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復讐の標的 第三章 片井リエ1 (身長 161cm・体重 45kg・B81B・W59・ H88)

 「ん…」
 目を覚ました松本はまだ眠そうに眼を擦り、ソファから身体を起こした。
 「あ、起きられましたか」
 一足先に目を覚ましていた早野が声を掛けた。
 山荘を出た松本と早野は車で都内に戻ると松本の事務所に行き、応接のソファーでしばしの休息を取っていた。帰りの車中交代で仮眠は取ったものの、美菜子たちと激しく交わった後の疲労を回復するには、とても足りるものではなかった。
 二人とも事務所に戻るやいなやソファに身体を預け、泥のような眠りに落ちた。事務所に着いた時にはまだ残っていた日も暮れ、窓の外は暗闇に包まれていた。
 「まだもう少しゆっくり出来るか」
 壁の時計に目をやって松本は言った。まだ眠気が完全に抜けない。これから次の計画に入る事もあり、シャキッとしたいところだ。
 「そうですね、眠気覚ましにコーヒーでも飲みますか?」
 「そうだな、そうするか」
 「じゃ下で缶コーヒー買ってきますね」
 早野はそう言うと事務所を出ていった。
 松本は再び時計に目をやった。約束の場所に行くのに余裕を見てもまだ二十分くらいはゆっくり出来る。
 時間までテレビでも見てるか…
 松本はテーブルの上にあったリモコンでテレビのスイッチを入れた。
 おっ、こいつは…
 現れた画面に松本は思わず身を乗り出していた。
 画面下の『緊急特別番組・消えたアイドル』の文字、そして大写しにされたゆうこと美菜子の顔写真、その前で芸能リポーターや評論家と言った面々が並び、アナウンサーのインタビューに答えていた。
 誰もが自信たっぷりにもっともらしい自説を展開する。そしてさも心配そうな顔をして二人のアイドルの安否を気遣う。しかしそれは表向きだけの事で、その下には事件に対する好奇心が見て取れる。
 フン、評論家だかレポーターだか知らんが、ろくな連中じゃないな。もっともろくでもないと言えばオレも人の事は言えんか…
 松本は自嘲気味に苦笑した。
 「松本さん、はいこれ」
 戻ってきた早野は松本に缶コーヒーを渡した。
 「あっ、やってますね」
 テレビに気が付いた早野が興味深そうに画面を見つめながら言った。その表情に罪悪感はかけらもない。美菜子を陵辱し復讐した事で既に自らの目的は果たしていたが、今ではたった四人とは言え一事務所のアイドル全員を拉致、陵辱するという壮大な計画に充実感すら覚え、最後までつき合ってみたいという気持ちになっていた。
 『ここで今日行われた所属事務所社長の記者会見を見てみましょう』
 アナウンサーのその言葉に松本は思わずソファから立ち上がった。
 「ど、どうしたんです。松本さん」
 「ちょっと、黙ってろ!」
 ドスの利いた低い声で早野に怒鳴り、再び画面に目を向ける松本。そこに映し出されたのは紛れもなくかつての盟友、近江明だった。
 『どうして今まで隠していたんですか!』
 『二人の親御さんたちに何と言って詫びるつもりですか!』
 カメラのフラッシュが集中砲火のごとく浴びせられ、正義漢を気取ったマスコミたちが容赦ない質問を近江にぶつける。
 『こ、今回の事は誠に…遺憾の極みでありまして…』
 声を震わせて語る近江の表情は青ざめ、憔悴しきっていた。
 『まるで他人事みたいなものの言い方ですね。社長としての管理責任はどうなってるんです』
 『万が一の時にはどう責任を取るつもりですか!』
 記者たちは追い打ちをかけるように次々と質問を浴びせかける。こうなると記者会見と言うよりも、もはや集団尋問に等しい。
 フフ、いいざまだ。人を出し抜いていい格好するからこういう目に遭うんだ。
 画面の中でマスコミに責め立てられ、沈痛な面もちで俯く近江を見つめながら冷酷な笑みを浮かべる松本。
