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水面から顔を出す

人がなにかを憎んで生きていくというのは、つくづくその人の身を滅ぼすことであるなあと思う。特に、私のように「信じたい」気持ちが強い(らしい)人には向かない。

これまで何度か 他者のひどい言動のために生じたやり場のない怒りをもったことがあるが、その扱いに失敗して自分が心身のバランスを崩すという大失態をしたことがある。

この経験で気づいたのは、人間が(そして自分が)もつエネルギーの強大さだった。奢りじゃない。激しい感情は身を滅ぼす。私は けっこう早いうちに放出する方だけど、溜め込んでいる人は 大きな病気になる場合も少なくない。放出のしかたには気をつけないと いけないけど、溜め込むのは本当によくない。

ここ最近 わたしは 水中に深くもぐっていたのだけれど、 信頼している人が 時々覗き込んで「おーい。」って声をかけてきてくれていた。そっちに向かって 少しだけにこっとして また岩の陰でじっとしていた、らしい。

ふと 心から「楽しい」って思って 家の中を歩いていて 急に「あ 水の中から出てきてる。足がある。」って気づいた。憎しみも、悲しみも、大部分は水底に置いて来ようとしたけれど、ちょっと持ってきてしまった。そのせいか、体がプールから出てきた時のように重いまま。まだ、水の中を泳ぎながら 時々おひさまを見上げるくらいがいいような気がする。そしたら いつでも水の中に潜れるからね。

お休みの日は 陸に上がろう。海辺で おいしいジュースを飲もう。お休みが終わったら 水の中で ゆったり泳ごう。むしろ私は 水の中にいるくらいのつもりで 生きているのがいいのかもしれない。




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