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懐かしい幻聴

精神病棟に入院していた頃、消灯時間になった病棟内の廊下はよく耳を澄ますと私以外の患者が複数人で喋っている様な幻聴が聞こえた。 その時、対応をしてくれた看護師に「話している人達が居ないか」を確認してもらったが、当然として誰1人 消灯時間に集まって会話などしてなかった。 静まり返った中に微かに聞こえる複数人の喋る声の幻聴は退院した後もたまに聞こえる。 夜中散歩をしてる時、家の中が私1人とペットしかおらず布団に入り入眠を待つまでの時間、学校で廊下に誰もおらず静まり返って居る時など

    • 今日の██さんの様子2

      担当:夜勤⬛︎階  20⬛︎/1/8 夕方の申し送りを終えて夜勤の挨拶回りへ行った際██さんは僕に振り向かずに無言だった。無視してるのかと思ったが、一応2回目の「今日の夜勤担当の柳田です」と伝えたら無表情で僕と目を合わせるだけで、何も返事をしなかった。今日は喋りたくないようだった。 挨拶回りをし、患者さん達の定時薬を配り終えた後は夕食が運ばれてくるまで少し時間が空く。その間は特にこれといった事は無かった。 夕食が運ばれて患者達各々が部屋へ持っていくのを確認した後、まだ夕食を

      • アルトサックス

        アルトサックスを吹ける人ってアルトサックスを持ってると、「アルトサックス吹いてそう〜」ってなる顔してる

        • お母さんの口癖

          お母さんはいつでも「寒い」と言っていた。 私はその口癖をいつも頭の中で反芻してしまったせいでお母さんが死んで、葬式で火葬されてる最中も私の頭の中で「寒い寒い」と言い続けていた。

        懐かしい幻聴

          執着と愛について

          私は執着を愛の上位互換だと確信している。 執着は愛あってこそ成り立つものだから、愛が塩水だとすれば、その塩水を煮て水が蒸発した結果鍋の底に残った塩が執着なのだ。 濃ゆい濃ゆい舌が痛いほどに塩辛い塩 執着は濾された愛

          執着と愛について

          今日の██さんの様子

          担当部屋:501.502.503  202⬛︎/12/29 今日は██さん含めた女性患者さんの部屋を3部屋程担当した。 今日の██さんはいつも通り朝ごはんには手をつけずセルフサービス式のお茶を飲んでいた。それ以外の昼食、夕食には軽くだが口をつけていた。 ██さんの担当は初めてだから、朝のカンファレンスが終わった後は担当の患者達に挨拶に回る際にできるだけ██さんを怖がらせないよう、落ち着いて明るく振舞った。 僕の中ではいい感じに出来たと思っている。彼女は年齢の割に驚くほど物静

          今日の██さんの様子