2021年の新型コロナ統計  5/21

はじめに

5月21日の2021年の新型コロナ国別ランキングである。新型コロナ関連サイトでは累計感染者数も死者数も一律に発生当初からの累計数を表示している。2020年は結構な数の感染者数を記録したが、2021年はあまり感染者を出していない国と、逆に2020年はあまり感染者をだしていないが、2021年は結構な数の感染者を出した国とでは、例え、累計感染数が同じであったとしても、現在の感染状況は全く異なる。そこで、2021年5月21日までの新型コロナに関する様々な指標を、感染数や死者数は Worldometer のデータを、ワクチン接種数は Github のデータをもとに計算し、2021年の累計感染数でランキングにした。また、毎週の新規感染数や死者数は独立に第10位までランキングを作った。

5月21日までの2021年累計感染数数上位60国

先週は累計感染数、週間新規感染数、累計死者数、週間死者数において、昨年同期に比べ何%増えたがあるいは減ったかを記したが、今週は2021年に入ってからの累計感染数と死者数が、それぞれ、2020年の累計感染数と死者数の何%にあたるかを記すことにする。5列目の累計感染数昨年比と10列目の累計死者数昨年比がそれである。この数字が100%を超えた国地域は、感染数、死者数あるいは両方で昨年を上回っていることになる。WHOのテドロス事務局長が、世界の感染者数が昨年一年分を上回ったと発言した(https://www.yomiuri.co.jp/world/20210524-OYT1T50187/)ので、それを確かめてみようと思ったからである。結果を言うと、世界全体では、5月21日の時点で昨年の感染数の97.3%で、まだ昨年の感染数はギリギリ超えていなかった。テドロス氏の発言は24日のものなので、3日間で3%増えた可能性は十分に考えられる。

またテドロス氏は世界のワクチンの75%は上位10ヵ国で摂取していると批判していたが、実は中国が世界のワクチン接種の30%を占めていることには全く触れていない。中国以外の上位9カ国では46%に過ぎない。またこのワクチン接種上位9カ国で2021年の感染者の65%を占める。決して少ないとはいえない。ワクチンの接種状況については後ほど述べることにする。

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世界の半分以上の国地域で昨年の感染数を上回った。

結果は116の国地域で昨年よりも感染数が上回った。少なくとも一件の感染が認められた国地域は220あるので約半分である。このうち、日本を含めた50の国地域が200%以上、つまり、感染数がすでに昨年1年間の2倍以上になった。1000%以上となった国には、ウルグアイ、セントルシア、セントビンセント及びグレナディーン諸島、タイ、パプアニューギニア、セーシェル、モンゴル、ラオス、カンボジア、ウォリスフトゥナ、東ティモールの12の国と地域である。昨年の感染数が0ならば、割合は∞になるがそのような国地域はミクロネシア連邦(感染数=1)とイギリス領セントヘレナ(感染数=2)の2つある。∞を除いた最大は11955.9%の東ティモールである。昨年の感染数は僅かに24件であったが、今年は5243件ある。一般に、比率が高い国は感染数が少ない国が多い。200%以上の50ヵ国で感染数が100万を超えるところはなく、10万を超えるのは僅かに7ヵ国だけである。しかし、アジア太平洋地域の数が多い(14ヵ国中8ヵ国)ところが気にかかる。

死者数は世界全体では昨年の88.5%である。今年に入って平均して毎週5%づつ上がっていくので、3週間後の6月だ第2週には昨年の死者数を超えるものと思われる。今年の死者数が昨年よりも多くなった国は114ヵ国ある。200%越えは50ヵ国ある。1000%超えはタイ、ジブラルタル、コモロ、セトルシア、パプアニューギニア、ボツワナ、ウルグアイ、モンゴルの8ヵ国ある。∞は、フェロー諸島、グレナダ、ブータン、バヌアツ、セントビンセント及びグレナディーン諸島、セーシェル、ラオス、カンボジア、ウォリスフトゥナ、東ティモールの10ヵ国ある。ウルグアイを除けば死者数は3桁台以下で、率が高ければ死者数は少ない。最大はモンゴルの23,900%(239倍)である。239倍とは言っても昨年の死者数は僅かに1である。

