マルチジャンルホラーRPG「インセイン」について

「インセインってどんなゲーム?」という質問に対しての個人的な回答です。
「ホラーに興味があってCOCは知ってるんだけど、インセインってどういうゲーム?」とTLで見掛けたことをきっかけにこの文を書いているので、COCとの比較もたまに上がります。ご了承ください。



①全員が『秘密』を持っており、『秘密になっている本当の使命』を達成することがゲームの目標

最近ではクトゥルフでも秘匿ハンドアウトものが流行っていますが、インセインは必ず『表向きの使命』と『本当の使命』のふたつが各プレイヤーごとに設定されており、『本当の使命』を達成するのがゲームの目的となります。
例えばですが


【PC1・表向きの使命】…あなたはコインを探すゲームに参加している。あなたの使命は「コインを探すこと」だ。
【PC1の秘密】……あなたが本当に探しているのはコインではなく、このゲームに参加しているはずの現在行方不明の友人「イズナウェイ」だ。
あなたの本当の使命はイズナウェイを探すことだ。この秘密は自分から他者に言うことは出来ない。

【PC2・表向きの使命】…あなたはコインを探すゲームに参加している。あなたの使命は「コインを探すこと」だ。
【PC2の秘密】……あなたはコインではなく、この場所に運命の相手を探しに来ている。
あなたの本当の使命は誰かと【愛情】の感情をお互いに結んでEDを迎えることだ。この秘密は自分から他者に言うことは出来ない。

【PC3・表向きの使命】…あなたはコインを探すゲームに参加している。あなたの使命は「コインを探すこと」だ。
【PC3の秘密】……あなたは莫大な借金を抱えている。コインを手に入れれば五千万円がもらえるらしい。ので、何とかしてコインを手に入れる必要がある。
あなたの本当の使命は【借金を返済すること】だ。この秘密は自分から他者に言うことは出来ない。


このように、全員「コインを探す」という表向きの目的がありますが、本当の目的は別にある…と言った感じです。
本当の使命さえ達成出来ればいいので、表向きの使命は達成する必要はありません。つまり、PC1とPC2は本当はコインなんてどうでもいいのですが、自分の本当の使命は誰にも話せないのでとりあえずはコインを探すフリをしなければいけません。
この場合、全員の真の目的が競合していないので、全員で力を合わせて調査などをすることが出来ます。そういったシナリオが『協力型』です。

しかし、ここにもう一人『コインを手に入れること』が本当の使命になっているPC4が居たらどうなるでしょうか?
コインを手に入れて借金を返済したいPC3とコインが欲しいPC4で使命が競合している為、その二人は手を組むことは出来ません。
お互いの秘密がバレた場合、またはどちらかがコインを手に入れた瞬間に殴り合いになるでしょう。
このように、最終的にPC同士が必ず対立することになるのが『対立型』です。

また、PC3の本当の使命はコインを手に入れることではなく
『借金を返済すること』です。
ここで仮にコインが欲しいPC4がとんでもない金持ちだという秘密を追加で持っていて、この秘密を他人に知られた場合はPC3の借金を代わりに返済出来るとしましょう。
そうすればPC3はコインを手に入れる必要はなくなるため、コインをPC4に譲ることができ、PC4とは対立せずに済みます。
しかし、PC4の秘密を知らない限りはもちろん借金を返済してもらうことは出来ません。この場合は先程と同じように最終的には殴り合いになります。
このように、状況次第で協力も対立も出来るのが『特殊型』です。


②取れる行動が決まっている

インセインはCOCほど行動の自由度は高くありません。
『これを調べると、この行動を取ると、必ずこういった結果になる』というのがあらかじめ完全に定められています。

例えば『カレーを作る』場合、COCであればどんなカレーでも作れますが、インセインの場合【シーフードカレー】【ビーフカレー】の二つの選択が出て来た場合、そのどちらかを必ず作るしかありません。
(※ロールプレイ次第で具材を追加することは出来ますが、処理的には必ずシーフードカレーかビーフカレーを作ったことになります)
人によっては「いや!!チキンカレーを作りたかったの!!」というような状況になるかもしれません。
でもそれは出来ないのです、作れるカレーは既にシナリオで決まっているので。

人によっては「自由度が低いじゃん…」と思われるかもしれませんが、行動に対する結果が必ず決まっているので、インセインでは「予想外の結果になる」ということがありません。
ロールプレイで表現可能な範疇での自由はありますが、基本的には処理的には必ず、数パターン用意されたいずれかの結末に辿り着くこととなります。
これは例外的な処理が発生しないということなので、予想外の行動を取られてGMが慌てふためくような事態にはならないということです。
そういった理由がある為、システムに徹しやすいのでGMは比較的やりやすいと思います。


③ショックを受けるようなことさえあればなんでもゲームに出来る
まったく邪神の絡まない茶番シナリオもありますが、COCは基本的に神話生物が関係するホラーを楽しむゲームとなっています。が、インセインは『PCがショックを受ける出来事』さえあれば何でもシナリオに出来ます。
王道ホラーはもちろんですが、天候でもゲロマズ料理でもゴキブリでもクソリプでも、やろうとすれば実態が無い相手でもなんでも敵にすることが出来ます。
ブラック企業に勤めるPCが今月のシフトにショックを受け発狂した結果、ラスボスとして【会社】と戦闘し、会社に勝てばめでたく弊社爆発エンド…といったようなシナリオも作れるので、幅広いタイプのシナリオを楽しんでみたい方にも向いているでしょう。


④システムとして【感情】を結べる

インセインはサイクル制で、1サイクルに一人一回ずつ何かひとつ行動を取って進めていく(場のHOの秘密を調べる、他人の秘密を調べる、戦闘を仕掛けるなど)ゲームなのですが、その中に他PCやNPCと【感情を結ぶ】という行動があります。
感情を結ぶと色々と特典があるのですが、お互いにどんな感情を結ぶのかは基本的にダイスでランダムで決めます(良い感情を向けるか、悪い感情を向けるのかはプレイヤー自身で選べます)
ダイスを振った結果、先程までいがみあっていた二人がお互いに【愛情】の感情を手に入れラブラブになったり、突然相手の狂信者になったり…そういった突然の感情の変化も、ギャンブル性があってとても楽しいです。
先程の例としてあげたPC2の本当の目的も
【誰かとお互いに愛情の感情を結ぶ】ことが目的でしたが、このようにお遊び要素ではなく感情を取得することが使命になってるケースもあります。


とりあえず大きなポイントはこの辺かな~と思います。
何かあれば追記します。


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