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どうしようかなぁ

ちょこママと一緒にお外に
出ちゃったけど、怖いなぁ。
知らない匂いがいっぱい。
ちょこママは警戒しつつ、
外の自由を楽しんでる。
わたしはとにかく体を
低くして、ちょこママと
はぐれないようにした。

夜のお外は夕方の雨で
少し湿った匂いと、
木や草、お花の香り、
鶏、犬、そして野豚の
臭いがした。

お日さまが昇ってマンマは
お仕事に行った。
ちょこママとわたしが
いなくなったことに
心配とがっかりな顔をして。

おなかが空いてきたし、
なんだか怖いし、
マンマミーナのところに
帰ろうっと。
ちょこママが破いた
網戸の隙間からお部屋に入って、
マンマミーナが帰って来るまで
ベッドの下にいよう。

マンマミーナが帰ってきて、
わたしがいるのを見たとたん
マンマの目から涙が
ぽろぽろ落ちた。
「マンマ、ごめんなさい」
わたしはマンマに体を
こすりつけた。
マンマは「帰ってきたの?」と
言いながら、わたしを
優しく撫でたあと、お水と
ごはんを用意してくれた。

マンマの手はあったかくて、
わたしはマンマにいつまでも
撫でてもらいたいくらい好き。
前は他の猫たちにからかわれるから
できなかったけど、
今はマンマのおひざに体ごとあずけたり、
マンマの手首を枕にして撫でてもらえる。
でも・・・

ちょこママはどうしているのかなぁ。
このおうちの周りにいると思うけど。
マンマとは一緒に暮らさないのかなぁ。
わたしもまたお外にいきたいなぁ。
前みたいに、お外にいて、マンマが
ごはんを持ってきてくれるのは
だめなのかなぁ。

マンマがわたしにこう聞いた。
「わらび、マンマと一緒にいたい?
それとも、前いたところにもどりたい?」
どっちかひとつは決められない。
どうしようかなぁ。


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