見出し画像

それでもまだ生きている


2010年6月
貴方が腐敗しない様にと
ドライアイスを添えられて、
化粧直しで死斑を隠してた一週間

あの日から俺の秒針が錆びつき始めて
いつしか時計が止まった気さえしている。


2012年4月
あれからエイプリルフールが笑えなくなった。
あの光景、匂い、温度、
鮮明に覚えている。

後の地下の霊安室で
足音に壊れていく音が聞こえた。

2016年5月
心の支柱を失った時、
それはとてつもなく耐え難い。
わかるけれど、
わかっているはずのお互いが
どうして救い合えたら良かっただろう。

事故は事故と言い切れない、
生きたいだけじゃ生きれない。
生きたかっただろう、
生きてほしかった。


2020年3月
嫌な予感だけが続く日々、
答えは出せずに心は何処へ。

知って狂えたならまだ良かったのか。
わからない、
いまだにわからない。

生き抜いて今日まで。

よく生きた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?