東宝の1950年代映画を観て思う。

東宝の1950年代の映画を観ていると、オイラの生まれるかなり前の時代とはいえ、あぁ昭和のころはこういう景色があったなぁと思うシーンがやはり時々ある。それは『友人や知人の家に訪問して、その訪問先の固定電話を借りる』という景色だ。「ちょっと電話貸してくださらない?」という感じでその固定電話を借りて話すわけだが、その第三者との話しは、当然そこにいる全員が聞いている。今だと見れないちょっと不思議な風景である。現在スマホで目の前の友人が第三者と話すのを見る、という景色はある。だが、この昭和の友達の家の固定電話を借りるという行為は「隣の家の人に醤油を借りる」みたいな、友達の家が、ある種自分の家の空間の延長になったようなコミュニティ空間の拡張を感じたものだ。そういう意味ではよく最近話題になるようにSNSが発達する前は物理的交流による親近感の強化と増幅というものがたしかにあったと思う。

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