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新型コロナクォータリーリポート 12/24 2021年まとめ 陽性件数編

12/10 号ではワクチン接種状況について、12/17 号では死者数について、2021年を振り返ってみた。今回は、2021年の陽性件数について振り返ってみる。、今週もオミクロン株についてさらにあららっな変化が見られたので、まずはそこから報告したいと思う。次の地図は、21年51週(12/17-24)時点での陽性件数が増加中の国減少中の国を表している。


今回注目すべき点は二つある。


まず、今週、増加中から増加ストップとなった国地域が7あったが、減少ストップなどから増加中になったところが17あり、10週以上も合わせて増加中の国が92国地域になった。また、増加ストップなどから減少中になった国は5つあるが、減少中あるいは10週以上連続減少中から、減少ストップとなったところは、11増え、10週以上も合わせて減少中の国が78国地域になり、4期に入って増加中の国の数の方が減少中の国の数よりも多くなった。

次に、アフリカは南のみならず、東や西でも増加中の国が増えた。また、アラビア半島やも増加中となった国が増えた。日本もとうとう増加中となった。一方ヨーロッパでは、ポーランドやドイツなどでも減少中となった。しかし、北ヨーロッパや南ヨーロッパなどでは引き続き増加傾向である。

A. 陽性件数は7ヶ月ぶり500万件超え、死者数はさらに減少

A1. 陽性件数500万件以上は7カ月ぶり。


世界の21年51週(12/18−24)の陽性件数は536万8880件であった。50週に比べ18%の大幅増加となった。陽性件数が500万件を超えたのは19週(5/8-14)以来、7カ月ぶりである。また増加率が18%というのは21年では最高の値である。

これで21年4期の陽性件数は4424万5123件となった。昨年同期に比べ0.9%少なく、今年3期のペースと比べ5%の低いが、比率の数字がどんどん小さくなってきた。このペースで行けば21年4期の陽性件数は、20年4期を確実に上回り、また、21年3期(5150万3868件)をも超える可能性もある。また、21年の総陽性件数は1億9447万4982件となった。このペースでいけば21年の陽性件数は最終的に2億件を超えると見込まれる。21国地域で51週の陽性件数が21年の最高記録を更新した。

A2. 死者数は陽性件数に反して減少している

21年51週の世界の死者数は4万8,346人であった。49週に比べ1.6%の減少となった。2週連続の減少である。これで21年4期の死者数は60万3485人となった。昨年同期に比べ19%の減少、前期と比べ19%の減少である。21年の死者数は、346万2522人となった。最終的には21年の死者数は350万人余りとなると予想される。韓国とトリニダードトバゴは51週の死者数が21年で最高を更新した。

A3. ブースターの割合が大きくなった。

21年51週の世界のワクチン接種回数は2億6964万8859回であった。50週に比べ0.8%の増加となった。これで21年4期は26億4885万2454回となった。前期と比べ23%の減少であるワクチンの総接種回数は89億4261万4376回に達した。接種率は57.1%、完了率は48%となった。ブースターも日本を始め15国で始まり、92国でブースターが実施されている。ブースター実施国における接種回数のうちのブースターの割合は37%になる。

B. オミクロン株の勢いが衰え始めた

B1. 陽性件数:ヨーロッパ西、アメリカ北で大幅増加、アフリカ南では減少

次のグラフは大陸別の4期の陽性件数の推移である。

地図ではアフリカ南は真っ赤であるが、51週は前週比で11%の大幅減少となった。南アフリカは6週間ぶり、ジンバブエは5週間ぶり、エスワティニは実質6週間ぶりに51週の陽性件数が先週を下回った。増加中の国で1週だけ減少となるのはよくみられることなので、まだ増加中に分類されているので地図上では赤のままである。しかし、増加率も下がっているので、ピークは過ぎ、52週も引き続き減少が見込まれる。また、陽性件数が増加となってから4~5週間経った、コンゴ民主、マラウィ、ナミビアなどでも増加率が下がっているので、来週は陽性件数が減少すると推測される。コンゴ民主、レユニオン、アンゴラ、レソト、ブルンジ、コモロでは21年最高の陽性件数となった。