 『記者会見の模様をお送りしました。それではここでコマーシャルをご覧下さい』
 画面がアナウンサーのアップに戻り、やがてCMへと切り替わる。
 「あ、あの、松本さん、そろそろ…」
 早野が、遠慮がちに声を掛けた。今まで見た事のない松本の態度にすっかり気押され、びびっている様子だ。
 「ああ、すまん。そろそろ時間か」
 そう言って振り向いた松本はもういつもの表情に戻っていた。
 「さあ、着替えるぞ。お互いこの格好じゃ向こうも業界の人間とは思ってくれんだろうからな」
 松本はテレビのスイッチを切ると、あっけにとられている早野を後目に服を脱ぎ始めた。

 リエは綾乃を連れて、西新宿にある高級ホテルのロビーにに来ていた。
 リエはクリーム色のブラウスに水色のスーツとお揃いのタイトスカートをあでやかに着こなし、一方の綾乃は清楚さを漂わせるノースリーブの白いワンピースで装っていた。芸能人とは気づかないまでも発しているオーラが分かるのか、すれ違う人たちが皆二人を振り返っていく。
 エレベーターで最上階に上がった二人は、その一角にあるレストランに入った。時間は午後九時を少し回ったところ、既に外は闇に包まれ窓の外には下を走る車のヘッドライトやビルの灯りが星のようにきらめいていた。
 指定されていた席には二人の男性が待ち受けていた。松本と早野である。共に紺の背広に白いワイシャツとネクタイで正装していた。
 「どうも片井さん、お待ちしてましたよ、おや、そちらは確か…」
 松本はとぼけたふりをしたが、無論綾乃の事を知らぬはずはなかった。
 「同じ事務所の木本綾乃ちゃんです」
 「は、はじめまして…」
 綾乃は頭を下げながらちらりと松本を見る。目は笑っているが、その奥には突き刺さるような鋭い視線を感じる。おまけにコテコテのパンチパーマ、本当に芸能界の人なのだろうか。
 「さあどうぞ、おかけ下さい」
 松本は手振りを交えながら二人に席に着くように勧めた。
 「そちらの方は…」
 リエは腰掛けると、松本の隣に座っている青年の方をちらりと見て言った。
 「ああ、紹介します。早野義人君です。彼もうちが期待している新人なんですが、今度ある映画に端役ですが出演が決まったんですよ。紹介するのにちょうどいい機会だと思って来て貰ったんです」
 「始めまして、早野です」
 ニッコリと微笑み、二人に軽く会釈する早野。もともと芸能人にしてもおかしくないルックスである。新人と言ってしまえばもうそれで疑う余地は持たせなかったし、松本への疑念を軽減するのにも寄与していた。
 「それで早速なんですが例の件、決心の方はつきましたかな」
 「はい、色々考えた結果、お世話になることにしました」
 リエは言うとショルダーバッグから茶封筒を取り出し、松本に差し出した。
 「こちらは先日頂いた仮契約書です。判も押してきました」
 渡された封筒から書類を取り出し、中をあらためる松本。
 「結構です。それではこれを」
 松本が差し出した封筒を開け中身を引き出すリエ、額面百万円の小切手だった。
 「今回は仮契約ですので、お話ししたように今回は手付け金と言う事で…」
 ニッコリと微笑んで松本は言った。渡した小切手は近藤から預かったYKコーポレーション名義の本物である。無論近藤は承知しているし、換金されたとしても後で取り返すつもりだった。小細工で偽物を掴ませてバレでもしたら、今までの苦労が水の泡になってしまう。
 「一両日中に本契約の書類が出来ますので、残りの四百万はその時に」
 「ええ、承知してます」
 ニッコリと微笑むリエ。
 「いやぁ、良かった。実はもう来て頂くつもりで、クライアントにいくつか話を持っていっているんですよ。色々引き合いも来ていますし、断られたらどうしようと思っていた次第でして」
 「どんな話が来てるんですか」
