三度目の殺人【少しネタバレ】
公開初日に観に行った映画としてはポニョ以来です。笑
映画としては、最近ので言うと「愚行録」「怒り」などちょっと謎めいてたり、観る者への問い掛けやメッセージが強いものが好きでして。
そんなわけで今回、「三度目の殺人」。
予告編を観て、「絶対これ俺が好きなやつだ」と思って公開を楽しみにしておりました。
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ここから感想というか考察というか所感です。━━━━━━━━━━━━━━━━━
とにかく役所広司演じる三隅という男(殺人犯)に、主役の重盛弁護士(福山)も観る人も翻弄されっぱなしの2時間です。
真実は観る人に委ねるタイプ。
作品としては、余韻を強めに残す描写で、テンポは遅く重いです。
(これが観る人にとっては退屈だと思う)
是枝監督が訴求したいメッセージは、「(人が人を裁く)司法とは」がメインかもしれないけど、「正義とは」「殺人(命)とは」「真実とは」なども訴えてくる、メッセージ性の強い仕上がりな気もします。
が、何しろ輪郭をぼやかすので、モヤっと感が残る作品です。
(三隅のせいです)
よって意見は分かれる。
(酷評もいっぱいある)
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唐突ですが、十字路(交差点)って4つ角がありますよね。
でも自分がそこに立つと、(来た道を抜かして)3つの道と3つの角があるわけです。つまり3角=三隅、、、
名前に深い意味はないんだろうけど、意識して付けられたネーミングな気がします。
何かの選択を迫られた時、人は倫理観や正義感や利益などなどによって選ぶ道を決めるわけだけど、人生には常にそういった十字路(岐路)が待ち受けてるわけで。。
三隅は真実をぼやかし、重盛弁護士に採るべき選択を突き付けます。
ラストシーンは、三隅に翻弄されて、自分らしさを貫いて勝ち取ることができなかった重盛が十字路に佇むのです。何の前触れも伏線もなく、ただ十字路に佇む重盛を映して終わる。
だから余計に、三隅という名前が気になりました。
この映画は、3という数字と十字があちらこちらに出てきます。
謎的な意味ではセブンに近い
(キリスト的な要素が散りばめられてる)
「お前はどう思う?」という訴えかけに関しては怒りや愚行録に近い。
(これを見せられてどうしろと…的な)
三隅は神にはなれなかった。でも三つ目の殺人は成立させてしまう。
この映画観てから、3日目ですが、まだまだ翻弄されています。
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ちなみに個人的にかなり好きなタイプの映画で、今年のベスト3に入ります。
ただ好み分かれるので一概には勧められないのですが、
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