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ドーベルマン・ジャイ子 おねえちゃんになる

若い男の人と女の人が来て、
アンティはお話しをしていた。
男の人は私を見て、嬉しそうにした。
私はリーシュをつけてもらって、
女の人と家の周りを少し歩いた。
久しぶりにアンティ以外の人間を
見たから、嬉しかった。

車のドアが開いて私は乗せられた。
「どこに行くんだろう?」
「この2人、とても好きかも」
なんだかわからないけど、
私はわくわくしていた。
窓から見ると、アンティは泣いていた。
「ペッパー、いい子でね。幸せにね。」って。

新しいパパとママは優しくて、
家に帰る前にお店に寄って
ごはんやおもちゃをたくさん買ってくれた。
新しい家はお庭が広くて、鶏や
マングースを追いかける日が始まった。

新しいパパは私がお行儀よくできるよう、
トレーナーの人をつけてくれた。
訓練は好きじゃなかったし、なかなか
上手くできなかったけど、
新しいパパは決して諦めなかった。
「ペッパーならできるよ」って。

「ペッパー、おねえちゃんになるのよ」
ある日、新しいママが私に言った。
「もうすぐ赤ちゃんが生まれるの」
そう言って大きなお腹を見せてくれた。
「だからペッパー、訓練頑張ってね」

「もちろんよ!」
それから私はリーシュなしでも、
勝手に走り回らなくなった。
パパの言うことをちゃんと聞くようになった。
私がいろいろできるようになると、
パパはたくさんほめてくれた。

そして私は「おねえちゃん」になった。
前は小さな女の子2人のおねえちゃんだったけど、
今度は男の子。
そう、私、「おねえちゃん」になったの!

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