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ことばたち

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言葉を綴ります。
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2015年12月の記事一覧

日常の外れの

青空と
マシュマロみたいな暢気な雲が
厭に憎たらしく見えます
この平穏な空気は
君の憂を知りません
そんな君を不憫に想う
僕は非道い人でしょうか

大好きだったあなた

さよなら
私の隣のあなた
私を思い出すものを
ひとつずつ捨てていって
新しい明日を
そのたび掬い上げて
さよなら
私の隣のあなた
その涙を抱きしめてあげられなくて
ごめん
せめて悲しくないように
またねって言わせてほしい
どうか
明日のあなたが笑っていますように
幸せでありますように
またね

小鳥の歌

私は歌わねばならなかった
あの子が泣くのだから
歌わねばならなかった
まばたく星をこぼすそれは
うつくしい世界があることの証明だ
そして朝を迎え入れるために
私はほのかな灯りになりたかった
滲む朝焼けによく似た
ぜんぶをくるむ綿のような
そうして二度目の証明を

なぞなぞ

お前は誰だ
鏡を前に問いかけてごらん
仮面を取ったら何がある?
誰もアケビの歌なんて
歌ってくれないんだよ
お前の中に何がある?
本物はどこにある?
お前は誰だ
お前は誰だ

「食べたいから生きるのか、生きたいから食べるのか、どちらかと言われれば
 僕は、食べたいから生きているんだと思います。」