虹 創作絵本ストーリー投稿🍀
『ゆうか 見て おっきな虹』
助手席のママが指さした
ママの顔に顔を近づけた
『うゎー 虹だ 虹だ』
おばあちゃんの家に向かう車の中
にわか雨がやんだその時です
『ねえ ママ どうして
虹には 近づけ無いと思う?』
『うーん どうしてかな?』
『あのね 虹は でべそ なんだと思うの』
『どうして?』
『隣のたくちゃん でべそでしょ 幼稚園でプールに入る時 海水パンツをグイグイってあげてはくの お尻に海水パンツが食い込んでも グイグイってあげてはくの きっと でべそって恥ずかしいみたい
だから 虹も誰にもでべそを見られたくなくて逃げてるんじゃないかな』
『そうね そうかもしれない』
『ねえ パパは どうしてだと思う?』
『それは虹がどうして見えるかから話さないとな空気中の水滴に光があたって見えるからなんたけど 』
パパが真面目に話しだしたもんだから
『やだ パパ そういう話しはもっと大きくなってからでいいの』
『いや いや よくない 』
パパとママがちょっとしたケンカを始めた
私は後ろの席に座りなおして
虹が消えた空をじっと見た
しばらくしておばあちゃんの家に着いた
おばあちゃんの姿が庭先に見えた
『いらっしゃい』
『変わった事無い?』ママがおばあちゃんに話しかけて
『こんにちはお義母さん』パパは日用品を抱えて
玄関に向かった
『ただいま』私はおばあちゃんに抱きついて
『お帰り ゆうか』おばあちゃんはしゃがんで私の顔を見た
『おばあちゃんも虹見た?』
『見たよ 綺麗だったね 』
『ねえ おばあちゃん どうして虹には近づけ無いと思う?』
『それは きっと みんなの心に幸せの種を蒔きたいからじゃないかしら
そろそろ桜の花が咲く頃だけど 1年に1度ほんの短い時間だけ咲く桜にも同じ事がいえるわね
ゆうかはお花見うきうきしない?』
『する 』
『おばあちゃんもとてもうきうきするわ
それに ずっとそこに有る物には その内 みんな見向きもしなくなるの 当たり前になって うきうきした気持ちも忘れてしまうわね
だからきっと そうならないようにしてるんだと
おばあちゃんは思うのよ』
『そっか』
おばあちゃんの話が聞けて良かった
後でママに教えてあげよう パパが居ない所で
『お昼にしましょう』とママの声
『はーい』と私とおばあちゃんの声
『そうだ ゆうか 虹を見た日は良い事が有るからね』
虹を見た後にパパとママがちょっとケンカしたけど おばあちゃんには 内緒にしておこっと
おしまい
#創作絵本ストーリー
#虹
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