介護美容と着付け

こんにちは
今回は看護師であり着物サポーターの小杉が担当いたします。

着物サポーターってなに?
介護美容に着物が関係あるの?
と疑問に思われる方もいらっしゃると思うので説明させていただきたいと思います。

着物サポーターとは

着物は民族衣装であり日本人なら特別なものと感じる方が多いのではないかと思います。
特に高齢者にとって着物は歴史や文化の一部であり、特別な意味を持つことが多く、実際に着物を着て出かけると『着物が好き』という高齢者の方に出会うことがよくあります。
しかし、お話を聞くとタンスにしまったままの着物があるとか、断捨離で処分してしまったとかで今は着ていない方がほとんどです。

理由は足腰が悪くなってしまったり、年をとって筋力や体力がなくなり着るのが億劫になってしまったりと身体的に自分で着ることが難しくなってしまったから。

着付には手先の細かい動作や体幹の安定性、姿勢を保持するための筋力が必要となります。
そのため高齢になり筋力や認知機能が低下することで着ることが困難になってきます。

いくつになっても、寝たきりや車いすに乗っていても、『着物が好き』『着物を着たい』という気持ちを諦めて欲しくないという思いから着物を着るお手伝いをしたいと着物サポーターとして活動を始めました。


車いす着付け


寝た状態での着付け

一方で、着物は着れなくなったけど見ているだけで幸せ、着てみたら曲がった腰が伸びた、挙がらなかった腕が挙がったといったお話も聞きます。
着物を見たり、実際に着てみることで良い変化をもたらす可能性があると考えました。
そこで着物を着ることによる効果を考察してみました。

着物を着ることにどんな効果があるか

心理的側面

幸せホルモンの分泌
好きなものや人を見るだけでオキシトシンやセロトニン、ドーパミンといった脳内ホルモンの分泌につながると言われている。これらは『幸せホルモン』とも呼ばれ、心が満たされたり、癒されたり、リラックス効果が期待できストレスの解消にも繋がる。

やる気の向上
好きな人や好きなもの、好きな色などの見ることで、その日一日のやる気も体力も集中力も、持続しやすくなる可能性がある。

QOLの向上
自分の好みや個性に合わせて着物や小物を選ぶことで、自己表現や自己肯定感を高めることができる。

身体的側面

筋力の維持、向上
着物を着ると背筋が伸び姿勢が良くなり、これが自然と体幹の筋肉、特にインナーマッスルを鍛えることにつながる。また、帯をしっかりと結ぶことで、腹筋も同時に鍛えらる。

身体の柔軟性
結帯動作とは文字通り帯を後ろで結ぶ際に必要とされる動作であり、帯を結ぶことで身体の柔軟性が鍛えられる。

手指の運動
着物はいくつもの紐、そして帯を結ぶ。結ぶという行為は手先指先を使うので脳を活性化して物忘れや認知症の予防と上肢の筋力アップにもなる。

社会的側面

着物を着ることで自信や喜びを感じ、社会参加のきっかけとなる。仲間との交流を深めたりすることができる。

ADLや認知症のレベルによって介入方法は検討しなければなりませんが、着付けを介護美容に取り入れることで、身体機能や生活機能の維持・向上だけでなく、精神的な健康や生きがいの向上にも寄与できるのではないかと考えています。
寝たきりの方からアクティブシニアまで着付で幸せにしたい。
さらに高齢者だけにとどまらず、次世代への伝統文化の継承という観点からも広めていきたいと考えています。

かく言う私もアラフィフになり着物を着るのが億劫になってきました。体力の衰えを感じています。今からサルコペニア、フレイル予防のひとつとして少しでも着物を着て過ごしたいと思っています。
100歳まで着物が着られるように‼︎

陽だまりカフェ茶話会 ‟花結び講座” の様子


トータルケアビューティー協会には様々な分野のプロフェッショナルが在籍しており、こんなにマニアックな思いに対しても多角的にアドバイスがもらえたり、私個人では思いもよらないアイデアがでたり提案があったり。
なかなか思いを形にするのは難しいけれど、これからも仲間と一緒にワクワクするような取組ができそうです。

介護美容をしたいけどどのように活動していけば良いのかわからない方、1人での活動に不安のある方、そして着物に興味のある方、一緒に活動してみませんか?

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