『トーストと味噌汁』

おんぼろアパート六畳一間の片隅で凍える冷蔵庫は空っぽで唸り声を上げているが、わたしは耳にも止めず貴女の声だけを聴いている。
具の無い味噌汁、焦げ目の無いトースト、口の中で蕩け合う。
愚の無いわたしと妬かない貴女、シーツの中で蕩け合う。

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