多分こうやって生きていく予定

自分の人生のゴールは決めてある。

「ああ、いい人生だった」と思って死ぬ。これである。

中学生くらいの頃、中二病と思春期を発症して、背伸びするような気持で自己啓発本を読み漁った時期があった。

いい人生とは、後悔のない人生とは、10代でやっておくほうがいいいこと、20代になったらやらないほうがいいこと。

こんなタイトルがあったら、すかさず手を伸ばしていた。人生の教科書が欲しかった。答えが欲しかった。幸せな人生の正解が。私だって最後死ぬときに後悔したくない。間違えたくない。転びたくない。

そうやって頭でっかちになった自分は、じゃあそんな人生を過ごすために何を勉強すればいいんだろう、仕事はどんなことをすればいいんだろう、何歳までにはこんな経験を積んでいて…と綿密な計画を立てた。

当時、何を書いたかは忘れてしまったが、世界で活躍する心理士になりたいと考えていた。それがどんな職業でどんな世界で活躍するかは考えていなかったけど。とりあえずその時興味のあることと、規模を大きくしておいて後から後悔の無いように設けた目標だった。

だが、人生はそう簡単にはいかずに、最初の一歩でこけてしまった。私は高校受験に失敗し、滑り止めにしていた高校に入学した。

これは余談だが、気持ちばかり大きくなり、計画ばかり立て、一番大事な勉強が苦痛で全然やらなかったのだ。

今思えば、それは当然の結果なのにその時はわからなかった。なぜ誰よりもしっかりと考えて計画したのに思い通りの結果が手に入らないのか。本気でびっくりし、本気で自分が嫌いになった。なんてダメな自分なんだろうと。

そのあとコロコロと私の興味は変わり、英語話せたらかっこいいなと思って留学をしたり、大学の講義でたまたま受けた授業のまちづくりの講義が面白くて地域活性化にかかわる活動をしたり、いい景色と人との出会いを求めて登山サークルに入ったり、お金について何も知らないなと思ってファイナンシャルプランナーの資格を取ったり。


今思えば、笑っちゃうくらい計画から逸脱した人生を歩んでいる。

でも私はこうやって日々自分にふっと浮かんだ興味や関心に突き動かされて動くことの方が、計画通りに生きていくより向いている気がする。

軌道からずれたら、自問自答して目標へ自分を引き戻したり、倒れた計画を立て直したり、達成した自分は褒めるけど失敗した自分を叱るような生き方は私は疲れてしまった。

確かに不安感に近い感情は時々起こる。私は何処へ向かってるんだろうとか、人生で結局何が達成できるのかなとか。ふわっとしいて地に足がついていない心地はする。

でも、そうやって不安になったらじゃあ何かやってみよう。興味のある分野に進んでみよう。あんな趣味やこんなコミュニティに参加してみよう。と、そうやってその時自分が思う方へ進んでみる。

新しい分野を知ることは楽しいことで、そしてまた自分がレベルアップした感覚になって嬉しいのだ。

多分これからもそうやって生きていく。それでいい。スティーブ・ジョブズの伝説のスピーチの中で言っていた「点と点がいつか繋がる」という話にあるように、そうやってバラバラに見える自分の経験がいつか「あ!」とちゃんと生きてくる時が来ると思う。

中学生の頃に決めた「ああ、いい人生だった」と思って死ぬ。これだけは、色々と手を出してきても揺るがなかった。何をしていても結局そこに辿り着く。だからこれは私の人生の核なのだと思う。

これからもこのゆるっとした目標と、流れに身を任せて漂うように、導かれるように生きていくことを大事にしたい。守っていきたい。



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