一方アフリカ東と西ではそれぞれ43%、108%と大きく増やした。伸び率の特に高いところは、ケニア、エチオピア、ウガンダ、南スーダン、ソマリア、ガーナ、コートジボワール、トーゴ、カメルーン、コンゴ、カボベルデ、シエラレオネ、セネガル、ギニア、リベリア、ベナン、サントメプリンシペで、いわゆるサブサハラで赤道の北にある国々に集中している。中央アフリカとチャドの今週の陽性件数は0であるが、陽性件数の増加している国の広がり具合から、単に発表しなかったと推測され、実際は陽性件数が増加している可能性が高い。ケニア、エチオピア、ナイジェリアでは21年最高の陽性件数を記録した。

ヨーロッパ西の51週の陽性件数は237万件で、過去最悪をさらに更新した。先週比19%増である。長い間増加し続けていた、スペインとイタリアでは陽性件数の増加が連続で10週となって、地図上では茶色になった。ヨーロッパ西は南西部が全て茶色になった。増加率はフランスで10%台に落ちたが、イギリス、スペイン、イタリアでは48~58%と高い伸び率になっている。イギリス、フランス、スペイン、イタリアで21年では最高の陽性件数となった。

ヨーロッパ東は今週も18%の大幅減少となった。先週北マケドニア、コソボ、エストニア、ラトビアで増加となった。北マケドニアでは再び減少、コソボは増加ではあるが率は下がったが、エストニアとラトビアは引き続き増加傾向である。また、コソボと北マケドニアと国境を接するモンテネグロ、ギリシャでも陽性件数が増加した。

アメリカ北は陽性件数を先週より約50万件増やし、51週の陽性件数が149万件となった。1週間の陽性件数としては21年3週(1/16-22)以来の多さである。このペースでいけば来週は200万件を超えると思われる。当然のことながら、アメリカの51週の陽性件数が138万件で、アメリカ北の陽性件数の90%以上がアメリカで確認されている。52週はアメリカだけで200万件以上の陽性件数が確認される可能性もある。カナダでも前週比で130%増となった。メキシコ、ホンジュラスは地図上では陽性件数減少中の青になっているが、今週は陽性件数を増やした。カナダとグリーンランドで陽性件数が21年の最高となった。

カリブ海では、先週10週連続の増加が止まったばかりのトリニダード・トバゴで再び増加とな理、過去最高を更新した。51週まで21週連続で減少を続けていたキューバでも増加となった。他にも51週に陽性件数が増えたところが9国地域ある。またキュラソーなど2、3週連続で陽性件数が増えているところは、伸び率が跳ね上がった。これはアフリカなどにみられるオミクロン株の特徴である。

アメリカ南はアルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイ、で大きく陽性件数が増えた。またペルーも再び増加傾向となった。チリもブラジルも減少傾向ではあるが、今週は増加となった、アメリカ南全体では約40%の増加となったが、4期全体で見ればほぼ横ばいである。

アジア東では前週比12.5%減となった。長らく増加を続けてきたベトナムと韓国で陽性件数が減少となった。アジア中も11%の減少となった。全体的に減少中ではあるが、バングラデシュで増加中である。アジア西は3%の減少となった。トルコ、イラン、イラクでは長く減少が進んでいるが、イスラエルやレバノンなどの地中海沿岸、アラブ首長国連邦、サウジアラビアなどアラビア半島で陽性件数が増加が続いている。

オセアニアは陽性件数が先週比で125%増えた。オーストラリア、フィジー、仏領ポリネシで伸び率が100%を越えた。これはいかにもオミクロン株的な増え方である。

B2. 死者数:アメリカ北とアフリカ南、西で増加

次のグラフは大陸別の4期の死者数の推移である。

アフリカ南で死者数が前週比で123%増となった。増加率は世界で一番大きいが、死者数は737人で世界の1.5%ほどである。南アフリカでは死者数が倍増して446人になり、ジンバブエで64%増の92人の死者が出た。ザンビア、モザンビーク、ナミビア、モーリシャスでも10人以上死者数が出た。

アフリカ西も死者数が40%増えた。死者数は233人で世界の0.5%に過ぎない。チュニジアでは先週から倍増で66人の死者が出た。アルジェリアでも9%増え47人の死者が出た。モロッコ、チュニジア、ブルキナファソでは死者数が前週より10人以上増えた。

アフリカ東は前週比で5%の減少となった。51週の死者数は464人で世界の約1%を占める。今週は一部死者数の増えた国もあるが、全体的には減少中である。

ヨーロッパ東では、ポーランドではまだ死者数の増加が続いているが、ほとんどの国は減少傾向である。しかし51週の死者数は1万6798人で、世界の死者の約3分の1はヨーロッパ東に集中している。人口100万人あたりの1日平均の死者数は7.08人で、世界平均の8倍となっている。ポーランド、スルベニア、クロアチア、ハンガリー、ジョージアで人口100万人あたりの1日平均の死者数が10人以上となっている。

