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モヤモヤの正体

8回目の占いフェスが終わりました。
2017年1月、ラフォーレ原宿での第1回目からすでに3年半が経っています。
毎回カオスな現場ですが、初回はとにかくカオスでした。経験不足で導線も満足に作れない会場内はもちろん、占い師さんに用意した弁当が行方不明でスタッフ用をお渡しするも、最後の最後で段ボールごと見つかる。それぐらいカオスでした。
それでも、原宿→表参道→六本木→高田馬場→目黒と会場を変えながらも毎回どうにか乗り越え、5回目から会場にしている目黒EASEを本拠地化しかけた感もあり(毎回会場が変わるのも今となってはフジロック初期的でちょっとおもしろい)、きっと8回目も目黒なんだろうと思っていました。7回目が終わった1月までは。

モヤる。

コロナ禍によって会社がリモートになり(続行中)、世間が自粛ムードになり、夏に開催予定だったオリンピックや夏フェスが軒並み延期・中止になり、占いフェスももちろんその渦の中に。リアルでの開催が難しそうな情勢となり、「オンライン」というキーワードが出てきた時から昨日まで、いや、厳密にはついさっきまで僕個人はモヤモヤしっぱなしでした。
それは、「大変そうだなぁ」「いつもの仕事にONかぁ」といったそんな安直なことではなく、「このフェスで、占い師さんに何を伝えられるんだろう」ということが、最後まで言語化できなかったからです。実際にはもっと前に気づいていて、発信もして、動いていたのにも拘わらず。

僕個人の話で言うと、フェスの時は時にお客様よりも占い師さん側を向いています。当日の現場ではお客様案内ももちろんしますが、基本的には参加いただく占い師さんがスムーズに参加いただけるように、事前準備や当日案内を行っています。
そのため、毎回個人的にテーマを定めてフェスに臨むようにしています。
例えば最初のころであれば、
「新しいお客さんとの接点を作ってあげたい」
「5分で占う機会を提供したい」
「占い師さんの横のつながりを作ってあげたい」
のようなことを考えていましたし、最近は会場の規模やおかげさまで認知度も初期に比べると上がっているため、フェスに参加いただくことに価値を感じていただいたり、フェス自体を楽しんでいただいたり、占い師さんにも非日常を体験いただけるように、そんなテーマを持っていました。
それが今回、オンラインで占いフェスをやると決まった時、「テーマって何だっけ?」になったのです。その「何」が見え切らずモヤモヤを感じたまま当日まで走っていったのが今回です。準備初期にこのことについてもっと考えこめば良かったのですが、それは次回への反省点。

そして、気づく。

そして、準備を進める中でこれまでと大きく違った点は、占い師さんが当日を迎えるまでのステップが数回に渡った、ということ。

▼今まで
案内→調整・確定→フェス当日
▼今回
案内→オリエン→調整・確定→リハーサル→フェス当日

というステップを、当日までの1か月に行うというかなりハードなことを占い師さんにもご協力いただいてしまったと思います。(正直「こんなにやるの・・・?」と思われましたよね・・・)
それも今にして思えば必要でしたし、結果それこそが今回のテーマでもあったんだと振り返っています。

今回ご参加いただいた占い師さんは、総勢約140名。文字通り北は北海道から南は沖縄まで。1回目からご参加の方もいれば今回が初参加の方もいらっしゃいました。
今回の僕のポジションは、今までの様に5分占い会場内で目の届く位置で便利屋のようにいるのではなく、呼ばれた時や必要な時に登場する役。良く言えば「ここぞ」で登場ですが、悪く言えば、いわゆる「困った時対応(クレーム対応(小声))」、そんな役割でした。
ですから、運営中は「いつ呼ばれるか」とずっと身構えていたのですが、全く呼ばれず、日が経っても一向に呼ばれる気配すらない。あるとすれば休憩中のお留守番要員であったり、最後にごあいさつで登場するぐらい。あとは時々顔を出させてもらって少しだけいる、そのぐらいでした。思いの外スムーズだったんです。
それは、お客様の入りももちろんあります(もっと動員したかった、は本音)し、運営スタッフが本番前も最中も毎日集まってオペレーション改善をしていたり、Zoomというツール自体がそもそも使いやすかったりと、色々な要素はあると思います。
ですが、一番大きな理由があると分かりました。それこそが今回のテーマであり、僕自身が伝えたかったものでした。
それは、「占い師さんに新しい鑑定ツールを使えるようになって欲しい」というもので、その願いや思いは達成できたのでは、と考えています。

今回の占いフェス、5分占いはZoomで行いました。Zoom内のブレイクアウトルームを使い、お客様と占い師さんを1対1のルームにご案内し、鑑定を行っていただく。言葉にすれば簡単ですが、初めにこうすると聞いた時、「今回は参加できなさそうだ・・」と何人もの占い師さんの顔が浮かびました。Zoomって何?な方々が多く、PCやスマホに慣れておらず、画面越しに対面占いもやったことも無ければやれる気もしない、そんな方が多いだろうと。
ふたを開けてみれば、僕の心配は杞憂に終わりました。「参加できないかも」と思い浮かんだ方々は皆、ご参加いただけましたし、様子を伺うと「楽しんでます!」という声までいただける、そう、Zoomの画面越しに。

変わる、と、変わらない

結果的にご参加いただいた占い師の皆さんは、全員がZoomでの対面鑑定を行っていただけました。既に経験のある方も多くいらっしゃいましたが、大半の方は今回の占いフェスが初のZoom鑑定。オンラインでの対面鑑定を初めて行う機会を占いフェスがご提供できたということです。これが今回のテーマでありましたし、毎回お客様に提案している「新しい占いの形」を、今回は特に占い師さんにも「新しい占いの形=オンラインでの対面鑑定」としてご提供できたのではないかと思っています。
個人的にもよく「変化を」と偉そうにもtwitterで書いたりもしていますが、僕なんかが何も言わずとも占い師さんはしっかりと変化し順応し、さらに進化している。その事が実感できた今回の占いフェスでした。

生きよう。

恐らく、コロナ禍は今後も続いてしまうのではと思います。イベントや日頃の鑑定の提供方法も1年前とは様変わりしていくものと思います。
占いフェスも次回はどうなるか全く分からないです。もしかしたらリアルの開催が出来るかもしれませんし、オンラインかもしれませんし、全く違う方法かもしれません。
とにかく言えるのは、占い師さんや我々にとって、
変化するもの=Zoomを使って対面鑑定を行う
などが常に起こり得る中で、同時に
変化しないもの=占いの楽しさや、1対1の鑑定の醍醐味
も存在し不可分であるということを実感して、これからも進んでいくことだと思います。

ご参加いただいた占い師の皆さま、本当にありがとうございました!
皆さまのおかげで、無事に終えることが出来ましたし、大切なものを再認識させていただいた思いです。
火が出るぐらいの鑑定数をご提供できなかったことは悔いですが、このフェスの経験を活かしていただき、皆さんの日ごろの活動がもっと活発になることを願っております。
またお会いしましょう!


後記:開催中、スタッフ間の連絡は社内チャット(slack)を使っていましたが、「Zoomが落ちた!」「急にPCがダウンした!」「カメラが起動しない!」などいろいろありました。7/7(火)~12(日)という、逆行真っ最中に行うなんて、なんてチャレンジングな会社なんだろう、と思ったのもモヤモヤの1%ぐらいありそうです。

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