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ワインを1リットルと日本酒を飲んだ晩。
翌朝は宅配便の人にチャイムで起こされた。2回目のチャイムが鳴らされる頃ようやく玄関に到達した私ははだけたパジャマとマスカラが移った下瞼を晒した。シャチハタを押そうと手に取ったら『お名前ご住所の確認だけで結構です』との事で、霞む目で文字を眺めやっとのことで自分の名前を認識した。
朝の数時間しか日光が入らない部屋は既に暗く、酷く冷える。
坦々麺を食べた後の皿とワインがこびり付いたグラス、真っ赤なカウンターチェア、赤が目立つキッチンだ。私は背中をメッタ刺しにされ、白い壁までもが赤く染まった。お湯落ちのマスカラが溶け出して目が痛んだ。より暗い寝室へとゆっくり進む。素足を伝い落ちる血は赤黒かった。血溜まりは私を追い掛けるように形を成して足に絡まり、身体を黒く包みながら下へと引き込んでゆく。温度のない水に満たされていた。呼吸も開ける目もなかった。重い圧にやわく揺られる。流れが起こる。次第に流れは激しくなり、やがて呑まれた。激しく痛む傷に気付く。乱れた呼吸に肺を知る。引いていく影の先に赤く染まった部屋を見る。





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生活は生を内包し、生には性と死・暴力が隣接する。