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【妄想ライオンズ75】 大宮沸騰

4年ぶりの大宮の地が、IMAI48の熱投で、1万7千人の観衆が、まさに沸騰する。

大宮は外野までしっかりとファンで埋まっている。その集まった観客は、初回からIMAI 48の投球にボルテージを上げる。

先頭の好調の藤原を、大きなカーブから入り、速い、少し動いたように見えるストレートでバットすら振らせず見逃し三振に切ってとる。

3回までを9人で切って取り、そのリズムが打線に伝わり、渋い攻撃ながらも2点を先取する。

先取点をもらった4回は2三振で1−2−3で流れを作り、5、6回は四死球は出すものの要所をビシッとしめる。気がつけば6回までノーヒット。ストライク先行で球数も80球まで行かない。

7回に入ると、制球が乱れ、球も浮きがちになる。しかし、それに反比例して、1つ1つのアウトに対して、球場全体がどよめく。1つアウトが入るたびに、スタジアムの熱が上がっていく。

8回。先頭打者のあたりは1、2塁間に強烈に飛ぶ。しかし、先ほどのエラーの汚名返上とばかりに、外崎がスーパープレーでノーヒットを続ける。
あとアウト5つに、球場のボルテージはさらに上がる。
しかし、確実にボールの押さえはききづらくなってきている。
次のバッターに三遊間を破られ、ノーヒットは途絶える。
少しはにかむIMAI48。
しかし、同様を絶対に顔には出すまい、見せまいと、自分に言い聞かせる。

少しだけ空を見て、少し熱の引いた、その代わり暖かいエールの拍手に耳を澄ます。

さあここからだ。
ノーヒットはおまけだ。
本当にしなければならない仕事は、ここからだ。
試合を勝たせること、できる限りピッチャーを休ませること。
それが自分の仕事だ。ノーヒットが仕事じゃない。
ギアを入れる。
もう一段ギアを上げる。

代打の大下、そして平沢を見逃しの三振に取る。 球場は、もう一度、新しい沸点へ向かう。

完封へ、そして、最高の勝利へ。

9回のマウンドに上がったIMAI48は120球を超える。 ランナーを2人ため、4番と、5番を迎える。 しかし、今年の彼は違う。
焦らない、急がない、そして、グラウンドを見る。
耳を澄ませる。 観客がいる。声がある。自分を鼓舞する声援がある。
しっかりその声を、波を、熱を受け止めて、 じっくりと最後のバッターに対峙する。
1発のある外国人に対して、粘り強く投げ込み、最後は渾身のストレートをインサイドに投げ込む。 大きなポップフライが内野に打ち上がる。

まさに沸騰した大宮のグラウンドの真ん中で、IMAI48がグラブを叩く。

そして、頭にデッドボールを受けながらも、ボールを受け続けてくれた柘植と固く握手をする。

緊張から解き放たれた1万7千人が、万来の拍手と、思い思いの雄叫びを上げる。

大宮に、ライオンズの野球が帰ってきた。この興奮を、この熱狂を、6月にもう一度!

#seibulions #西武ライオンズ #走魂 #今井達也

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