医薬品卸在籍時のアレコレ

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こんにちは。すっかり外も寒くなり、もうそろそろ冬本番というところでしょうか?このご時世ですが、今年国家試験の薬学部生の皆さまは就職先決まっていますか?

病院、保険調剤薬局、ドラッグストア、製薬会社、行政、コールセンター…と薬剤師としての進路選択は意外にも多くあるものです。

突然私事ですが新卒から3年数か月間、医薬品卸に在籍していました。某大手四大卸のうちのどこかで営業所の管理薬剤師やっていました。

在籍時のお話しを少しさせてください。もちろん現在『薬剤師』として勤めていらっしゃる方の閲覧も歓迎です!

どんな人が働いている?

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事業所長・支店長:名前のとおり事業所や支店の責任者。外回り営業をするより支店内の内勤仕事が多めです。取引先に挨拶へ出向くこともあります。

MS(Marketing Specialist):簡単にいえば営業員。医薬品の情報提供や販売をするだけでなく、採用予定薬の見積もりの作成もします。

SA(Sales Assistant):配送員。営業員とは違い、営業活動は行いません。
実習中や勤務中、医薬品の検収時によく顔合わせている人だと思います。

営業事務:電話受注後に注文伝票を発行したり、急配の手配を外勤者に訊ねたりします。

物流部員:取引先から注文された品を受注伝票を基に揃えます。

管理薬剤師:医薬品卸販売業を行うには法律上必要とされています。
売上にブレーキをかけているように見られますが、違法から他社員を守るためです。

在籍時の経歴

本社での2週間もの新人研修を経てからの経歴がこちら。

最初が某県のA支店→第1と第2支店が同住所にあるので、それ相応の社員数でした。確か…合計80人弱。ここでは管理薬剤師ではありませんでした。

同県のB支店→県内で最も小規模な支店。社員数20人弱。それゆえ、『薬剤師しか出来ない業務』以外のこともやっていました。電話対応しない日はありませんでした。

同県のC支店→ここが最後。B店よりかは大きい。在籍人数は合計で30人弱。B支店で取り扱っていない規制医薬品もありました。

卸の薬剤師って何してるの?と疑問を持つ方も多いかと思います。大まかに述べると4項目になります。

①薬事関連業務

販売先管理:取引先(医療機関や他卸等)に医薬品や医療機器を販売できるかの免許番号や許可証等の期限確認。期限切れや許可証が無いと、販売出来ないものもあります。
営業員に取引先まで出向いてもらい、原本の写しや写真で番号や期限を確認します。

薬機法確認:法律は随時変わるので、職員を守るためには知識のアップデート必須です。

市販直後調査のサポート:製薬会社に毒性、品質性、有効性(効能効果)についての結果を送ります。有効性は特定の医薬品を本社経由で指定されます。薬剤師は営業員が提出してきたレポートを添削し、指摘があれば随時伝えます。

②品質管理業務

支店薬剤師していれば、この業務との縁は切っても切れません。

規制医薬品の管理:医療用麻薬や覚せい剤原料、向精神薬、毒薬、医薬用外毒物・劇物…と法律規制のあるものたくさんあります。

保管場所や施錠の有無、外回り職員への手渡し等々。やらない日はありません、と言っても過言ではありませんでした。

午後に配送すべきものを配送員や営業員へ渡し終わったら、実在庫とPCに記録されている在庫数に差異が無いかの棚卸をします。

温度管理:医薬品倉庫の温度管理を管理するのも仕事の一環です。大抵は室温、冷所保存のものが主です。要冷凍保存の医薬品を扱う支店もあります。
最も気温が高い時間と言われている14時を目途に、測定します。

もしも、逸脱が判明していたら支店責任者や本社に相談します。
状況に応じて対策を練ったり、指示を仰いだりします。

参照 https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/000466215.pdf

③問い合わせ対応(DI業務)

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題名の通りです。医療機関から問い合わせが来たら回答します。
医薬品、医療機器を始め、法律について訊かれる事もあります。
こればかりはタイムリーで問い合わせが来てからではないとわかりません。

急ぎの可能性もあるので、回答期限を確認しておくがベターです。

自分自身の答えが支店の答えになるので、ある程度のプレッシャーはかかります。その分、自分のものになるのでやりがいはあります。

④教育・研修業務

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法律が絡む『薬事関連』と疾患別医薬品の『薬学関連』事項の研修を実施します。

研修対象者は主にMSです。

内容は、本社通して年度始めに決まっていたため月ごとにやることが変わります。

大体月に1回のペースで実施し、研修後は確認テストもあります。

評価への影響はあまり無いですが、平均点からあまりにもかけ離れている場合は再テストすることもありました。

他職員も必要時、研修実施します。
勤務時間中に一斉での実施は難しいため、内勤者会議やSA会議時に時間を作ってもらい、実施しました。

⑤その他

正直言って、都道府県差や個人差があります。

卸連合協会主催の研修や会議への参加くらい…でした。

あとは医療用麻薬入出庫報告書を月一で行政に提出する義務があったので、然るべき機関に出向いたりもしました。

報告書はPCで作成していたので地味~に辛かった覚えが(笑)

待遇面

仕事内容より、待遇面が一番気になる方もいらっしゃるかと思います。
ざっくりと書くとこんな感じです。

基本土日祝休み!年度決算にともなう棚卸が年1回あるため、その日は休日出勤です。

基本定時帰宅!…ですが正直言って、支店規模次第です。何時間もの残業は基本無いものと思ってもらって構いません。

出社も定時も早いです。8:30始業、17:00定時のところが多いです。

給料の相場!新卒で200,000円~222,000円くらい。会社によって諸手当は入っていたりいなかったりなので、一概に言えませんが…。

中途社員だと、経験や能力を考慮しての決定でした。

最後に…

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医薬品卸の薬剤師業務、何となく紹介させていただきました。
かいつまんで主な業務内容を紹介したので書ききれていないと思います。

基本1人薬剤師なので、多かれ少なかれプレッシャーはありました。
同職種が同支店にいないゆえ、業務上でわからないことがあった時不安に駆られることもありました。

さすがに着任して早々、管理薬剤師をやらされることはありませんが。
そういう時は本社や同一都道府県内の他支店の薬剤師に頼っていいです。

支店にいる薬剤師は1人だからこそ、経験できたことや得られた知識は今後の人生の財産になったと自負しています。

「これはどういうこと?」「もっと詳しく知りたい!」という項目があれば、こっそり教えてください。その時は、またお話しさせてください。

最後まで読んでくれてありがとうございました。

璃乃

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