フランスの今週の新規感染数はマイナス

先週アメリカを抜いて、2021年の世界一の感染国となった、インドは、今週も200万近い新規感染数を出した。昨年の感染数の155%で、すでに昨年の1.5倍以上になっている。先週より57万ほど減らしたが、相変わらず世界一の週間新規感染者数であり、今週も世界の感染数の半分以上はインドである。死者数も5月15日から21日の1週間だけで、3万近くあり、世界の死者の3分の1はインドである。11週連続で週間死者数が増加している。今週のワクチン接種数は約824万回で先週に比べると40%も減らしている。

2021感染数2位のアメリカは長く守ってきた死者数第1位の座を、とうとうブラジルに明け渡した。先週感染数をインドに明け渡したのについで、死者数でも世界1位ではなくなった。しかし、今年の感染数および死者数はそれぞれ昨年の64.2%、69.3%で昨年よりかなり減らしてはいるが、今週も20万近い新規感染と、4000人以上の死者数があり、まだまだ感染がおさまったとは言い難い。ワクチン接種数は先週から50万回減らしたが、今週も1,300万回実施した。単純な接種率は85%以上である。接種が可能な者は少なくとも一回は接種を受けたのではないだろうか。接種完了者も40%近い。

2021感染数3位のブラジルは今週45万以上の新規感染があった。先週より、2万以上増やしている。死者数も25万人を超え、とうとうアメリカを抜いて世界一になった。今年の感染数と死者数は、それぞれ昨年の107.5%、128.5%とすでに昨年を上回っている。ブラジルのボルソナル大統領が、新型コロナを中国の責任としたと考えられるような発言をした(https://www.yomiuri.co.jp/world/20210508-OYT1T50232/)らしいが、昨年新型コロナが流行したときも、ボルソナル大統領がロックダウンなどの感染拡大防止対策何も行わなかったのは周知の事実である。中国もウイルスを世界にばら蒔いた責任はあるが、ブラジルで感染爆発が起こったのは、ボルソナル大統領の責任の方が大きい。今週のワクチン接種数は444万回であるが先週より15%近く減らしている。

先週第5位だったトルコがフランスをかわして第4位に上がった。上位20カ国で順位変動があったのは他に、9位になったアルゼンチン、12位になったイランがある。アジアと南米で感染数が増加していることがわかる。トルコの今週の新規感染数は7万5千弱で先週より2万以上減らしている。これで5週連続の減少である。今週の死者数も3週連続で減少している。トルコの今週のワクチン接種数は200万回以上で、先週より130万回増えた。累計の接種数は2,770万回で第9位である。接種率も30%以上である。

先週第4位だったフランスは、今週の新規感染数がマイナス26万という信じられない数を記録して4位になった。感染者の状況を見直したら、実は重複や感染者でないものが混じっていたらしく、それを修正したら感染者総数が先週よりも減少したのである。また、過去の数字もほとんどが修正されている。フランスは昨年6月3日にも同じように感染総数を30万人以上減らし、同じように過去の数字も変えている。修正後のフランスの感染数は昨年の111.4%とすでに昨年の感染数を上回っている。今週の死者数は千人あまりで先週より308人減らした。4週連続の減少である。先週のワクチン接種数は370万回だが、先週より20万回近く減らしている。累計の接種数は3,200万回で第7位である。接種率は50%近い。


