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国際社会の作法と礼儀

日本のあるIT企業のA社長がアメリカの大手のIT会社のB会長から業務提携の話を持ちかけられ、訪日して挨拶しに来た際、A社長は高級な料亭でB会長をおもてなししました。B会長は慣れた手つきで箸🥢を上手に使い、日本酒も好きだという事で、A社長や幹部達を驚かせました。

B会長は感動して本社があるサンフランシスコにA社長を招待し、市内で一番高級なステーキハウスで食事会に接待しました。他の取引先の社長数名を一緒に呼んでおり、中国、インド、イギリス人が同じテーブルについていました。

食事会は高級ワインや食後のブランデーや葉巻など振る舞われ大いに盛り上がりました。ただ、A社長は英語は堪能でしたが、料理もお箸はないかなど訊いてみたり、中々その場の雰囲気を楽しめずに居ました。B会長が全て支払いを済ませてはいましたが、A社長以外の経営者はいくらばかりかのチップを置いて帰って行きました。

アメリカ滞在の数日間、B会長の取引先の社長が市内で同様に有名な中国料理、インド料理レストランにA社長、B会長を招待しました。しかし、A社長はこういった食事の味付けや香りに慣れておらず殆ど手を付けませんでした。更にどこのお店でも一切チップを置いていきませんでした。

そして日本に戻って数日後、B会長の秘書からA社長に電話が入り、その内容は今回の商談は無しになった、という残念なものでした。A社長は必死に電話口で食い下がって、理由を訊きましたが、特にこれという理由は教えてもらえないまま、悔しい経験をする事になってしまいました。

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