ヨーロッパ西でも10週間ぶりに死者数が減少となった。ドイツ、オランダ、スイス、オーストリアなどで10%以上、スペインやフランスでも減少となった。デンマークとフィンランドでは死者数が先週の2倍以上になった。

アメリカ北では死者数が14%増え、1万2272人となった。このうちアメリカが1万952人で、もちろん世界1であり、アメリカ北の死者数の90%近くを占める。エルサルバドルとニカラグアで死者数が増えた以外は減少となった。

カリブ海でも死者が4%増え、271人となった。人口100万人あたりの1日平均の死者数は0.94人で、世界平均よりも大きい。トリニダードトバゴの死者数は191人で21年最高を更新した。人口100万人あたりでは19.4人となり、世界で最も大きい。

アメリカ南では、パラグアイで150%の増加、ボリビア、ウルグアイ、ガイアな。スリナムでも増加になったが、アルゼンチンが今週は減少し、全体では8%の減少となった。

アジア東はでは5%の減少となった。韓国はまだ増加が続いており、今週はマレーシアでも大幅増が見られるが、他の国は減少傾向である。

今週はインドで死者数が増えたので、アジア中でも死者数が増やした。ミャンマーとバングラデシでも死者数が数人増えたが、全体的に減少した。インドの増加は報告の遅れの可能性が高いので、来週はまた減少に転じる可能性が高い、

アジア西のではヨルダンとレバノン以外で死者数は減少中で、全体でも8%減である。

オセアニアでは先週死者数のあったニュージーランドとパプアニューギニアで死者数が0になった。なので、今週はオーストラリアでのみ死者が出ている。オーストラリアでの死者数は4%減の48人、人口100万人あたりに換算すると0.26人にとどまる。

B3. オミクロン株の感染力は6週間ほどで収まる


アフリカ南では、オミクロン株の発祥の地と言われる南アフリカとそれに隣接するエスワティニ、ジンバブエで陽性件数が減少となった。同じく隣接する、ナミビア、ボツワナ、モザンビーク、レソトでは増加が続いている。南アフリカ、エスワティニ、ジンバブエではでは陽性件数が増加し始めてから5~6週間経った。一方、ナミビア、ボツワナ、モザンビーク、レソト3~4週間しか経っていない。また、3~4週間目は南アフリカ、エスワティニ、ジンバブエでは増加率が最大であった。南アフリカと国境を接していなくても、陽性件数増加から6週間経ったコンゴ民主でも陽性件数が減少となったが、4、5週間のケニアやナイジェリアでは陽性件数の増加が続いている。

このことから、オミクロン株による陽性件数の増加は3~4週目で増加率が最も高くなり、5~6週で増加率が急激に落ち、減少となる可能性がある。

また死者数は、陽性件数の増加が始まってから2~3週間後、増加率が最大となる頃にようやく増え始める。陽性件数の最大の増加率が800~1300%となったが、死者数の最大増加率はせいぜい200%と増加率が小さい。死者数の伸び率が700%などというところもあるが、死者数自体はせいぜい十数人と陽性件数が数千になるのに比べれば遥かに小さい。従って、オミクロン株の致死力がそれほど強うくないのではないかと考えられる。

この傾向からすると、モンテネグロ、ギリシャ、オーストラリア、カリブ海、アメリカ南で起こっている陽性件数増加はオミクロン株の可能性が高い。

下の図はヨーロッパの主要国の感染図である。

アメリカやヨーロッパなどでは元々の陽性件数が多かったので伸び率は100%以下であるが、感染図を見れば、イギリス、フランス、スペイン、イタリア、ポルトガル、アメリカ、カナダでは12月3日以降、グラフの傾きがほぼ垂直になっているのがわかる。

すでに感染がおさまりつつある、ドイツ、オランダ、ベルギー、オーストリアでは、11月中頃からにグラフの傾きが垂直になっている。垂直になってからピークになるまでに大体6週間くらいかかっている。このことからもオミクロン株のピークは陽性件数が増え出してから6週間程度であると推測される。

またこれらの国々では陽性件数の多さに比べて、死者数がとても少ない。これは致死率が小さいことを意味する。ヨーロッパ西の国々は元々致死率が低く、陽性件数と死者数のグラフの間のギャップが大きいが、10月以降ははそのギャップがさらに広がっている。したがって、オミクロン株の致死率はさらに低いと考えられる。