先週10位だったアルゼンチンは、今週の新規感染数は21万以上で、先週より50%増加した。そのため、ロシアを抜いて9位になった。2021年累計感染数でドイツとの差も少なく来週にはドイツを抜く可能性がある。また、イギリスも新規感染数が激減しているため、イギリスまで抜いて、一気に7位になる可能性もある。今週の死者数は3,583で、インド、ブラジル、アメリカに次いで4位である。先週よりも500人以上増やしている。累計死者数では13位であるが、現在12位のウクライナとの差も少なく、来週にはこちらもランクアップする可能性が高い。ワクチン接種数は世界20位である。今週の接種数は約105万回で先週よりも17万回増やした。今週のワクチン接種が先週より増えたのに今週の新規感染数が先週より増えたのは、上位60カ国ではロシア、アルゼンチン、南アフリカ、ヨルダン、ポルトガル、マレーシア、ウルグアイ、チュニジア、クウェートだけである。


B. 感染数昨年比上位10ヵ国


1。ミクロネシア(217位)∞ 1 0.00%
2。セントヘレナ(216位)∞ 2 116.38%
3。東ティモール(147位) 11,915.9% 5,243 3.57%
4。ウォリスとフトゥナ(196位) 11,025.0% 441 73.89%
5。カンボジア(108位) 6,647.8% 23,799 21.71%
6。ラオス(176位) 4,200.0% 1,722 7.65%
7。モンゴル(95位) 4,100.6% 50,027 76.88%
8。セーシェル(131位) 3,450.5% 9,489 133.65%
9。パプアニューギニア(122位) 1,811.5% 14,130 0.13%

10。タイ(64位) 1,618.1% 115,930


50。日本(28位)200.4% 469,746

( )は2021年累計感染数の順位。数字は感染数昨年比、2021年の感染数、ワクチン接種率である。

昨年の感染数が0で今年が0でない倍位はこの日の値は∞になる。そういうところが、ミクロネシア連邦とイギリス領セントヘレナの二つある。それらを除くと一番大きいところが東ティモールであった。昨年はわずかに24人の感染者しか出していなかったが、今年はすでに5,243人になる。上位に来る国はいずれも感染数が少なく、最大でもタイの115,930である。ただしアジア太平洋諸国が10ヵ国中7ヵ国と多い。感染数上位60ヵ国の中での最大はマレーシアの333.4%である。また、小国が多いので、接種率は意外と高い。しかし、感染数が増えているのでワクチンがあまり効いていないことの証明になる。


C. 5月15日から21日の新規感染数上位10ヶ国。

1。インド(1位) 1,912,826、-572,806、2週連続減少中
2。ブラジル(3位) 454,843、+20,890、2週連続増加中
3。アルゼンチン(9位) 213,046、+61,714、 2週連続増加中、↑
4。アメリカ(2位) 198,385、-46802、4週連続減少中、 ↓

5。コロンビア(14位) +107,590、-8,244
6。イラン(12位) 83,730、-21,328、5週連続減少中
7。トルコ(4位) 146.457、-92,273、5週連続減少中、↑
8。 ロシア(10位) 60,944、+1,557、2週連続増加中、 ↑↑↑
9。ドイツ(8位) 60,709、-21,170 、4週連続減少中
10。ネパール(43位)57,394、-4,661、9週連続増加でストップ

14。日本(28位)38,612、-5,941

( )内は2021年累計感染数順位、新規感染数、+ーは先週からの増減、矢印一つで1個のランク変化

先週7位のフランスが、謎の累計感染数減少をしたために、ランク外に、その結果、トルコの順位が一つ上がった。全体的に感染数が減っている中、ブラジル、アルゼンチン、コロンビアの南米勢とロシアが新規感染数を先週から増加させている。


D1. 今週の新規感染数が前週よりも減った国

1。インド(1位) −572,806、2週連続減少中
2。フランス(5位) −367,743、累計感染数修正
3。アメリカ(2位) −46,802、4週連続減少中
4。トルコ(4位) −22,740、5週連続減少中
5。イラン(12位) −21,328、5週連続減少中
6。ドイツ(8位) −21,170、4週連続減少中
7。イタリア(6位) −17,221、9週連続減少中
8。オランダ(20位)−12,846、4週連続減少中
9。カナダ(21位) −11,520、5週連続減少中
10。ポーランド(13位) −10,572、7週連続減少中
14。日本(28位) −5,941

