【ヴァイス】逆噴射ヴァイスシュヴァルツ初心者指南

  よく来たな。俺は七村だ。おれは毎日大量のテキストを書いているが、その全てを読ませるつもりはない。しかし、このヴァイスシュヴァルツを始めたばかりのお前に向けた記事を公開しようと思う。元々計画されていたカードゲームの総合情報サイトがたち消え、寄稿予定だったこの生地だけが残ってしまったからだ。

  お前は気になる作品や可愛らしいベイブに釣られてこのゲームに触れ、ルールを調べたりトライアルデッキを買ったりしてはじめてのWSを体験したはずだ。そして、お前は何回かこのゲームをして理不尽なゲーム展開をまのあたりにし、スマッホの電源を入れてツイッタに運ゲーだのなんだのと書きこもうとしていただろう。そして…そのやすい酒のような慰めに溺れながら……いつしかこのゲームのことを忘れていくに違いない。


  しかし、しかしだ、お前はそんなツイットをするために開いたインターネッットの中からこの記事を見つけ出した。ここにはお前を一人前のWSプレイヤーに、そしてお前を真の男にするための極意がつまっている。この記事をすべて読みおえたお前は、ヴァイスシュヴァルツというメキシコの熱風逆まく荒野をまっすぐな目で歩いていけるだろう。

俺はお前にあまり多くのことは伝えるつもりはない。今回のポイントはこの3点だけだ。

28点入れろ


弾丸を切らすな


クライマックスを大切にしろ


  お前が初しん者であるなら、それぞれの項目の細かい内容など到底すべておぼえてはおけないだろう。だが気にするな。この3つの項目のタイトルだけ覚えておけばそれでいい。これらはこの記事においてもっとも大切なエッセンスであるので、つまりはヴァイスシュヴァルツにおいてもっとも大切なことだとゆっても過言ではない。一応補足しておくが、このゲームでは惚れたベイブのキラめくすがたを見たくてやっているんだというヤツがいることはじゅうじゅう承知している。しかし、そのこととこれはけっして矛盾しない。ベイブをキラめかせることと勝利を同時についきゅうした真の男が、みんながあっと驚くデッキで結果を出した事例はかこに何件もあるからだ。では行くぞ。

28点入れろ


  お前はトライアルデッキについている薄っぺらいルールブックを読んでいるか?すでに読み切ってメキシコの砂漠にすててしまったかもしれないし、あるいは先人からルール説明を受けたか、そのスマッホをつかってルールをしったのかもしれない。どっちにしろ、お前はこのゲームが先に28点目のダメージを入れたほうがかつということを知っているはずだ。だが、それでもこれはさいゆうせんで頭に刻み込まないといけないことなんだぜ。


  なぜなら、WSには「あいてに28点入れるいがいの勝利条件はない」からだ。手札が20まいあろうが、ストックをうずたかく積み上げようが、舞台にパワー10万のキャラクターがいようが、それだけでは勝利の女神はお前にほほえまない。自称古参のこうるさいうんちくをかき消す声で5回口に出してみろ。お前の目には覚悟の炎がともり、今まで砂嵐でぼやけていた視界はクリアに進むべき道をうつすはずだ。お前は一人前のWSプレイヤーに、真の男に一歩ちかづいたってわけだ。


  さて、ここからは実践だ。お前は自分の舞台の前列にいるキャラクターでアタックし、その魂の輝き、イコォール、ソウルによって相手にダメージを与える。これがすべての基本だ。そして、お前は目の前にいるメキシコのギャングどもに、じぶんが殺られるより先に28点を叩きこまないといけない。そのためには、まず、たくさん…相手より1回でも2回でも多く……アタックすることだ。このゲームでは、ほとんどのばあい1ターンに3回までしかアタックできない。それは俺だってそうだ。ならどうするか、お前は、もっとも序盤に相手があまりアタックしてこないうちから、めいいっぱいアタックしろ。バンデラスがなぜ酒場でブチョの手下に囲まれたとき、ヤツらを皆殺しにして生き延びられたかわかるか?バンデラスが真の男だからだということもあるだろうが、最もじゅうようなのはバンデラスが誰よりも多く銃弾をぶっ放したってことだ。お前は真の男のすがたに学び、相手のクロックに28点目の銃弾をぶち込まなくてはならない。そのためには、お前は相手より早く、ゲーム中継続して3回アタックするんだ。わかったな。 