A5. 流行地域でワクチン接種が増える

次のグラフは大陸別の4期のワクチン接種回数の推移である。

陽性件数の増えているアフリカ南では51週よりも6%増えた。ザンビア、モザンビーク、マラウィ、ナミビア、ルワンダでは前週比で30から70%増えたが、ジンバブエ、ボツワナ、エスワティニ、コンゴ民主では30%以上減少した。

同様にアフリカ西でも51週より45%接種回数が増えた。ガーナ、ブルキナファソ、ギニアで300から700%n大幅増となった。一方で、コートジボワールなど9国で接種が行われたという報告がなかった。赤道ギニアやギニアビサウでも接種回数が60%以上減少した。

アフリカ東では接種回数が25%減少した。接種が行われたとの報告があったのがケニア、エチオピア、エジプト、ウガンダ、ソマリアのみであった。おそらく他の国では接種をしなかったというわけではなく、単に報告をしていないだけと思われるので、実際の接種回数は50週よりは増えるのではないかと思われる。

ヨーロッパ東では2%の増加となった。スロバキアとモンテネグロで1000%以上接種回数を増加させたが、両国では過去の値を修正させていた。修正後の値はまだ入力していないが、おそらく、50週の接種回数が増え、51週の摂取回数が増えるので、増加率は小さくなる。あるいは減少になるかもしれない。

ヨーロッパ西では摂取回数が先週から6.5%減少した。ドイツ、オーストリア、フランス、スペインなどで接種回数が減ったが、イギリス、オランダ、ベルギーなどで接種回数が増えた。

アメリカ北ではアメリカが先週に引き続き接種回数を26%減らしたのが、カナダとメキシコで大幅に接種回数を増やし、全体では9%の増加となった。特にメキシコは51志位の接種回数が800万回を超え、アメリカとほぼ同じくらいとなった。

カリブ海では48%接種回数が増えたがほとんどがキューバで増えた分である。半分以上の17国地域で接種回数が減少したか0のままである。

アメリカ南ではガイアナを除いて全ての国で接種回数が減少した。全体でも43%の減少となった。

アジア東では51週の接種回数が10%増えた。中国が1400万回以上接種回数を増やしただけでなく、ベトナムの400万回以上増やした。日本も12週間ぶりに接種回数が増えた。しかし、インドネシアとフィリピンでは300万回ほど減らした。

アジア中も51週の接種回数を13%減少させた。インドで1400万回近く減少させたが、パキスタンでは400万回以上増やした。バングラデシュでは先週は500万回の接種を行なったが、今週は0になった。一方、ネパールとミャンマーでは先週接種回数が0だったのは今週は両国とも300万回前後の接種をしている。

アジア西では接種回数が倍増となった。減少したのはキプロス、ヨルダン、カタールの3国だけであるが、減少率は小さい。アラビア半島の陽性件数が急上昇したことが原因であると思われる。

オセアニアではほぼ全面的に接種回数が減少した。全体でも5%減少した。

C. 2021年の陽性件数を振り返って


12月は2021年の新型コロナの感染状況を、20年と比較しながら振り返ってみるの3回目で、

今回は今年の陽性件数の変化を振り返る。21年12月24日時点のデータで、さまざまな統計を計算した。あと1週間分残っているが、計画した時点では、あと1週間分を加えても、数字が少し変わるだけで順位などの変動はあまりないと踏んではいた。しかし、オミクロン株の勢いは凄まじく、21国地域で、51週の陽性件数が過去最高を記録するなど、ここ3週間で、順位が大きく変わってしまった。そこで、今回はオミクロン株に影響されても大丈夫な指標を紹介する。

C1. 21年の陽性件数カーブ

次のグラフは世界の21年の陽性件数(青の折れ線グラフ)と死者数(緑の棒グラフ)の時系列グラフである。

先週も説明したように、21年の陽性件数が、3週目、16週目、34週目、そして51週目とピークが四回あった。今までの最高は16週目の572万2495件であった。51週目はすでに536万件を超えた。12月からの増加ペースを考えれば、21年最終週は確実に21年の最高値を更新することは間違いない。グラフの傾きが急なので、オミクロン株が世界的なものであることが言える。