( )内は2021年累計感染数順位
インドを以外は全て欧米である。こちらはワクチンの賜物か。

D2. 今週の新規感染数が前週よりも増えた国

1。アルゼンチン(9位) +61,714、2週連続増加中
2。ブラジル(5位) +20,890、2週連続増加中
3。タイ(64位) +9,821、2週連続増加中
4。ペルー(19位) +8,399
5。マレーシア(35位) +6,840、7週連続増加中
6。チリ(22位) +4,659、2週連続増加中
7。ウルグアイ(42位) +4,274、2週連続増加中
8。南アフリカ(26位)+3,875、3週連続増加中
9。バーレーン(62位) +3,606、4週連続増加中
10。スリランカ(65位) +3,501、6週連続増加中

( )内は2021年累計感染数順位
アジアと南米ばかりである。そして、アジアは長期間上昇し続けている。インドとネパールがやっと減少に転じたが、それ以前はインドは12週、ネパールで9週連続で上昇していた。あと、南アフリカ。

E. 5月14日までの2021年累計死者数上位10ヶ国。

1。ブラジル(3位) 251,086、128.5%、↑
2。アメリカ(2位) 246,963、69.3%、↓
3。インド(1位) 146,303、98.1%
4。メキシコ(17位) 95,273、75.7%
5。ロシア(10位) 60,184、104.6%
6。イギリス(7位) 53,585、72.3%
7。ドイツ(11位) 53,464、155.5%
8。イタリア(6位) 50,407、67.6%
9。ポーランド(13位) 43,735、151.0%、↑
10。フランス(5位) 42,672、 64.4%、↓

30。日本(29位) 8,586、248.2%

( )内は2021年累計感染数順位、死者数、昨年比

ブラジルとアメリカ、ポーランドとフランスの順位が入れ替わった。ヨーロッパでは昨年比で60%第が多いが、ドイツは155%を超えている。


F. 5月8日から14日の死者数上位10ヶ国。

1。インド(3位) 29,279、+1,315、11週連続増加中
2。ブラジル(1位) 13,742、+350、2週連続減少でストップ
3。アメリカ(2位) 4,094、-309、4週連続減少中
4。アルゼンチン(13位)3,538、+557、↑
5。コロンビア(11位) 3,469、+86、↓
6。ロシア(5位) 2,623、129
7。ペルー(14位) 1,797、456、3週連続減少でストップ、 ↑↑↑
8。イラン(19位) 1,761、-431、3週連続減少中
9。トルコ(18位)1,539、-297、3週連続減少中、↓
10。ウクライナ(12位)1,481、−309、↑
19。日本(30位)791、+125、6週連続増加中、 ↑


( )内は累計死者数順位、+ーは先週からの増減

アルゼンチンとコロンビアの順位が入れ替わった。、また、ペルーが3位もランクアップした。8位ポーランドが10位以下に下がった。代わりにウクライナがランクイン。南米は感染数も増えているが、死者数も増えている。インドは感染数は2週連続で減ったものの、それ以前は10週以上増加していたので、その名残で死者数が増加していると考えられる。死者数の増減は感染数の増減の2〜4週後を追うので、ライすうか再来週には減少に転じると思われる。


G1. 今週の死者数が前週よりも減った国

1。メキシコ(4位) −549
2。ポーランド(9位) −486、5週連続減少中
3。イラン(19位) −431、3週連続減少中
4。イタリア(8位) −431、6週連続減少中
5。アメリカ(2位) −309、4週連続減少中
5。ウクライナ(12位) −309
7。フランス(10位) −308、4週連続減少中
8。トルコ(18位) −297、3週連続減少中
9。スペイン(15位) −266、3週連続減少中
10。ハンガリー(20位) −252、5週連続減少中

