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わたしの本屋デビュー

キョロキョロドキドキしながら本屋さんに入った。
本屋に行った経験は数えられるくらいしかない。

まず入り口に並んでいる本屋さんがお勧めしてるであろう本たちを手に取りパラパラ読む。
それでもまだ、場の空気に溶け込めずにソワソワしていた。
少しずつ、少しずつ本の世界に吸い込まれるようなそんな感覚になっていった。

気づけばあっという間に1時間経っていた。

その後も大きな本屋の中をぐるぐる歩き回り
どんな本があるのか見回った。
そうすると私の悪い癖「人間観察」が始まる。
料理の本、旅行の本、哲学に心理学。
自己啓発本、将棋の本を真剣に見ている高校生もいた。
みんなそれぞれ何かの想いを持って
いい本との出逢いを探しているのだろう。

ドラマのシーンでよくある運命の人との出会い。
一冊の本を2人の男女が同時に手に取る。
「そんなことあるわけないよ」「しょーもねー」
なんて思っていたけど
今日は「そんなことがあればいいなぁ」と思えた。

同じような想いを持って、一冊の本に希望を託して、同じ本を手に取る。
そんな人が飛び抜けたイケメン男子であればラッキーだが、イケメンでなくてもきっとそういった出会いは私にいい刺激を与えてくれるのだろう。
そんな事を考えながら周りをキョロキョロ見ていたがおじさんだらけであった。

それでも考える。
このおじさんの普段の姿を。
おじさんは手にしたビジネス本にどんな希望を託しているのだろうかと。

私の本屋デビューはあっという間に2時間が過ぎた。
「本屋で運命の人と出会い結婚しました」
なんて記事を書ける日が来ればドラマのワンシーンに「しょーもない」と言った事を撤回しようと思う。

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