キリエのうたと回復

キリエのうた、2回目の鑑賞が12月になりそう。
地元の映画館はここぞとばかりに某海なし県映画をゴリ押ししていて、県内の上映はほぼ終了。
都心まで行けば上映館があった。
今週はこちらに滑り込む予定です。

2回目になかなか足が向かなかった理由は、
物語の流れを知っていると苦手な描写があって、しんどくなるから。
今までの岩井作品を振り返ってみると、
登場人物が大変な目に遭うと知りながら何度も映画館へ足を運んでいました。

なので今まで以上に、登場人物に感情移入している本作は、リピート必須。

観るインナーチャイルド

映画を観た後、すぐに感想が出てこなくて
鑑賞中、私の昔と似ている部分があったり、
これは観るインナーチャイルド療法か!!と
インナーチャイルドというのは、入院中に主治医から勧められた。
過去の自分を癒す療法のこと。

小学校、高校と福祉に守られなかった経験、枠の外のケースは対象外で、守られることが難しかった。
目に見える身体的な暴力のあとがないと、ほぼ対応してもらえない、など。

世の中って汚いとか守られない世界線。
『映画』は好きだった。
岩井俊二の新作が公開された『リリイシュシュのすべて』
痛みや傷は見えないところで、出来ていく。
作中、ウザいなーと思っていた人が死んで、
そこから登場人物のひとりの心情がガラッと変わっていく。
失うということはそれほどに大きい。
学校にも家にも居場所がない少年。
抗うことが出来ないまま、傷つけられていく人々。

リリイシュシュの世界と自分の気持ちが合う時期があって、そんな時はリピートしています。

生きていく為だけに生まれてきた


という歌詞がリリイシュシュの曲にある。
その通り、シンプルでいい。
キリエのうたは、ある意味不器用で人間らしい人々が出てくる。
登場人物の一人ひとりのどこかが、自分の一部な気がする。
思い通りにいかない人生を生きているみんなに、
また会いにいこうと思います。

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