 リエは興味深そうに身を乗り出して松本に尋ねた。
 「ええ、そうですね。某お菓子メーカーのCFとか、FM局のDJ、それからテレビドラマの話も来てます。これは準主役と言ったところですね、それから…」
 思いついた出まかせを次々と並べ立てる松本。ありもしない事をもっともらしく話すのは裏世界で生きてきた松本のもっとも得意とするところである。
 リエと松本の話を聞きながら、綾乃の心は激しく揺れていた。お金のためだけに仕事をしているわけではない。ずっと憧れていた芸能界に入れて、テレビで見て憧れていたような人たちにも会え、その中で仕事をする事がただ楽しかった。そして自分もそんな風に人から憧れられるようなタレントになりたかった。
 しかし条件がいいに越した事はない。それにリエから聞いた話が事実なら、ティップに留まっていたら、仕事が出来なくなってしまうような事になるかも知れない。
 「あ、あの…!」
 話している松本とリエの間へ割って入る綾乃。
 「わ、私もお世話になっていいでしょうか?」
 「えっ、綾乃ちゃん。いいの、あなた…」
 唐突な綾乃の言葉にビックリした顔で綾乃を振り返るリエ。無理もない、この前事務所で誘った時はあんなに迷っていたのだから。
 「大歓迎ですよ。綾乃さんのような可愛らしい方なら、色々な方面で活躍出来る事間違いなしだ。いや、これは嬉しいニュースですな」
 リエの言葉を遮り、大袈裟なジェスチャーで喜びを表す松本。せっかく向こうから罠に飛び込もうとしてくれているのに、リエの言葉で惑わされては困る。
 「いや、今日はめでたい。なあ早野君」
 松本はたたみかけるように話を早野に振った。
 「ええ、全くです。こんな素敵な方達と一緒に仕事が出来るなんて光栄ですよ」
 「これで我が社も前途洋々ですな。ハッハッハッ…」
 松本は心の中でほくそ笑んだ。正直綾乃についての計画は何もまだ考えていなかっただけに、この展開はツイている以外の何者でもない。
 「綾乃さんの方は急なお話だったので、契約の事はまた次回につめさせて頂くとして…」
 リエと綾乃を交互に見て、松本は言った。
 「一度お二人に当社の社長と会って頂きたいのです」
 「それはもう、是非お目にかからせてください。事務所はどちらに」
 リエもまだどんな事務所なのか知らなかったし、知っている人間も松本だけなので社長も含めてどんな人たちがいるのか早く知りたかった。
 「実は今ちょっとしたプロジェクトの立案をやっていて別荘にこもっているんです。ここから車で二時間ちょっとかかるのですが、ご足労願えませんか?勿論迎えの車は出させます」
 「ちょっと待ってください」
 リエはショルダーバッグからシステム手帳を取り出すと、ページを捲り始めた。綾乃もポシェットから自分の手帳を取り出す。
 「来週の火曜なら大丈夫です。ちょうどオフになってますから」
 「その日なら私もお昼からでしたら大丈夫です。」
 「それは都合がいい。それでしたらお昼過ぎ、お二人ご一緒にここの前で待っていてください。迎えの車をよこさせますので」
 そこへレストランの店員がグラスを抱えてやって来た。綾乃の前にオレンジジュース、松本と早野の前には生ビール。リエの前にはマリンブルーのカクテルが置かれた。
 「それではまずは、乾杯と行きましょう」
 松本がグラスを高く掲げた。早野とリエが続き、最後に、綾乃がグラスを手にした。
 「宜しいですか? それでは、私どもの船出、特にリエさんと綾乃さんご両名の新たな門出を祝して、乾杯!」
 「乾杯!」
 リエと綾乃の声がそれに続き、カチンとグラスを合わせる音が響いた。

 マンションに帰ったリエはシャワーを浴びた後、身体にバスタオルを巻き付けてから鏡台の前で洗い髪をブローしていた。濡れた髪にドライヤーを当てながら丹念にブラシで溶かしていく。
 まさか綾乃ちゃんがあんな事言うなんて思わなかったな…