( )内は2021年累計死者数順位


G1. 今週の死者数が前週よりも増えた国

1。インド(3位) +1,315、11週連続増加中
2。アルゼンチン(13位) +557
3。ペルー(14位) +456
4。ブラジル(1位) +350
5。ネパール(49位) +265、6週連続増加中
6。南アフリカ(16位) +158、3週連続増加中
7。エクアドル(35位) +140、2週連続減少中
8。マレーシア(65位) +137、4週連続減少中
9。ロシア(5位) +129、
10。日本(30位) +125、6週連続減少中

( )内は2021年累計死者数順位


死者数が減っているのはヨーロッパと北米、増えているのはアジアと南米。

H. ワクチン接種数は。16億を超えた。

先週は世界各国で2億回近い接種が行われ、累計では16億を超えた。たん順位計算して、世界の5分の1が接種を受けたことになる。ワクチン完了数も5%ほどになった。

今回新たにワクチン接種を始めた国の報告はなかったが、8ヵ国でワクチンの追加が報告された。特にカザフスタンで初めてキュアバックのワクチンが接種された。これで実際に接種されたワクチンは11種類になる。6ヵ国で中国製ワクチンが接種された。

これで、ワクチン接種が始まっていない国地域は先週と同じ27カ国地域である。このうち8地域はフランスの海外領土である。また、北朝鮮など10カ国は2021年の感染報告がない。


H1. 5月21日のワクチン総接種数上位10ヶ国


1。中国(152位) 438,343,000、 33.58%、0.00%、シノファーム、シノバック(12/15)
2。アメリカ(2位) 281,595,351、84.63%、38.40%、ファイザー(12/15)、モデルナ(12/23)、ジョンソン(3/5)
3。インド(1位) 187,866,885、 13.50%、2.96%、コバクシン、アストラゼネカ(1/15)
4。イギリス(7位) 59,788,421、 87.68%、32.36%、ファイザー(12/23)、アストラゼネカ(1/10)、モデルナ(4/7)
5。ブラジル(3位) 56,537,579、 26.43%、8.51%、シノバック(1/16)、アストラゼネカ(1/23)
6。ドイツ(8位) 44,385,214、 52.83%、13.50%、ファイザー(12/27)、モデルナ(1/12)、アストラゼネカ(2/8)、
7。フランス(5位) 32,199,783、 49.23%、15.00% 、ファイザー(12/27)、モデルナ(1/13)、アストラゼネカ(2/6)、ジョンソン(4/23)
8。イタリア(6位) 30,003,379、49.69%、15.27% 、ファイザー(12/27)、モデルナ(1/14)、アストラゼネカ(2/8)、ジョンソン(4/22)
9。トルコ(4位) 27,745,400、 32.59%、13.95%、シノバック(1/13)、ファイザー(3/25)
10。メキシコ(17位)26,148,848、20.09%、9.01%、↑、ファイザー(12/24)、アストラゼネカ(2/15)、スプートニク(2/25)、シノバック(4/4)、カンシノ(4/15)


24。日本(29位)7,990,398、6.33%、1.95%  ↑↑↑、ファイザー(2/17)

()内は2021年累計感染数順位。接種数、接種率、完了率、接種ワクチンとその開始日。


ロシアが順位を一つ下げた。入れ替わりにメキシコが10位に上がった。
日本も接種数では24位へと3らアンクアップしたが、接種率、完了率ともに少ない。


H2. 5月15日から21日のワクチン接種数上位10ヶ国

1。中国(1位) 102,710,000、 +30,303,000
2。アメリカ(2位) 13,156,685、−502,648、↑
3。インド(3位) 8,240,472、 −6,215,941、↓ 
4。ドイツ(6位) 4,970,872、 −34,630、↑
5。ブラジル(5位) 4,444,337、 −773,445、↓ 
6。イギリス(4位) 3,779,433、−405,1941、
7。メキシコ(10位) 3,735,663、+1,863,208、 ↑↑↑ ↑↑↑ 
8。フランス(7位) 3,905,604、 −173,629、↓
9。イタリア(8位)  3,338,800、 +152,055、↓
10。カナダ(14位) 2,379,139、+444,154
11。日本(24位) 2,396,962、+1,000,989、 ↑↑↑↑