  また、お前は舞台にいるキャラクターのソウルをより輝かせないといけない。ソウルの輝きは大きいほうがいい。なぜなら、もし先こう1ターンめにお前がソウル28のキャラクターでアタックし、それが通ってしまえば、その時点でおまえの勝利だからだ。お前と相手が同じ回数しかアタックできないなら、ソウルが輝いているほうがゆうりなのはめいかくだ。ダイレクトアタックを知っているな?さっき言った相手より早く、多くアタックするってことは、この部分でもおまえにしょうりを近づける。また、クライマックスを使用するのもいい。多くのクライマックス・カードはお前の舞台のキャラクターのソウルをより輝かせる。なんといってもクライマックスだからな。お前がすでにデスペラードのような本物の映画をみているなら、おれのことばが心でわかるはずだ。そうでなかったとしても、お前は想像力を使って俺のゆっていることを充分に理解できる。


次だ。お前は勝利の瞬間をつねに強くイメージしろ。目の前のメキシカン・ギャングの胸にかざあなを開けたり、喉笛をかみちぎったり、より多くのダメージを与えられる効果を持つレベル3キャラクターで28点目を叩きこんだりするシーンを、だ。それは目的であり、たっせいするためにはしゅうとうな下準備がいる。お前は思い描いたシーンを作り上げるため、ストックがいくついるのか、手札は何枚いるのか、事前にわかるはずだ。しかるべきタイミングに向けて、それを目指せ。

弾丸を切らすな


お前はいまヴァイスシュバルッツという荒野にいる。お前のデッキは、さながらバンデラスのギターケースに詰まった銃のようにお前だけの武器だ。そして手ふだにあるキャラクターはお前の弾丸だ。けっして切らしてはならない。弾丸がなければお前の銃はながめるだけのオブジェへとなり下がり、お前は早晩死体となってメキシコの路地裏に打ちすてられることになるだろう。

このゲームでは毎ターンのはじめに2枚手札を増やせる。しかし、ぶたいの前列で3回のアタックをするには手札が3枚必要だ。何もしなければ、おまえのてふだは7ターン目くらいには枯渇し、8ターン目に無残な死体となる。だからこそ、おまえは手札を増やす効果のカードをそれなりの枚数デッキにいれろ。登場したとき、効果を使ったとき、アタックしたとき、控え室に行ったとき、様々なタイミングで手札を増やすカードがある。また、そういった効果を持つクライマクス・カードを採用してもいい。カムバック(扉)やブック(本)、トレジャー(宝)、ゲート(門)なんてやつだ。控え室から好きなキャラクターを持ってこれるため、選択しが広い扉はとくにいい。今のおまえをたすけてくれるもの、それは扉だ。ほかに使いたいクライマックスがなければ、扉を採用すべきだ。おまえがこのゲームに少し慣れてくれば、スタンバイ(電げん)のようなトリッキーな動きをするクライマックスも扱えるようになるだろう。しかし、それは今ではない。手札を増やすカードの適正まいすうがわからなければ、ちょっと多いかな?と思うくらいでいい。入れる枚数、使う枚数、使うタイミングなんかはいずれわかってくる。それまでは、多くてぜんぜんいい。だが、勝利の瞬間のイメージと、それに必要なものだけは常にわすれるな。手段と目的を逆転させるような奴は、真の男とはよべない。

