ホーム・アンド・アウェイ
来週、教職大学院の院生たちに向けて「教員にとっての『越境学習』」というテーマで話をすることになった。
そもそも、「越境学習」とは何か?
法政大学大学院の石山恒貴教授は次のように定義をしている。
また、石山教授は「ホーム」と「アウェイ」についてこのように述べている。
この「ホーム」と「アウェイ」という表現について、私は実感としてよくわかる。
来週の話の中では、小学校の教員という「ホーム」で20年以上を過ごしてきた私が、
「日本財団での1年間の派遣研修」
「教育委員会事務局での勤務」
という「アウェイ」での経験をとおして、何を感じ、何を学んだのかについて話をしてみたいと思っている。
(ただし、「アウェイ」でしばらく過ごすうちに、そこで仲間ができたり、居心地がよくなったりしたことも事実なのだが)。
ところで、教職大学院には2種類の院生が在籍している。
このうち、【現職】にとっての「ホーム」は、あくまでもそれぞれの「所属校」であり、教職大学院は「アウェイ」ということになるだろう。
いくら居心地がよく、仲間がたくさんできたとしても、自己紹介をするときには、
「○○県立○○高校の教員ですが、この1年間は東京学芸大学の教職大学院に通っています」
と言うはずなのだ。
しかし【学卒】の場合には違う。
他大学から進学したり、学部時代とは研究室や指導教員が代わったりして、進学当初には多少の「アウェイ」感があったかもしれない。しかし、2年間を過ごす教職大学院は、彼ら彼女らの「ホーム」であることに間違いはない。
自己紹介をする際には、
「東京学芸大学の教職大学院に通っています」
と言うはずなのだから。
【学卒】にとっての「アウェイ」とは、たとえば「学校実習(特定の学校で行う長期間の体験活動」であったり、「アルバイト」であったりするのだろう。
教職大学院とは、そこが「ホーム」である者と「アウェイ」である者とが混在している、実にユニークな学びの場だと言えるだろう。
それぞれの院生たちには、このユニークさを最大限に活かして学んでほしいものである。
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