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バリアフリーを知らない点字ブロック

この写真は、ゼミでFWをしている際に撮ったものです。
皇居の周りをぐるりと一周回る、計3時間のFW。その中盤、国会議事堂の近く、内堀に沿った歩道にこの”曲がった”点字ブロックはありました。

道はまっすぐに敷かれているのに、点字ブロックだけが途中唐突に曲がっている。
理由を探して近づけば、点字ブロックは地面のモニュメントを踏まないように、曲がっているのだとわかりました。その時は気づいていなかったですが、このモニュメントは歩道に沿って他にも点々と埋め込まれていて、様々な県の代表の花を描いているようでした。

皆さんは、このモニュメントを見たとして、どう思ったでしょうか。花の名前を調べているときに、"内堀周りのモニュメントを全部写真に収めました"、という散歩ブログを見つけました。このモニュメントが、皇居周りを歩く際に、少しの楽しみになることは確かにあるのでしょう。

しかし、ここで私が重要だと思った点は、点字ブロックが、このモニュメントを避けるため、ただそれだけのために曲がっていた、ということです。

目の見えない方は、この曲がりをどう感じるのでしょうか。さすがに、わからないほどの些細な曲がりではありません。「何かを避けている」と、思うのではないでしょうか。目の見えない方にとって、点字ブロックは大切な道です。歩行の際の命綱ともいわれるものです。それを曲げるのにはそれ相応の理由がいると思います。それ相応の理由に、地域のモニュメントは相当するのでしょうか?私の中で、答えは決まっています。花の彫られた地面を見た時から、この答えは変わりません。

私は、この写真が、目の見えない方への配慮の足りなさを表していると思っています。点字ブロックは、バリアフリーのために設置されたものです。その点、配慮はできているといえるかもしれません。ただ、その配慮が形だけのものになっていたという証拠が、この曲がりなのではないでしょうか。

バリアフリーを目指し、具体的な施策を実行したり、ルールを作ったり、設備を整えていくことは勿論大事です。ただ、それだけでは目には見えない心のバリアを崩すことは出来ないのかもしれません。心のバリアに対しては、別のアプローチが必要で、ルールや設備を整えるのと同時に行う必要があるのでしょう。私は、心のバリアに働きかけるアプローチをしていけば、問題意識を持つ人が増え、ルールも設備も自然と整ってくるんじゃないかと思っています。希望的観測でしょうか。皆さんは、どう思いますか?



追記:友達からとあるサイトのURLを教えてもらいました。https://www.iatss.or.jp/common/pdf/research/h966.pdf

余りにずさんな点字ブロックの敷設例、良ければ合わせてご覧下さい。

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