クライマックスを大事にしろ


  クライマックス・カードってやつはこのゲームにおいて、お前の相棒のようにお前を手助けしてくれるいいヤツだ。しっているとおり、時にはおまえの傷をいやすベイブとなり、時にはお前の戦闘を支えるブシェミとなる。八面六臂のはたらきだ。強力なCX連携を持つキャラクターも多い。①、②でも、俺は折にふれてその一端をしるしてある。しかし、ゲームのプレイヤーはお前であり、クライマックスをあつかうのもお前だ。クライマックスがその能力をどれくらい引き出せるのか、それは畢竟お前じしんにかかっているのだ。

 お前はクライマックスを使う。それはいつだ?クライマックスフェイズに貼った時。そうだ。アタックでトリガーした時。そうだ。被ダメージをチェックしているとちゅう。そうだ。あとは[集中]効果を使うときなんかもそうだ。気付いたか?手札にあるクライマックスは自分のターンに1枚しか使えないが、デッキの中にあるクライマックスは使えるタイミングがとても多いってことに、だ。こうゆうことに目ざとく気づかなければ、メキシコの荒野ではいきのびられない。結論として、デッキの中にクライマックスが多ければ多いほどよいということがわかるだろう。しかし、デッキに入れていいクライマックスは8まいまでと決まっている。これは掟だ。俺もお前もまもるしかない。ならば、お前のとる行動はひとつだ。デッキがリフレッシュし、新しいデッキになるたびになるべく多くのクライマックスがあるようにしろ……。まだお前にはこれはむずかしいかもしれない。身構えるな、これだけ覚えろ。「デッキから別の場所に移動したクライマックスは、できる限り控え室に送れ」今はまんぞくにできなくても、ゲームを重ねて少しずつできるようになればいい。バンデラスもギター弾きの少年にこう言っていた。「PRACTICE…EVERYDAY……手になじむまで毎日だ。」と。


  よくここまでたどり着いたな。ここまでこの記事を読んできたおまえは、ヴァイスシュヴァルツについて基礎の基礎をおおかたを理解しただろう、そして、この記事のないようを実践すべくWSをプレイするはずだ。この記事はすごいので、実はお前がステップ・アップした時、次にじゅうようなポイントに自発的に気づけるようになっている。この先、ひとつひとつと重要なようそに気づき、のり越えかたを模索するようになれば、おまえははれて真の男へと成ちょうできるのだ。


  さて、伝えるべき3つのポイントはすべてせつめいし終えたが、あと少しだけしゃべろうと思う。俺がこの先に書くのはいわば精神論のような、時代おくれに感じることかもしれないし、SNSに浸った理系くずれのれん中は鼻で笑うかもしれない。しかし、お前は真の男の一端を獲得しているので、この大切さが感じられるはずだ。そもそも、俺はよむ価値のない文章は書かない。

番外編 朗らかでいろ


  おまえがこのゲームをしていれば、時として理不尽だとおもうゲームだってあるだろう。ほとんどキャンセルしなかったり、逆に相手がキャンセルしまくったり、思わぬ打点で28点目が入ったり、そういう敗北はこの先も結構あるものだぜ。そういう時、お前はぶつぶつ言ったり、ふきげんそうな顔をしたり、デッキの中をみたりしてはだめだ。そういうことをするのは、メキシコのうす汚れた酒場で死んだ目をしているごろつきと同じだ。真の男とは言えない。このゲームですでに死んでしまっているお前には、それについて何かをしゃべったりすることはできないし、たばこの一本だって持ち上げることができないように、デッキトップのカードをめくることはできない。それはむなしい慰めであり、お前を真の男からとおざけることになる。

  いいか、お前にできることはただ一つだ。真の男であるお前をうち倒したあいてはつまり真の男だってことがわかるよな。ならお前はデッキトップに伸ばしかけた腕を相手に向けて差し出し、不平不満をこらえて朗らかな笑顔を作れ。そしてこういうんだ。「GOOD GAME!!」と。


  おれははじめての土地をおとずれた時、その地域のカード・ショップに行って公認大会なんかに参加する。そこでゲームが終わった後、おれかおまえ、どちらかが朗らかな笑顔をして握手できることをねがっている。じゃあな。

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