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【書評】スターバックスはなぜ値下げもテレビCMもしないのに強いブランドでいられるのか?

<本の概要>

かつてスターバックス社でマーケティングのプログラムの作成・実行に携わった経営コンサルタントによる著書。役員達の社内プレゼンにおける発言などを引用しながら、スターバックスに根付いている文化や考え方を明らかにし、企業が成功するための要因を説いている。2007年に出版された本を再編集したものなので、時代背景は少し古いが昨今でも通じる貴重なノウハウも多数語られている。

<この本を読んだきっかけ>

身も蓋もない話だが、旅行の移動中に軽く読める本が欲しかったというのが正直なところ。目的を持ってというよりは、フィーリングで何となく選んだという表現が近い。数日前に飲んだ「大学芋フラペチーノ」があまりに美味しく印象が残っていたのが大きいのかもしれない。笑

<本を読んでの気づき>

①プロダクトの質が重要であるということ

「店舗に訪れたお客様に最高の”体験”を提供する」

これがスターバックス社の根幹にある重要な使命だと述べられている。美味しいドリンクやフードを提供することは言うまでもないが、店舗の雰囲気・パッケージのデザインや陳列方法・店員の服装や態度などあらゆる要素を徹底的に突き詰めている。広告に莫大な予算をかけるくらいなら、その予算を商品開発・店舗設備・人件費などに投資するべきだと考えており、実際にスターバックスはそのような経営方針を貫いている。

最高のサービスを提供すれば、顧客は自然とついてくる。少し乱暴に言ってしまうとそういうことなのだと思う。本書では広告ばかりに頼って中身が全く伴わないサービスを強く批判し、顧客のニーズを心から満たすサービスを設計することの重要性が強調されている。特に印象に残っているのは下記のフレーズだ。

(マーティングの際は)ありのままを伝えよ。作られた話はもういい!(本書34ページより)

目の弾きやすいキャッチコピーを用いて大々的なPRをすれば一時的には注目を集めるかもしれないが、それでは人気は長続きしない。最高のサービスを情熱を持って提供し「ありのままを伝えるマーケティング」を行うことが、継続的な企業成長に繋がるということだ。

私は現在営業職として勤めているが、恥ずかしい事にイメージ先行のセールスをしてしまっている。良い面ばかりを集中的に語り、無理のない範囲内ではあるが話を多少誇張したりもする。そういった背景もあり、契約には結びついたとしても早期で解約されてしまうというケースが一定存在してしまっている。

営業アプローチを見直すの勿論だが、それ以上にもっと商品力を高めるためにプロダクト開発に労力をかけ、良いサービスを提供しなければと改めて認識させられた。

②結局は人(サービス提供者)次第である

本書には「ブランド構築には、商品そのものよりも人が大事である」と書かれている。

国内でも飲食・コーヒーチェーンが乱立する中、スターバックスと類似の商品・模倣したと思われる商品は無数にある。(最近発売されたタ◯ーズの「マスカルポーネティラミスラテ」は、広告を見た時に一瞬スタバかと勘違いしたくらいだ)

ただし、現段階では規模や売上と言う観点で考えた時にスターバックス以上に成功しているチェーンはないだろう。その理由について、本書では下記のように語られている。

ライバル企業は、スターバックスの提供する商品や体験を模倣し、それは今なお続いている。だが、商品や体験をお客様に提供する人材は、彼らに真似することはできない。(本書235ページより)

私は個人的に他のチェーン店にも大変お世話になっているので、店ごとの優越をつけたりするつもりはないが、結局は人次第と言う部分には同意している。営業においても結局は人としての魅力がものを言う世界でもある。

スターバックス社が社員を採用する時に見極めるポイント・求める素質は下記の4つだそうだ。

①誠実さ ②真面目さ ③知識欲 ④積極性 (本書235-236ページより)

どの要素も自分には欠けている部分があり、まだまだ自己研磨が足りていないなと痛感した。スタバの素晴らしい店員を見習って、日々努力を重ねたい。

<読書後のto do>

①改めて自社の製品に関して改善すべきポイントをまとめて、開発チームに連携する。ありがたい事にこれまでも様々な顧客からサービス改善の要望・意見はいただいている。新規・既存の顧客からも意識的にヒアリングをしつつ、傾向をまとめる。

②自己研磨のために今月から始めた朝活とジムを必ず継続させる。1週間継続できたので次は1ヶ月が区切り。両者共に欠かす事なく今月を走りきる。

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