()内はワクチン接種数順位。+ーは前週からの増減

アメリカとインド、ドイツとブラジルの順位が入れ替わった。またメキシコは今週中国に次ぐ世界第2位の接種を行なって、一気に6位も上昇した。累計ワクチン数でもベスト10になった。イタリアは先週より接種数をふたしたが、順位は下げた。日本は先週よりも100万回以上多く接種して、今週の接種数は11位まで上げた。スペインは9位から12位に落ちた。


H3. 5月21日のワクチン接種率上位10ヶ国

ワクチン接種率はワクチン接種数をその国の人口で割ったもので、どのくらいの割合でワクチンが行き渡っているかの目安になる。2回摂取が必要なワクチンを接種している場合、その国の国民全員にワクチンを摂取すれば、接種数は人国の2倍、つまり、接種率は200%になる。ワクチンを多く接種する国よりも人口の低いところの方が率は高くなる。人口の情報は Worldometer のものを用いた。5月14日のワクチン接種率の世界平均は18.19%である。

1。ジブラルタル(167位) 225.52%、 75,961、ファイザー(1/10)
2。セーシェル(130位) 133.65%、 132,161、シノファーム(1/9)、アストラゼネカ(1/26)
3。サンマリノ(163位) 123.75%、42,066、 ↑↑↑、スプートニク(2/27)、ファイザー(3/1)
4。フォークランド諸島(204位) 123.48%、4407、↓、アストラゼネカ(2/7)
5。アラブ首長国連邦(38位) 116.38%、 12,034,349、↓、ファイザー+シノファーム(1/5)、アストラゼネカ+スプートニク(2/8)
6。セントヘレナ(214位)、116.38%、7,091、 17位アップ、アストラゼネカ(2/4)
7。ケイマン諸島(196位) 111.04%、 73,721、ファイザー(12/26)
8。イスラエル(33位) 114.56%、 10,507,702、 ↓↓↓、ファイザー(12/19)、モデルナ(1/7)
9。バミューダ(172位)  103.09%、 63,994、↓、ファイザー(1/10)
10。マルタ(115位) 93.69%、 414,632、↓、モデルナ、ファイザー、アストラゼネカ(1/17)
133。日本(28位) 6.33%、7,990,398、 ファイザー(2/17)


( )内の順位は2021年の累計感染数順位、摂取率、接種数、接種ワクチンとその開始日

フォークランドは接種数が変わらないものの人口が増えたので、接種率が下がった。セントヘレナは5月23日に3週間ぶりに報告があり、接種率が100%を超えた。イスラエルが3ランク下がった。マン島が接種数を増やしたが、率では11位に落ちた。

接種率の上位は人口の低い国が占める。従って感染数の少ない国ばかりである。この中で感染数も多い国はアラブ首長国連邦とイスラエルの二つである。上位60ヵ国ではチリが98%、アメリカ、イギリス、ハンガリーが80%以上と高い。また、中東地域とイギリスの海外領土で接種率が70%以上のところが多い。

また、Worldometer でも Github でもアメリカの海外領土はアメリカの統計に含まれるが、イギリス、フランスなどアメリカ以外では自国の統計には含まれないので、海外領土を除いた独立国だけの接種率の上位10カ国は次のようになる。

