恋愛とは

無数の手に引っ張られ続けるような人生だ。
なぜだかわからないが私は人に好かれやすかった。性別を問わず、友人として接して来た人から情を抱かれる事が多かった。想いを告げられるたびに私は裏切られたように感じ、また、裏切った。こうして友人を渡り歩く。まるで根無し草だ。一箇所に留まれる気質ではなかったから、歩き続けた。
なせだかわからないが私は人を好きになれなかった。性別を問わず、友情以外の想いを抱く事が出来なかった。付き合うのも触れ合うのも興味が持てず、結婚の必要性も理解していないから焦りもなかった。私は振り返る事もなく歩き続ける。