C2. 21年のピークの数

ピークとは数学的に言えば陽性件数のグラフの極大値である、つまり山の頂になっている所である。ただし、近傍は前後5週間とした。例えば、16週目が極大値であっても、12週目にその極大値よりも大きな値があれば、16週目の値をピークとしてはカウントしない。また極大値が10未満もピークとして数えていない。(註:世界の52週の陽性件数は91万件と最高値を更新した。したがって、51週目はピークではなくなった。また各国地域でも51週目がピークで無くなったり、新たな21年のピークが出たところもある。)

次の表は世界各国の21年12月24日の陽性件数などの統計を陽性件数の順にならべたものである。

1位〜20位
21位〜40位
41位〜60位
61位〜80位
81位〜100位
101位〜120位
121位〜140位
141位〜160位
161位〜180位
181位〜200位
201位〜220位
221位〜

順位でzとなっているのは20年は陽性件数が0でなかったが21年は陽性件数が0のところである。zz はクルーズ船である。zzz は陽性件数が完全に0の国地域である。ワクチン種類の列でセルが赤に塗られている所は中国製ワクチンを、青に塗られている所はロシア製ワクチンと、赤と青に塗られている所はその両方を摂取している。


陽性数の最も多い週は21年の週の番号で表している。1は 1/1-8 の週、2は 1/9-15 の週、…、となっている。陽性数の最も多い週が0になっているところは、21年の各週の陽性件数が20年の最終週(12/25-31)の陽性件数よりも低くなっている国で、エジプトだけが該当する。エジプトは21年に三回のピークがあるが、いずれも20年最終週の陽性件数よりも低い。しかし21年の陽性件数は20年の1.72倍となっている。また、n.a は21年に陽性件数が0であったことを意味する。

アジア東では、陽性数の最も多い週が23週から43週(6月から10月)であるところが多いが、アジア中では、18週から34週(5月から8月)と東よりも少し早い。11週から26週(3月から6月)とさらに早い。ヨーロッパ東は33週以降に、西は43週以降に、陽性件数最大の週を迎えるところが多いが、実はほとんどの国で10週目までにも最大ではないかピークがあった。ピークがまるでヨーロッパから、ユーラシア大陸を横断していったとも考えられる。

C3. 21年アメリカの感染状況

21年で陽性件数の最も多かったのはアメリカで、3212万2268件であった。アメリカの人口が約3億3000万人なので、10人に一人が感染した感情になる。実際には陰性の感染者がいるので、少なく見積もって、のべ5000万人ほどの感染者がいたと考えられる。人口100万人あたりの平均の1日の陽性件数は269.7件で世界平均の69.7件の約4倍である。また20年の陽性件数に比べて1.54倍となっている。

アメリカで1週間の陽性件数が最も多かったのが21年1週めで、1/1-8 の間に173万4060件の陽性件数が確認された。この週の人口100万人あたりの平均の1日の陽性件数は742.4件で21年平均の2.5倍の陽性件数があった。このピークは世界同様20年12月から始まる感染増加のピークである。

アメリカは21年に3回のピークがあった。この表には出ていないが、1週目、35週目、51週目である。1週目のピークは20年末から続く感染の波のピーク、35週目(8/28-9/3)のピークは1週目の約3分の2の高さで、規制緩和による反動が原因で、51週目はオミクロン株である。

21年52週の陽性件数の暫定値は270万件で過去最高となった。アメリカではオミクロン株の比率が高いらしいので、それが正しいとすれば、アメリカの増加もおそらくあと3週ほどでピークを迎えるものと考えられる。他の株、例えばデルタ株、が混ざっていれば、もうちょっとかかるだろう


22年になったので、次回は52週の分も含めたものを報告する予定である。







人口、陽性件数、死者数はWorldometer のものを、ワクチン接種回数などは Github のデータを利用している。Worldometer や Github で扱っていない国地域の統計は Google のデータを用いる。北キプロスの陽性件数と死者数は、政府の発表するデータを用いる(https://saglik.gov.ct.tr/COVID-19-GENEL-DURUM)。面積、GDP、地図、その他の情報はウィキペディアと外務省(https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/index.html)を利用している。それ以外のもの、例えばニュース、に関しては出典を本文に記す。数値はアメリカ中部時間の12月27日22時時点で得られた最新の値を利用している。日以降に修正あるいは追加する国地域もあるが、その分は含めない。従って、他の新型コロナ統計サイトの数値とは異なることもある。毎月初のレポートではこの修正されたデータを跳ねいさせている。したがって、過去のものとは異なったものとなる場合もある。テーマ地図は mapchart.net のサービスを利用して作成している。

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