日記20240915

昨日は出来立ての日本酒を飲みながら演奏を聴けるライブに行ったらなんかすごいいっぱい飲んでしまって気付いたらライブ会場からも家からも遠い謎の駅のホームにいたりしていました。あんなにブッツリ記憶失ったの久しぶり。日本酒は900ml一気に飲まないほうがいいです。


また日本酒飲んでる!

今日は劇団の人と一緒に富山に来ている。やっぱ富山は海鮮っしょということで昼は早速寿司屋でバラちらしをいただいた。追加で頼んだほたるいかの沖漬けは形が揃っていて美しくツヤツヤと輝きながら行儀よく並べられていて、なんとなく「お嬢さま」という印象を受けた。

大学の時にやっていた居酒屋のバイトで、毎年夏になるとでっかいタッパーになみなみ入ったほたるいかの沖漬けを1匹1匹手で拾ってピンセットで「とんび」をむしり取る作業をしていた。あの店で出していた沖漬けは今日食べたものよりなんかドロドロであんなふうにピカピカ輝いてはいなくてだいぶ雑な佇まいだったけど、あれはあれで美味しかったな。初めて沖漬けを食べたのも、その沖漬けと一緒に飲むことで初めて日本酒を美味しいと思えたのもその居酒屋バイトでのことだ。最終的に店長と喧嘩してクビになったが。

お昼のあとは富山県美術館へ行った。初めて行ったけどかなり良かった。天井が高くて、木がたくさん使われてて格好良いし気持ちがいい。コレクション展も顔触れが豪華ですごかったな。名作プロダクトの椅子がいっぱい展示されてるコーナーも楽しかった。

いい椅子たち
座れるのもある

特別展は柳宗悦を中心とした日本の民藝運動をテーマにしたものだった。宗悦の言葉がところどころに添えてあるんだけど、何に関しても熱弁ぶりがすごい。勝手に眉毛が太くて目の中に星がある、漫画の熱血漢を想像してしまう。田舎の民家の土間に置かれた壺を見てはガーンと背景にウニフラッシュをほとばしらせ、その実用的で素朴な美しさに感激し涙ながらに雄叫びをあげる。もみあげが顔の前方に向かってピンと尖っており、真っ赤なジャージを着て、おでこに「民藝」と書かれた白いハチマキをしている。バーナード・リーチや河井寛次郎とかと一緒にあの夕日に向かって走っていたんじゃないかと思ってしまう。

ああいう大事に作られ大事に使われた美しい日用品の展示は楽しくて好きだが、確かにそこにあった人たちの暮らしのいじらしさと、自分のだらしない性格や今までに犯してしまった浪費への罪悪感で心が抓られる。一人の作家の思想や苦悩に満ちた人生が表現された作品展とかより余程、ちょっとしんどいところまで心に踏み入ってくる。そういう状態になると、よく「これを大事に使うことで許されたい」と、古い少し良い道具、職人の一点物の食器とかを買ってしまう。今回も展示を見終わったあとミュージアムショップで、栃木の窯の茶碗を買いそうになったがタクシーが来たので我慢して美術館を出た。

夕食は「富山ブラック」に初挑戦した。塩辛いとは聞いていたけど、塩辛いというかほぼ醤油そのものだ。あとチャーシューが異常に多くて、それ自体もものすごい醤油味だった。セットで頼んだ無味の卵かけご飯がグングン進んだ。でも不思議ともう一回食べたくなってもいる。ものすごい鋭利な塩気だけど味付け自体は極めてシンプルであっさりしているから、よく斬れる刀で一刀両断されたかのような気持ちよさだった。何ならかなり好みかもしれない。
レンゲついてないの凄かったな。富山ブラック側から公式に「飲むものではない」と表明されている。

そろそろ寝ないといけない。昨日飲みすぎてから、まだちょっとだけ腹が痛い。

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