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M1 mini vs M2 Air vs M2 mini超本気ベンチマーク

手元に開発機を含め、Apple Silicon Macが3台集まったので、いろいろAppleScriptでベンチマークを行なってみました。


全体的な速度の印象はM1 mini<M2 Air<M2 mini

テストに用いた機械は以下のとおりです。

M1 mini: Mac mini M1, RAM 16GB , macOS 13.6
M2 mini: Mac mini M2, RAM 8GB, macOS 14.6
M2 Air: MacBook Air M2, RAM 16GB, macOS 14.6

結論から言ってしまえば、M2 Mac miniがとても優秀なマシンだということがわかりました(この中で一番安いのですが)。M2 miniのRAMが16GBだったら、もっと速かったのかもしれません。

これが、上位機種のM2 Proを搭載したMac miniではどうなのか、こちらも興味が尽きないところです(手元にないので、同様のテストはできないのですが)。

M2 MacBook AirはM1 miniとM2 miniの中間的な性能を示しました。

M2 Airでおそろしく速い処理があったり、M2 Airだけ信じられないほど遅い処理があったりで、この結果をどう受け取っていいのかわかりません。

ただ、まとまった処理(さまざまな内容を含む、割と時間のかかる処理)を行わせると見出しどおりの印象です。そして、その差はとても小さくなります。数百ページのPages書類をPDF書き出しして自動連結するような処理では、トータルで数秒違うぐらいでしょうか「誤差」と言って差し支えないレベルです。

以下、すべてのグラフはバーが短い方が高速で、単位は秒です。

テスト1:8,000×700箇所の距離計算+ソート

日本全国8,000箇所の駅の位置情報と、日本全国の700箇所のゲームセンターの間の距離計算を行い、降順ソートを行う処理です。つまり、「最寄駅が最も遠いゲームセンター」を求める、割と重たい計算になります(宮崎県の田んぼのど真ん中にあるゲームセンターが該当しました)。

ファイルI/Oは少なめで、計算主体の処理。配列データのソートや絞り込み、距離計算などの常識的な処理のオンパレードです。Intel Xeon搭載のiMac Proで4分17秒、MacBook Pro Retina 2012で7分少々かかる処理なので、Apple Silicon世代のマシンの速さが光ります。

グラフでは差が大きいように見えるものの、実際には「誤差」程度の違いです

テスト2:順列組み合わせ計算 9桁

再帰処理を含む、割とメモリに負荷のかかる処理(Permutation)です。M2 miniがM1 miniよりも倍ぐらい高速でした。M2 Airはそれらの中間的な結果。

倍ぐらい速い、という典型的な処理。搭載されているRAMの速度が上がった(+メモリ帯域幅が倍に)ことが影響しているのかどうか

テスト3:Numbers 1,000行×5列数値セット

自分の知る限りで最も重くて苦手な処理です。表計算ソフトNumbersの選択範囲を、連続した数値で埋める処理です。

これは、Numbersというアプリの「作り方」の問題だと思いますが、AppleScriptから操作した内容をいちいちGUI側でフィードバックするので、時間がかかるのも仕方ないかなと感じます。ただ、Intel Mac時代から比べると、信じられないほど速くなっています。

さらに、M2 AirでM1 miniの2倍ぐらい高速です。

RAMの帯域幅が広がるとAppleScriptの実行に有利になるのかどうか。もっと帯域幅の広いApple Silicon Macでの検証に興味がわきます

テスト4:Numbers 1,000行×5列数値セット(非同期実行)

テスト3で、相手側アプリの応答を待たずに実行するものです。AppleScript側は一瞬で処理が終了するのですが、アプリ側は継続して処理を行います。本処理では、M2 AirがM1 miniの3倍ぐらい高速です。

M2 miniに16GB以上のRAMが搭載されていたら、もっと速かったのかもしれませんが、現状では判断できません。

何回実行してもこの結果になります。壊れているとか、何か手を加えたといったことはありません

テスト5:各種サイズの画像が空白かどうかをチェック

もう、ここまで来ると「チューニングの方向性が違う」とか「傾向が違う」ぐらいしか言えません

いろいろと物議を醸しているベンチマークです。もともとは、PDFの各ページが空白かどうか(文字、グラフィックの両方で)をチェックするための処理であり、比較的簡単なコマンドで強力な処理を高速に処理できるものです。

ただ、Apple Siliconの上位チップで遅い結果が得られたり、最下位SoCのM1が上位SoCを無双するなどの予想外の結果が出ています。M1が無双しているのもこのベンチマークです。

今回も、M2 AirがM1 miniの7倍ぐらい遅くなっています。低消費電力モードなどの設定を行なっていないことを確認しており、何回繰り返しても同じ結果が得られています。電源はACから取得し、放熱台に載せてサーマルスロットリングが発生しにくい状態にしています。

総評

新世代のSoCのほうが速い、と言える部分もあれば、そうとも言えない部分もあり、それらを総合的に見ると、少しM2世代のほうがM1世代よりも速いだろうかと言えなくもない状況です。

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