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運動会の大小?

 町内会の回覧板に、近所にある小学校の年間行事予定表が挟んであった。それによると、今年の「春の大運動会」は5月の最終土曜日である25日に行われるそうだ。

 最近は全国的に、運動会を秋ではなく春に実施する小学校が増えている。私が勤めていた横浜市では、1990年代の後半あたりから、他の学校行事が集中する秋を避けて、運動会の実施時期を春に移す学校が多くなったようだ。

 また、近年は10月中旬ごろまで厳しい暑さが続くことから、熱中症対策として春開催に変更した学校もある。


 ところで、「春(秋)の大運動会」にしろ「春(秋)季大運動会」にしろ、運動会には「大」の冠を付けることが多い。

「大修学旅行」
「大卒業式」
「大授業参観」
 などの言葉は聞いたことがないから、これは運動会特有の表現だろう。

 しかし、実はこれには理由がある。かつては、運動会が春と秋の2回行われることが多く、それぞれ「小運動会」「大運動会」と呼ばれていたのだ。

 私が初任者として勤務していた小学校でも、ゴールデンウィークの前後に「小運動会」、9月の下旬に「大運動会」があった。

 春の「小運動会」は、どちらかというと「こどもの日」にちなんだ親睦的な催しだったように思う。秋の運動会に比べて練習量は少なく、凝った学年演技などもなかった。当日も午前中だけで終了していたはずだ。文字通り、その規模によって大小が区別されていたのである。

 やがて、学習指導要領の改訂などに伴って学校行事などの見直しがあり、平成の時代になると大半の学校で運動会は年1回の開催になったと記憶している。

 だが、かつては大小の運動会があったという名残で、名称としては「大」の字が付いているのだ。


 ・・・と、つい最近までは思っていたのだが、先日に新たな事実を知ることになった。

 関西在住の同年代の知人が、
「自分が子どものころから運動会は年1回だったが、当時も名称は『大運動会』だった」
 と言うのである。

 するとその「大」は、大小を比較しての「大」ではなく、
「春(秋)の大バーゲン」
 や、
「春(秋)の大感謝祭」
 と同じ「大」だということだろうか?

 ・・・この謎については、継続して調べてみたいと思う。

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