カリブの白い薔薇

原題『Una rosa de Francia』
監督 マヌエル グティエレス アラゴン

007ノータイムトゥダイを劇場で観たとき、なんて可愛らしい女性だと心奪われた人も多いと思う、あのキューバで登場した新米エージェント『パロマ』ちゃんの活躍。
今回観た映画はそのパロマちゃんのデビュー作なのだ。
なんとアナ・デ・アルマス16歳、演劇科の生徒の時に主演ですからすごいなぁと語彙力無くしますわ。
タイトルもシーンカットもめっちゃお色気ありの、エロ満載なのかと思ったらいまどき中学生でも欲情し無さそうな健全映画(とまではいかないけど)でしたね。

時代は1950年のハバナ。貧しさと欲望が渦巻く町、移民を自由の国アメリカへオンボロ船で密入国させる稼業のシモンと夢を追う青年アンドレス、いつか都会で店を開きたいと夢描くマリーの3人が物語を紡いでいく。

物語はハバナの暗い時代を綴るナレーションから、シモンの移民輸送稼業のシーンへと移る。無事移民を輸送する帰りにアメリカの巡回船に見つかり激しい戦闘へ。
その銃でそこまで飛ぶ?ってぐらいの掃射がシモンの船を襲い、操舵するアンドレスが負傷してしまう。

銃創の痛みで意識もうろうとする中、治療のため連れてこられらのはシモンが根城としてるマダムの館であった。

館の主マダムは何人も美人の”娘”を屋敷に住まわせ、政治家、実業家、弁護士など”年老いたお金持ち”を招いたパーティーにゲストとして相手をさせる、合法的娼館。
そんな中で、一人反発し周りからも疎まれるマリーはどの客からも買われることなく異質な存在だった。

傷の癒えたアンドレスと出会ったマリー、お互いに惹かれあうものの、自らの夢を叶えるために、様々な駆け引きと思惑が交差しあう。

主軸であるシモンの感情や思考はみる人によって変わるところ。
マダムとは共存関係にあり娘たちとも仲良く、娘から慕われてていても決して手を出さないのは『商品』として認識しているから。同じく本業の移民船へ乗り込む移民へも同様なのかとおもいきや、ボールを投げるシーンや島に送り届けたあとのしぐさから、決してそう冷酷な人間とは考えられない。
劇中にある手紙を読み上げるあのシーンは移民へのポーズではなかったのかもしれない。

アンドレスへの友情、マリーへの感情
どれも本当で、でもそれは決して適うことではなくあのラストなのだと。

ーだ・そ・くー
ルート選択あったら、違う未来もあったかもしれない。
アンドレスENDとかあったら邦題の意味が違ってきちゃいますな。

アナちゃん16歳はみて損はない。
ホントに堂々としてるしkawaiiが過ぎる。

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