憶えていること

必死で考えて結論を出したあの瞬間、夜通し腹を割って話した高揚感、夏の日の頭越しに見えた木の葉の揺れと風が通る音、初めて手を握った感触、波が船にぶつかる音、澄んだ空気と草木が合わさった香り。
苦しくて辛かったことは忘れていく。自分の本質がどこにあるか何でできているのか教えてくれる。
ずっと忘れないと信じていることのほとんどが過去になって今でも残っているものはほんの少しで。それすらもかたちが変わってしまっているけれどあの瞬間に憶えたものは本物で。
そういうものを積み重ねていきたい。

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