1。セーシェル(130位) 133.65%、 132,161、
2。サンマリノ(163位) 123.75%、42,066、 ↑↑
3。アラブ首長国連邦(38位) 116.38%、 12,034,349、↓
4。イスラエル(33位) 114.56%、 10,507,702、↓
5。マルタ(115位)  93.69%、 414,632、
6。チリ(22位) 89.67%、17,271,838、ファイザー(12/24)、シノバック(2/2)
7。バーレーン(62位) 88.12%、1,545,157、ファイザー、シノファーム(12/23)、スプートニク(2/25)、アストラゼネカ(2/27)
8。イギリス(7位) 87.68%、59,798,421、ファイザー(12/23)、アストラゼネカ(1/10)、モデルナ(4/7)
9。アメリカ(2位) 84.63%、281,595,351、↑、ファイザー(12/15)、モデルナ(12/23)、ジョンソン(3/5)
10。モルジブ(97位)83.06%、455,940、↓、アストラゼネカ(2/2)


日本の感染状況はさらに悪化したが。


日本は5月15日から21日の間に38,612の新規感染が確認され、2021年累計が先週の29位から28位へと上昇した。今週は先週よりも5941感染数が減った。先週「実質10週連続増加である」と書いたが、おそらく増加傾向はこれでストップすると思われる。人口100万人あたりの1日平均の新規感染数は43.7で少し減少した。G20の中では45カ国中38位と5ランク下がった。

5月8日から14日の間に791人の死者があり、2021年累計死者数は8,586人となった。順位は30位のまま変わらないが、先週より125人増え、6週連続で増加している。人口100万人あたりの1日平均の死者数は0.9人で少し上がった。

5月8日から14日の間に2,396,962回のワクチン接種をした。世界第11位の規模である。前週に比べ100万回以上増えた。総接種数では7,990,398回で第24位と上昇した。しかし、接種率は20位も順位を上げ133位となったが、6.33%と低く、G20の45ヵ国中44位である。

ワクチンは感染リスクの高い国に優先的に回した方が効率が良いのではないか。

冒頭でも書いた通り、テドロス氏は世界のワクチンの75%は上位10ヵ国で摂取していると批判していた。1位中国から10位メキシコまでのワクチン接種数は12億回を超える。世界では16億回強なので、75.8%のワクチンがこの上位10ヵ国で接種されたになる。ワクチン接種最大の中国は4億回を超える。世界の約30%のワクチンが中国で接種されたことになる。なので、世界のワクチンの47.6%が残りの上位9ヵ国で接種されたことになる。

中国を除くワクチン接種上位9ヵ国の2021年累計感染数は、5000万人を超える。今週の新規感染数がはっきりしないフランスを除いた8ヵ国では2,764,202の新規感染があった。これは今週の新規感染数、3,942,649の70%を占める。ヨーロッパでは感染数が減っているものの、アジアや南米では感染拡大が続いており、感染機会も増えている。これらの国々のワクチンの必要性は非常に高いと考えられる。従って、上位9ヵ国でワクチン接種が多いという現象は間違っているわけではない。イギリスやアメリカなど、摂取率の高い国では接種数も減らしており、その分をよその国に回していると言える。

感染数の少ない国にワクチンはいらないと言っているわけではない。セーシェルなど、ワクチン接種をし始めてから感染爆発が起こった国がアジア太平洋地域に多い。ワクチン輸入の時に不手際があったか。あるいは、ワクチンを接種したから、これで大丈夫と、国境を解放したのかもしれない。なので、感染リスクの少ない国に無理してワクチンを持ち込む必要はないのではないか。

一方、中国での今週の新規感染数は僅かに129人である。2021年の累計感染数も 3873人で世界のわずか0.00005%に過ぎない。そもそも中国は自分たちは新型コロナを制圧したなどと宣伝している。感染の可能性は他の9ヵ国に比べればほとんどないと言える。

中国は世界64ヵ国にワクチンを供給している。そのうち約半数の30ヵ国で接種数が先週より減っている。その数は450万回近い。中にはコロンビアなどのように感染拡大している国も少なくない。多くの国は中国以外からもワクチンを供給を受けているので、必ずしも中国のせいばかりではないが、中国は自国で3000万回以上接種しているので、3分の1くらいをそれらの国に回せば、ワクチン接種数が減ることもなかったであろうと思われる。


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