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////hate

 どういえば、いいかわからないけど口にしてみる、怯えた夜の、何巡もした思考回路の、その遠回りな愛を汲んでくれる。別にあなたを鏡だとは思わない。気づきました、街のガラスに映る私もそんなに悪くなかった。笑ってた。

 シャロン、衛星軌道に針を落として音楽に任せて踊ろうか、頭を振って手を叩いて。シャロン、はじき出されたダンスホールにコイン二枚で舞い戻る。シャロン、曇りの日の空港が好きで寒い時期のデパ地下が好きで、ポイ捨てしようとした缶を戻って拾ってきてしまうところが好きで、シャボン、いい人らしいと噂には聞いたよそれ以上のことは知らないわ。

 だったらあんたの頭に今すぐ鉄パイプぶっ刺して脳みそかき混ぜてから言ったげる「あなたにはほんの気まぐれに過ぎなかつたことが、わたしの一生を支配しました」あれは確か8月8日もっかい生活をやり直そうかあたしはあんたの初恋の差分夢で逢えたとてどうなんの。深夜の3時にたこ焼き器出して笑ったよね、もしも、いつか会ったなら子供とか居るのかなあ。

https://www.iwanami.co.jp/smp/book/b249189.html

 語呂合わせで教えてくれた誕生日をふと思い出して少しの間目を瞑った。白昼夢の中で真っ白なケーキを切り裂いた包丁は溶けて潰れたラズベリーがもう戻らない。雨の日は青い傘を、晴れの日は緑の自転車を探していたあの子はバスタブの白に還ってねむった。

 咲かせてよね。

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