 事務所のトイレで綾乃を誘った時の迷っていた様子を思うと、本当によく思いきったものだと思う。
 綾乃にああは言ったものの、リエ自身も事務所を移る事については一抹の不安を感じていた。その意味で綾乃が一緒に来てくれると言ってくれたのはたとえ綾乃が年下でも心強かった。
 リエもティップに入ってからまだ二年ほどしか経っていない。その前は大手のアスカプロモーションにいたのだが、キャンペーンガールとCMばかりの仕事に飽きたらず、周囲の勧めもありより大きな可能性を求めてティップに移籍した
 ティップに移籍してからはラジオのパーソナリティも体験したし、映画にも出演した。一本はB級ものながらヒロイン役での出演である。その意味ではティップには感謝している。
 これからも芸能生活は続けたいし、もっと色々な可能性に挑戦してみたい。ティップに恩義は感じるが、このまま留まって共倒れになるのはごめんである。
 もう少しで新天地、どんな仕事が待っているのだろう。リエの気持ちはいやがおうにも昂ぶった。
 ふとリエは下腹の奥から熱いものが込み上げてくるのを感じた。
 単に異性と食事をしただけでも結婚かとスキャンダラスに騒がれてしまう芸能界では、ステディな恋人を作るのはなかなか難しい。しかしりえももう二十三歳、セックスもそれなりに経験しているし、込み上げる欲望に身体を熱くする事もある。
 髪を乾かし終えたリエはドライヤーとブラシを鏡台に置くと、ベッドに寝ころぶと身体に巻き付けてあったバスタオルを取り去り、生まれたままの姿になった。
 つい最近写真集の撮影でグアムに十日間ほど行ってきたため、肌には水着の跡がくっきりと残っていた。日に焼けた部分と白い部分のコントラストがいかにも艶めかしい。
 リエは両手で乳房をスッポリと包み込むと押し込むように揉み始める。
 「ああ…」
 甘い痺れが身体に走り、感に堪えたような吐息を漏らすリエ。手のひらに力を込め膨らみ全体を揉みながら、刺激を求めて固くなり始めている乳首を指でつまみ、捻るように愛撫する。
 「あんっ…ああっ…」
 軽く開かれた唇から漏れ出る吐息が熱を帯びてくる。
 乳房を根本のあたりから絞るように揉みしだき、いびつに変形させながらこね回す。すっかり固くなった乳首はさらなる刺激を求めて先端をツンと尖らせている。
 「んっ…」
 乳首を捻り上げると胸の奥に電流が走るような感覚があり、下半身が熱くなる。
 やがて右手が乳房から離れ、腹部の上を滑って漆黒の茂みへと伸びていく。膝を立ててゆっくりと脚をM字に開いていく。
 既におびただしく溢れている愛液をすくい取り、クリトリスに塗りつけ、指の腹で擦りあげると、身体がビクンと跳ねた。
 「あああ…いい…気持ちいい…」
 左手で包皮を剥きあげ、右手で激しくクリトリスをねぶる。
 「アアッ!」
 親指でクリトリスへの愛撫を続けながら、中指を膣口に突き立てる。クチュッと音を立指が中へと飲み込まれていく。更に薬指も挿入すると抜き差しを始める。
 「ああ…あああ…!」
 リエの膣路がものすごい収縮力で二本の指を締め上げる。クリトリスを擦る指の動きも早くなる。陰核は、針でつつけば破裂しそうなほど紅く膨れ上がっていた。
 「ああ.…いい…もっと、もっと欲しいのォ…」
 出し入れする指の動きも激しくなり、溢れ出る蜜液で茂みは濡れた海草のように縮こまって恥丘に張り付いている。
 「ああ…いい、イキそう…」
 リエは性感の高まりを感じ、膣に挿入した二指を速射砲のようにピストンさせる。
 「ああッ、い、いいッ!ク、イクわ!ああああ…!」
 引き絞るよう叫びをあげ、ブルブルと前進を震わせるリエ。身体の中で何かが弾け、爆発的な快感が全身をくまなく駆け抜けた。

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