囲気であろうから、その中で序盤に一発かませたら一気に捲し立てて終わらす。という絶対王者が番狂わせを起こしてしまう王道パターンに陥る可能性もあるのではないのかと。
という事で僕はbeebetでオッズ50倍の「ネリのKO勝利」に20ドル賭けていた。お前は非国民かと言われる行為だが、50倍は流石にオッズが狂ってると思っていたから。
そして試合だが井上尚弥がダウンするまでは僕の予想が当たっていた。がしかし、まさかまさかの8カウントまで冷静に座っているではないか。それが全く予想出来ていなかった。「日頃のイメトレの成果」と本人は言っていたけれど、何で世界で一番あの状況に陥らない可能性の高いボクサーが、世界で一番模範的な対応を、あの舞台で初めて出来てしまうのか。もう他の練習もイメトレだけで良いんじゃないかと思わされる対応だった。
この凄さは長谷川穂積も解説で仰っていたが、本当に意味がわからない。
そして本来なら残りの1Rの戦い方も、向こうに調子付かせたらまずいから積極的に打ってでて、その中で隙が出来たところをカウンターを喰らって番狂わせが起きるのが王道パターンなのだけれど、先人たちがこの状況を何度も見せてくれた事で井上尚弥自身もシュミレーション出来ていたのかもしれない、守りながらも最低限のカウンターを合わせて、もはや100点満点の初回ダウン後の対応だった。
2R目も若干余裕のなさは感じがなくもなかったが、ダウンを取り返したら完全に憑き物がとれたような動きに変わっていた。もう後はいつもの戦前の予想通りの戦いだった。

この経験は、井上尚弥を更に強くさせるんだろう。もう彼を止めるのは衰えだけだ。
井上尚弥の敵は、井上尚弥だ。
勝負論のある戦いはしばらく見れない。
中谷潤人に頑張ってほしいが中谷潤人は好きなのだが中谷潤人がどれだけこの1.2年で成長してくれるのか。

中谷潤人頑張ってほしい。

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