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毒の効く人、効かない人

こんなジレンマの話を聞いたことがあります。
神社の桜を傷付ける人が居るので「桜が弱ってしまうのでルールを守って下さい」と注意の張り紙をしたら
ちゃんとルールを守っている真面目な人は桜を気にして近付く事すらしなくなり
桜に触って幹を傷つけたり、花を千切る人だけが近付くようになってしまった。

殺したくない人だけが死んでしまった、悲しい毒のような話だと思いました。


ここには「ルールを破る人は注意を聞かない」「注意を聞いてくれる人は、そもそもルールを破らない」という根本的で1番大きな問題があるのです。
その結果ちゃんと注意を聞いてくれるルールを破ってない人にだけ、毒が効いてしまう。

他にも学校の規則や、趣味の仲間同士のマナーなどにも同じ現象が起きて
ルールを守らない人開だけが残り、ルールの中で楽しんで居た真面目な人達が消え
団体や組織が衰退してしまう事も少なくないようです。


ならばもっと注意を細かく具体的な内容にしたり、ルール違反をしている人にしか通じない内容にすれば解決するはずです。
桜の話で例えると「ルールを守って」ではなく「桜に触らないで」や「この線より近付かないで」などに変える事です。

ですが、これも効きません。
ルールを守らない人は読解力がないので
桜に触らないでと注意しても「ちょっとだけなら良いだろう」と勝手にルールを改変し、結局は守らないのです。

その後「ルールを守らない人のせいで桜が枯れましたよ」と言っても
自分のせいだと認識すらしません。

罪悪感も抱かず
忍ばせた毒も効かない
最強の人間なのです。


よく揉め事になった時に「嫌なら最初から注意しておけよ!」という逆ギレの言葉を耳にしますが
私はこれを言う人は「毒の効かない人間」だと思って居ます。

「確認しなかった自分も悪い」「ちゃんと説明を聞かなかった自分も悪い」などと省みる事が出来る人からは
まず出て来ない言葉だからです。
そこで被害者の方がどれだけ「説明の言葉が足りなかったかな?」「分かりにくかったかな?」などと考えても無駄です。
それよりその人物を追い出す方法や、いち早く飽きて自ら去ってもらう方法を考えた方が建設的です。

毒の効かない人に効く毒を作るより、別の方法で殺した方が早いでしょう?